002 お題:記録の地平線
▼1 とある日の朝食
ー朝食の時間 朝7時
とある日の朝。〈記録の地平線〉ギルドホールの屋上では、朝食で賑わっていた。
「みなさん、朝ごはんができましたにゃあ」
「にゃん太さん、今日は何を作ったんですか?」
ミノリがにゃん太にそう問う。
「"作った"かと言われると少し怪しいですが、食パンを焼きましたにゃあ」
にゃん太がそう言うと、
「すごい美味しそうだよ班長!!!」
「よだれが垂れてきそうだ、老師」
「超うまそう祭り!!」
皆が一斉に期待の声をあげた。いつも通りの光景だ。これを見るとなぜかシロエは安心する。
「もう食べちゃっていいよね、班長」
「熱いと思うから気をつけて食べて欲しいですにゃ」
…にゃん太の返答も聞かず、シロエは食パンにかぶりついた…が。
「あっっっっっつ!」
(言わんこっちゃない…)
案の定(焼けてすぐだったからなのもあると思うが)とても熱いパンで火傷をしかけた。
「大丈夫ですか!?」「大丈夫か、主君」
ミノリとアカツキが同じタイミングで声を上げる。
「ああ、大丈夫大丈夫」
そうシロエは返した。本当は大丈夫じゃないのだが。
「シロ、全然大丈夫じゃない祭り…」
直継に大丈夫じゃないのがバレてしまった。仕方ない。
「え、どうしてさ?」
「バットステータスついてるぜ」
熱いなとは思っていたが、バステは気づかなかった。
(割としっかり焼いた)食パンでのプチ火傷だったため、
比較的軽めのバットステータスだった故に、見つけることが難しかったようだ。
「まあいいや、ポーションとかで適当に直しておくし」
「ならいいけどさ」
−まあ、パンは美味しかったな。熱かったけど。
▼2 とある日の昼食
時間は午前11時を過ぎた頃だろうか。
シロエはおもむろに<魔法の鞄>から一枚の紙を取り出した。
<〇〇日のお昼はロデリックさんと屋台でラーメン>
<夜は適当に食べる>
<早く寝ること>
「あっ」
昼からかなり重い料理だ。嫌いというわけではないが引きこもって仕事をした後にこれは割と堪えるものがある。
ー30分後 ラーメン屋台にて
「お待ちしてました、シロエさん」
「待たせてすいません、ロデリックさん」
シロエとロデリックの2人は邂逅を果たした。
「いいんですよ、私はもう一足先にラーメン堪能しましたから」
「もう食べたんですか!?」
シロエが来る前に既に1杯平らげたと言う事実が判明し、さすがの彼も驚きを隠せない。
「ええ、私が作ったとある<水薬>の実証実験も兼ねて」
アキバでは<円卓会議>結成から今日に至るまで、絶えず新しい料理などが発明されていっている。おそらくその一環だろう。
「新しい<水薬>ですか?」
「はい」
「興味深いです、できれば聞かせてください」
「もちろんです」
「私が作った新しい<水薬>の名前…それは……」
…
…
…
「「タクサン・タベレール」」!!!
え。
「色々とまんますぎませんか」
「わかりやすい方がいいでしょう?」
一理あるが、もうちょっとネーミングをひねった方が良かったのではないか?そう思う。
「まあそうですけど…」
「どうです、シロエさんもこの新アイテム使ってみます?今ならなんと50…」
ロデリックがここぞと言わんばかりにシロエに謎アイテムを買わせようとしてきたが、
「今回は遠慮しときます」
とシロエは断った。ラーメン代しか持っていないので仕方が無い。
……一通り話も済み帰路につこうとしていた時、ロデリックの背中が心なしか寂しく見えた気がした。
書いたものをぶん投げました。寝ます。