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【2-01】 新天地

 対岸に到着。


 どのくらい飛んでただろう? 時計がないから正確にはわからないけど、かなり長かったような気がする。太陽の高さから見て、もう昼に近い時間のはず。出発したのはかなり朝遅かったけど、それでも多分、少なくとも1時間以上は飛んでたと思う。2時間くらい飛んでたかもしれない。

 でも、「なんとかたどり着いた」といった感じではない。体力的には、まだ余裕があるな。

 今まで、どのくらい飛び続けられるのか試してみたことはなかったけど。自分で想像していたよりずっと長い時間、無着陸で飛び続けられるらしい。ドラゴンって、本当に省エネな体なんだな。まあ、今回はなるべく体力を温存しながらゆっくり飛んでたからであって、全速力で飛んだりしたらこうはいかないだろうけど。


 着地する前に、海岸の上空をゆっくりと旋回しながら、慎重に地上の様子を確かめてみる。ドラゴンには、そもそも慎重な行動なんて必要ない気もするけど。まあ、初めての場所なので、一応はね。

 海岸で、勇者様御一行が盛大な歓迎(意味深)の準備を整えて待ち構えていたりしたら困るし。


 こっちの海岸は岩場が中心で、砂浜はほとんどない。平地もほとんどなく、山が海岸まで迫っている。ただ、そんなに急峻な山ではない。山と丘の中間くらいのなだらかな地形が、内陸までずっと続いている。

 そして、それらの山はだいたい森に覆われている。景色は、海の向こうとあまり変わらない。

 専門家がきちんと調査すれば、実は生えている木や草の種類が少し変わっていたりするのかもしれないけど、ぼくにはそこまではわからないし。


 次に、地上の気配を探ってみる。

 動物の気配はたくさん感じるけど、ぼくが気配を感じられる範囲内には、人間はいないようだ。とりあえず、勇者の待ち伏せ攻撃の心配はなさそう。

 ただ、人が住んでいない土地という訳ではないらしい。よく見ると、海岸に沿って細い道が続いている。川を渡る箇所に丸太を渡しただけの簡単なものだけどちゃんと橋がかけてあるから、獣道ではない。間違いなく人間が作った道だ。


 とりあえず危険はなさそうなので、海岸の大きな岩の上に着地。はい、新天地への記念すべき第一歩……っと。

 長い間飛んでたので、お腹すいたな。昼食にするか。岩場なので、どんな味の岩ミルクでもだいたい揃っていそう。

 美味しそうな岩を選んで舐めてみると、すぐに岩ミルクが染み出し始めた。よし、海のこっち側でも、この能力は問題なく使えるな。岩の味が想像できるってことは、そりゃ使えて当然か。


 さて、これからどうしよう?

 せっかく来たんだから、もう少し内陸の方まで見に行ってみようか。

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