番外編.王都戦争⑦『軍師と最強の騎士』
〈ウルベリオン王都.王城階段前〉
「軍師マリオン様!貴族街の守備配置完了しました!」
「うむ、それならば良いでおじゃる。他を捨ておいてでも王と貴族様達だけは守らなければならないでおじゃる。王は御自身の身を捨ておいて民を守ろうとしているでおじゃるが……現状の兵力で住民全員を守る事は……この頭脳をもってしても叶わないでおじゃる。それならば……ワチキは王の命に背いてでも国を再建できる者達を生かすでおじゃる。チミもそう思うでおじゃるであろう?ウルベリオン王国最強騎士、【アーサー・シャインセイバー】殿?」
「無論だ、だからここにいるんだろ。命や職業には格差があって当然だ、役に立たねぇ者を生かす必要はない」
「うむ、王の理念は理解できなくもないでおじゃるが有事には邪魔にしかならないでおじゃる。ワチキ達は独自に動くておじゃる、絶対に王達に魔物は近づけないでおじゃるよ」
「魔物達の目的は勇者さんなんだろ?どこ行っちまったんだ?」
「不明でおじゃる、捜索中でおじゃるよ」
「……まぁいいさ、他の騎士達は街を守る事に必死らしいからな。足止めくらいはできんだろ、いざとなったら俺様が全部ぶっ潰してやるさ。たとえ攻め込まれようが……上の貴族街と城だけは絶対守ってやるよ」
「うむ、頼むでおじゃる。全隊、街に何が起きてもここを離れる事は許さんでおじゃる! 城の守護に全精力を注ぐでおじゃるよ!」
チャキッ!!
「「「「「「「はっ!」」」」」」」
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