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五十二.やったか?←やってない


「わははは! さすがにやるじゃねぇか! 結構効いたぜ!? 今の銃攻撃はよ! だがまだまだ甘っちょろいなぁ! 次は俺様がいくぜぇ!」


【テロリズム技術『無慈悲且つ多発的な攻撃』】


 クソライオンが指揮者のように腕を振り上げると周囲あちこちに爆発が巻き起こる。


ドドドドドドドドドドドドドドドドォォォォォンッ……


「きゃあっ!?」

「……っくっ!」

「わぁぁぁぁっ!?」

「きゃあぁぁぁっ!!」

「ひぃっ! 助けてぇっ!!」


《ギャァァァァァァァッ!》

《グワァァァァァッ!》


 ムセンやウテン、住民、魔物までもの悲鳴が聞こえる。敵味方関係無し、あちこち無差別だ。

 家屋も次々爆破され、屋根や瓦礫が隕石のように俺達に飛来する。

爆発の影響か魔物にやられたかは知らないが、兵士達は続々と地面に倒れている。ムセンが回復しているが間に合わないようだ。


 中央広場はまさに阿鼻叫喚の様相だ。


「やめぃ」


 俺は再度、銃にエネルギーを注入する。そしてクソライオンに向けた。


「また光線銃か!? 無駄だぜっ!!」


 クソライオンはそばにいた魔物の頭を両手で掴んだ。


《ギャァァァァァァァッ!?》

《グワァァァァァッ!?》


 そして、俺に向かってブン投げた。


【一流警備兵技術『危険予知』】


 俺は飛んで来た魔物達を避ける。


「いー君!! 後ろっ!!!」


 ウテンが珍しく大声を出す。避けた先、俺の後ろにはクソライオンがいた。


「わはは、魔物は囮だ」


 クソライオンは俺の後ろで爪を構えた。爪撃が俺を襲う。


「そうか、俺もだ」

「!」


 俺は脇の下から後ろへ向けた銃の引き鉄をひいた。


「うおっ!!」


ドオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォンッ!!


 クソライオンの叫びと共に今度はすぐにビームの直撃したような爆発音が聞こえる。

 どうやら当たったようだ、零距離射撃。

 最初に撃とうとしたのはフェイントだ。わざと後ろをとらせて近づけさせ、レーザービームをお見舞いしたわけだ。


 俺は後ろを振り返る。


「……………わははは……やるじゃねぇか!」


 今度は防ぐ間もなく直撃させたはずだが、クソライオンはピンピンしていた。こいつ、固いな。RPGとかで一番面倒くさい俺の一番嫌いなタイプの敵だ。


さぁ、どうしたものか。向こうの攻撃は全て避ける自信はあるが、こっちの攻撃は敵のHPを1ずつくらいしか減らせない。その間にも魔物達はどんどん住民を襲う、こっちの戦いの余波に巻き込まれる場合もある。


何か考えないとな。


---------------


【ムセン・アイコム適性武器技術『サンシャイン・キュアライト』】


「はぁ……はぁ……まだ…………お怪我をされてる方は……いらっしゃいますか……?」

「顔色が悪い、ムセン・アイコム。技術の使い過ぎ、技術は精神力と体力を使う。自身の力が続くかぎり技術は使用できるけど逆に言えば止め所を自分で考えずに乱発すると死ぬ事もある。貴女は今ギリギリのはず、これ以上回復を続けると死ぬ」

「はぁっ……はぁっ………はぁっ……」


「誰かっ!! 助けてくれぇっ! 息子がケガをっ……!」

「こっちにも怪我人がいっぱいっ……!」

「お願いっ! 私を守って兵士さんが怪我をっ…!」


【ムセン・アイコム適性武器技術『サンシャイン・キュアライト』】


「あっ………怪我が……」

「治ってく……何て……優しい光……」

「……あの警備兵の子だ……ほら、さっきの……」

「まるで神官様だ……でも…警備兵って……」


ガクッ


「はぁっ……! はぁっ……! はぁっ……!」

「聞いてた? ムセン・アイコム。それ以上やったら本当に死ぬ」

「はぁっ……はぁっ…………だから……どうしたんですか……? だから……ケガしてる人達を……見捨てろと……そういうわけですか……?」

「……わからない。貴女がそこまで住民達にする義務はないはず」

「はぁっ……はぁっ……義務や義理がなければ…………動いてはいけませんか……? 他人だったら……命を懸けて助けるのはダメですか……?」

「………」

「はぁ……はぁ………神官様でなければ……ケガを治してはいけませんか……? 騎士でなければ……住民は守れませんか……?……はぁっ……勇者でなければ……人々は救えませんか?」

「………」

「はぁ……はぁ……平民だったら……ただ、座して待つ事しかできないですかっ!? そんなわけないじゃないですかっ! 職業だとかっ……立場だとかっ……そんな事に縛られてどうするんですかっ! 私はっ……! そんな事考えてる暇があったらっ……ただ前に進みますっ!」


『サンシャイン・キュアライト』


「………ムセン・アイコム……」

「はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……」


---------------


「おらおらぁぁぁっ! どうしたぁっ!! 攻撃はもう終いかぁっ!?」


 クソライオンはとめどなく爪で攻撃してくる。あー疲れる。避け続けるのも疲れたな。

 俺は再度銃を構え、エネルギーを装填する。


「懲りずにまたビームかぁ!? 効かね」


カチッ! ビーーーーーーーーーッ!!!!


「!」


ボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!


 俺はすぐに発射した。ビームは大口を開けていたクソライオンの顔面に直撃した。口の中に。

 外からの攻撃が効かないんだったら体内を狙うのはもはやTHE・鉄板だろう。


「ガッ………ガッ…………」


 クソライオンは口から煙を吐きながらヨロヨロしている。


「お……おい! やったぞ! あの警備兵……っ!」

「すげぇっ! 魔王幹部を……たった一人で……!」

「やったのか!?」


 住民達が『やったか?』←やってない。のフラグを叫ぶ。やめろ。それが出ると大抵倒しきれてないんだから。



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