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10.飽きた

「これより、春の魔力属性判定式を執り行います。」


 その言葉を聞くと、その場にいた人たちは一斉に礼をする。それと同時に先程とは比べ物にならない緊張感が漂った。


(え? 何事?)


 よく分からないが、とりあえず見様見真似でお辞儀をして誤魔化す。ワンテンポ遅れていたせいで誤魔化しの効果の程は不明だが。


 すると、これまたイケメンな男性が壇上にやってきた。

 少し濃い水色の髪に、ゴールドの瞳。アラニブルやメレブラウに似ているところもある。髪や目の色も、二人とは逆だがほぼ同じだ。そして、前世今世含め、今まで会ったことのある人たちの中で一番威厳がある。


 ここまで考えてようやく気がついた。


(あ、この人、国王だ。)


 だから、あんなに緊張感が漂っていたのかと納得する。にしても、何故あの言葉で分かったのだろうか。疑問である。

 ちなみに、マーガレットはちゃんと式典の説明でこの事を教えてもらっている。転生等々あって頭の隅に転がってしまっていたらしい。


 そんなことを考えていると、国王は挨拶を始めた。


「皆、この日を迎えられたこと、おめでとう。・・・・・・」


 色々喋っていたが、要約すると「おめでとう」ということらしい。


(それなら、おめでとうって言って終わりにすればいいのに。)


 前世でも長い話は嫌いだった。最初は真面目に聞こうとするが、途中で飽きてしまうのだ。

 寝ないだけ褒めてほしい。


 尚、ここにいる人たちの中で「飽きた」などと思っているのはマーガレットだけである。一応、顔には出ていないはずだが。

 他の人たちはこんな機会は滅多にない、と真剣に聞いていた。


 国王が話している途中にこちらを見て、微妙な顔をしていたのは気の所為だと思いたい。


 国王は、挨拶を終えると壇上にある立派な玉座に座った。玉座と言えば赤と金のイメージだが、この王国は青と金らしい。王族の色彩によく合っている。


(やっぱり、ここは異世界なんだな。日本に住んでた頃の常識じゃ分からない事だらけ。)


 玉座の色だけで、そんなことを感じたようだ。何とも大袈裟な気がしないでもない。


 すると、次はこれまたお偉いさんらしき人がやってきた。

 夕方の段々と暗くなっていく空のような藍色の髪と、もう少し青が強い瞳。線は細いが、その色彩も相まって冷たいと言うよりは冷酷さを感じさせるような容貌だ。だが、やはり顔は整っていた。


(冷たく美しいって、つまり)


「クールビューティー…?」


 女性に使うことの多そうな単語だが、私にはこの言葉より相応しいものを思いつくことは出来なかった。そして、彼よりもこの言葉が似合う人に出会ったことがないと言っても過言ではないと思う。


 ちなみに、マーガレットが発した言葉にその男が気がつきやはり困惑の表情を浮かべていた事は、思考に耽っていたマーガレットの知る余地もなかった。

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