17.心臓に悪いので
お待たせいたしましたー!!
「よかった、ちゃんとドレスを着てくれていたんだね。メグの美しい金髪が映えて、よく似合っている。」
「ありがとう存じます、お兄様。わたくしも、このドレスは特に気に入っていますの。」
よく似合っている、というその一言すら尊い。
そんな思いを表に出さなかった私は偉いと思う。
さすが、幼少期から躾られていただけある。だが、それも兄の発した言葉によってくずれ、フリーズすることになった。
「では、ダンスホールへ行こうか。」
「…はい?」
「あれ?聞いてないかい?君がレッスンを頑張っていると聞いたから一曲踊ってもらおうかと思ってね。」
(そんなの聞いてませんが!?)
どういうことかとアンナに視線を送ったが、つぅーっと目を逸らされてしまった。
この時、婚約者ができて妹のファーストダンスの相手が俺じゃなくなるなんて考えたくないしな、と呟いていたのは気のせいだと思う事にした。
そのため、とりあえずでこう言っておく。
「そ、そうだったのですね、、。」
こうして、ダンスホールへと向かうことになったのだった。
ダンスホールに着くと、既に楽団がスタンバイしていた。
(たかが兄妹のダンスに楽団て、豪華すぎでしょ!!)
思わずそうつっこむ。一応、この世界にも録音魔法はあるのだ。それを今使わなくてどうするのか。
それに、一番気になるのはこの展開を誰がどこまで知っていたかだ。
少なくとも、楽団を手配した人は知っていただろうし、私にも教えてほしかったと心から思う。心臓に悪いので。
そして曲が始まった。
(あ、めちゃくちゃ踊りやすい。)
ギルバートのリードは上手く、何も意識しなくても勝手に足が動くような感覚になる。
「さすが、私の妹。今まで踊ったどんな令嬢よりも美しく、上手に踊れている。」
「まぁ、お兄様ったら。」
(いわゆる社交辞令ってやつですねわかってますよ、でもやっぱり褒められたら嬉しいじゃないですか!!)
私は、心の中ではそう絶叫しつつも顔には出さないよう全力を尽くした。
その後も、他愛もない話をしながら踊り続ける。
すると、曲も終盤に差し掛かった辺りでとある事に気がついた。
(待って、難易度上がってない!?)
ギルバートがリードのレベルを上げたのだ。
思わず、どういうことですか、という目で兄を見てしまう。だが、当の本人はどこまで着いてこれるかな、とでも言いたげな顔をしていた。
(こうなったらどこまでも着いていってやろうじゃないの!)
幸か不幸か、私は負けず嫌いな性格であった。
お読みいただきありがとうございます、!
書き溜めがないため次までに間が空く可能性がありますが、できるだけ早く投稿できるよう頑張りますのでお付き合いください!




