15.見た目が頭脳に追いつく日
翌日から、いつもの淑女教育に加え、妃教育と魔法の授業が始まった。
妃教育は、私が王子と結婚したいと思った時の為らしい。
正直、私は王妃にはなりたくないので必要ないと思う。が、万が一王太子を好きになった時に絶対必要なので、恋愛に制約がつかないよう頑張ることにした。
魔法についての実技は、普通は学園に入学してから行うことになる。
ただ、そのときは授業のカリキュラムのせいで最大二つの属性分しか習えないのだ。
そのため、四属性持ちの私は先に習うことになってしまった。
三属性の王族も、先に習うらしい。
しかも、学園で習いきれない二属性を完璧にしておけばいいのかと思いきや、そうでもないらしい。
どれかに偏って技術を磨いてしまうと、その他の属性が扱いづらくなる、や、お前も授業を見てからどれが一番楽しそうか判断して受けたいだろう?と言われてしまった。
言いくるめられた感が拭いきれないが、何にせよ最終的には全て使いこなせるようにならないといけない。遅くても早くても同じ、と割り切ることにした。
淑女教育、妃教育、魔法の授業。この三つをこなしているうちに、私の一日のスケジュールが固定化されてきた。
午前中に、淑女教育と妃教育。淑女教育は、マーガレットが六歳前後からずっと叩き込まれているためそこまで大変ではなかった。
問題は妃教育だ。王妃になるための教育だけあって、求められるレベルが違う。だが、元々の淑女教育で身につけたものもあるため、どうにか乗り切れている。
午後は、魔法の授業だ。座学と実技の両方を行っている。最初に座学、その後に座学で学んだことを活かす魔法の実技。
ここでは、圧倒的に前世の経験が役に立った。
魔法を行使する時には、想像力が必要になる。私は前世で色々なものを見てきたため、イメージするのは簡単だった。
フィーリングでやればいいことに関しては得意だ。難しいことを考えなくていいのだから。
普通であれば、その状態をイメージして実行するのが難しい、と教師は言っていた。貴女は素質がある!とも。
とりあえず、笑っておいた。
そして、この数日間で、はなとマーガレットの一体化もほとんど終わったと言っていいだろう。言動がマーガレットよりで、思考がはなよりである。
今まで違和感のあった淑女フィルターも、淑女としての言動が当たり前で自分のものとなった今は違和感は全くない。
つまり、見た目は令嬢(しかも八歳児)、言動はほぼ完璧な令嬢、頭脳は高校生な公爵令嬢が誕生したのだ。
見た目が頭脳に追いつく日を待つしかない。




