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■番外編五十五裏『イシハラの最適性武器』※ムセン視点

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「───って事だと私は思う。推察でしかないけど。色々とおかしい部分考えると納得」

「……な……そんな……それにイシハラさんを利用しようとしているって事ですかっ!?」

「たぶん。あの勇者……修行なんてしてるとこ見た事ない。この国の滞在中、ずっと遊び回ってた。そう報告されてる」

「……許せません……絶対! 皆さんに伝えにっ……!」

「無駄、推察でしかないし……誰が信じるの? あなたも見ての通り、この世界は『職業信仰』が根付いている。あなたといー君は警備兵……いや、まだ無職。向こうは勇者。百人が百人、勇者の嘘を信じる。たとえそれが破綻した理論であっても。それが『職業』に対するみんなの信用度」

「そんなっ……そんなのっ……!! おかしいですっ! 狂ってます!この世界っ!」

「あなたのいた世界では違ったの? ムセン・アイコム。『職業』に対して偏見はなかったの?」

「!!…………………」


~~~~~~~~~~~~~~~~~


『まったく、『栄養管理士』なんてこの船にいるのかしら? 栄養カプセルも自動給士も船に備えてあるのに。もう古いのよそんな廃れた職業』


~~~~~~~~~~~~~~~~~


「…………」

「それに今はそんな事言ってる場合じゃない、いー君一人だったら互角に戦ってたけど……今はあの勇者に足を引っ張られてる。それに決め手になる攻撃手段がなかったのも確か。このままじゃ危ない」

「……何か……方法はないんですかっ!?」

「……………1つだけあるとしたら……いー君の『最適性武器』を探すこと」

「……『最適性武器』……?」

「『天職』の才の者だけが扱える武器。勇者が今使ってる武器がそう、先代勇者……父親の形見だった『聖剣』。あれは勇者だけが扱える勇者という職業に最適の武器」

「………イシハラさんにも……そんな武器があるのですか? そういえばイシハラさん……どの武器を使っても納得いっていない様子でしたが……」

「必ずある。だけどこの世界にある物とは限らない、いー君が前世でよく扱って愛着があったものかもしれない。そうなると不可能」

「………イシハラさんの……」


ブォンッ……ピピッ!


「? ステータス画面を開いてどうしたの? ムセン・アイコム」

「イシハラさんのプロフィールに……ずっと気になっていた文章があったんです……」


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◇『イシハラ・ナツイ秘密項目』

・…………であり、体脂肪率は10%。股下のサイズは………

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「……何か顔赤いけどこの非常時に何してるの? ムセン・アイコム」

「すみませんっ! 間違えましたっ! ここじゃなくてっ……確か職業の『警備員』を長押しして……」


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◇『警備員』

・……【誘導棒】や旗を使用し、交通誘導を行う。

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「試験の時から考えていたのですが……もしかしたらこの【誘導棒】なるものがイシハラさんの適性武器になるのではないかと……イシハラさんもよく棒を振ってたと言っていましたから! ただこの【誘導棒】……詳細がわからないんです……」

「……今、この世界で確認されていない『異界アイテム』はステータス画面に詳細が表示されない。私にもわからない、聞いた事もない」


バサッ……バサバサッ


「ぴいっ! ムセン様っ! 御主人様は無事だっぴ!?」

「ぴいさんっ! シューズさんとエミリさんは!?」

「大丈夫だっぴ! 無事お母さんに送り届けたっぴよ! シューズ様が護衛して避難してるぴ!」

「……良かった……!……そうですぴいさんっ! 確かイシハラさんの事は従事する以前に調べたのですよねっ!? イシハラさんの前世のチキュウという世界の事もわかりますかっ!?」

「ぴ! もちろんだぴ! 何かあったぴ!?」


私は急ぎ、ぴぃさんに経緯を説明します。

すると……ぴぃさんは素早く理解し、【誘導棒】なるものの説明をしてくれました。


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「…………というわけで視認しやすく扱いやすいものだっぴ! 『赤色灯』とも呼ばれているぴ!」

「……何それ。そんな物が武器になりえるの? 誘導を促すだけでおおよそ武器たりえるとは思えないけど。それに『オルス』にないんじゃどうしようもない、光る棒なんて似たような武器も見た事ないし」

「…………」

「……どうしたの? ムセン・アイコム」

「それが……【誘導棒】……もしかしたら……私……それに似た物を持ってるかもしれませんっ!」


ガサゴソ……ガサゴソ……………バッ!


「これですっ! ありましたっ!」

「……その変な服はどうなってるの? ムセン・アイコム。どこに収納してたの? 興味深い」

「ぴ! それよりもムセン様! その棒全然光ってないぴ! それに短すぎるっぴ! 持ち手の部分しかないように見えるぴ……!」

「いいんです! きっと……イシハラさんが使用すればっ……!」


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