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8話目 プラントハンター


Dランク用の掲示板をみる

観葉植物の採種

依頼人 上級貴族

報酬 金貨10枚 新種、レア種は高額で買い取り


現在都市部の貴族達の中で珍しい花や植物を集めて温室で育てることが流行っている、モンスターが生息する地域にはプラントハンターが進入出来ず、新種、レア種の採種が滞っている プラントハンターの護衛をしながら南西部の未調査草原地帯で採種作業を手伝って欲しい


「貴族達の趣味か、平和的なものだから手を貸しても良いのかな、今日は南西部の草原地帯でゆったり自然を眺めながらモンスターを狩って過ごそう、ギルドランクも上げてみたいしな」




御菓子とジュースも調合で作成して持っていくか




南西部草原地帯


鑑定

名前 タンタン

プラントハンター

能力補正スキルプラス

虫除け、木登り、毒耐性


男性23才

ステータスオール1以下


スキル

視覚強化

味覚強化

聴覚強化

嗅覚強化

精神強化


植物感応

植物の状態が瞬時に理解出来る



プラントハンターに同行して作業中の彼をモンスターから護衛することになった、



草原を暫く進んで未探索地帯がある目的地へを目指す


20メートル程先にピンク色をしたチューリップのような花が群生しているのが見えた


「野生のチューリップですねあの色はレアです採種していきましょう」この世界にもチューリップがあるらしい、まだ栽培はされていないのかな


タンタンはスコップを刺し根を傷つけ無いように丁寧に土をかき分けている


「チューリップは栽培はされて無いんですか?」


「貴族の温室に少し栽培されているだけでたくさんは無いです、切り花は一般にも販売されていますが一本金貨2枚以上はする高額な商品なので普及率は低く、株の方は貴族が独占して育てています、彼らは品種を独占して自分を権威付けるのが好きなんです」


「見栄の張り合いのネタがチューリップ栽培の品種独占になっている分けですね」


「有難いことです!」



儲かってるんだろうな・・・



8本のピンクチューリップの採種に成功した

まだ周囲にモンスターの気配は無い

このまま未探索エリアへと歩いて行く


未探索エリア


湖がある水辺へと来た、ピンポン玉ぐらいの大きさの和かな白い光を放つ光の玉が空中を漂っている


「あれ、見えます?丸い光の玉みたいなやつ」


「あれは草の精霊ですね、綺麗な水辺で極稀に見かけます」


「草の精霊は採種可能ですか?」


「以前瓶の中に入れたことが有ったんですが消えてしまいましてね、環境が制御しきれなかったんですよ、保存の仕方が分からないんです」


「草の精霊には思考力がありますか?」

「無いですね、本能と反射だけで生きている単細胞微生物と同じです、ほぼ空気中を舞っている塵と同じような感じです」



「水辺とか湿気とか持続条件も厳しそうですよね、あの綺麗なのが温室にいたらインテリアに良さそうに見えますがね」


「ええ、まだまだ生態調査を続ける価値のある精霊です鑑賞価値は充分にありますから」


飼育瓶や飼育器に温度や湿気や土地に満ちている魔力エネルギーを再現し常時制御していく機能があれば・・・


「アルティメット錬金術!」


「魔力制御基盤を作成、基盤には常時温度を27.2℃、湿度55.1%になるように設定、加えて0.26%の魔力エネルギーを常時供給するように設定」

制御基盤が錬成出来た


「錬金術の錬成ですか?その鉄の板は?」

「環境を制御するプログラムです、後何段階か必要なので続けていきますね」


作成した制御基盤を一端アイテムボックスにしまった


「魔力蓄積装置を作成、魔力を自動生成し巡回する機能を作成、初回分の魔力を充填、以後太陽エネルギーから自動的に魔力に変換」


「そちらの板は?」


「これは自動で永久にエネルギーを生産して常に決められた量だけ供給するシステムです、作業は後2工程ありますね」


多機能魔力電池をアイテムボックスにしまう


「ガラス瓶を錬成、あっ酸素とか二酸化炭素とかの制御装置を作るの忘れてた、ガラス瓶の中の空気を作らなきゃ」


ガラス瓶をアイテムボックスにいれた


「この場の待機中の成分を鑑定で解析しコピー錬成、常にガラス瓶内の大気を制御する制御基盤を錬成」


制御基盤をアイテムボックスにいれた


「作成した全ての基盤、電池、ガラス瓶を見易い程度に透明化して錬成」


再度錬成されたガラス瓶をアイテムボックスに入れた


「あっ、餌はどうするんだっけ?鑑定」


鑑定

草の精霊

魔力エネルギーを吸収し酸素を出す


「餌は魔力エネルギーか、減った分だけ常時供給させてガラス瓶中で生産された過剰供給の酸素は自動分解しなきゃな、制御ばんをもう1つ錬成、大気中の全ての要素を解析再現制御する基盤を作成」

基盤をアイテムボックスに入れた


「アイテムボックスからガラス瓶に基盤を錬成」


精霊飼育器ガラス瓶タイプが完成した


俺は精霊を捕獲し密閉式のガラス瓶に空間転移させた




空間転移魔法を修得しました




インテリアアイテムガラス瓶の草精霊が完成した!


青い光の玉がガラスの中を浮遊している


「こいつは売れますよ、草の精霊は何日間持ちます?」


「ガラス瓶の中で完全に環境サイクルが再現されているので永久に持つと予測されます」


「・・・それって神話に出てくるレベルのアイテムですね、販売しない方が良いでしょう、神殿勢力と揉めますから」



ガラス瓶の草精霊を貴族達に販売する計画はお蔵入りになった



完成品のガラス瓶の草精霊1つをアイテムボックスに収納した



売却不能アイテムでも俺が楽しめればいいや


水辺を少し探索していたら開けた砂地に出た



「少し休憩しませんか?」


「そうですね」


俺はアイテムボックスから椅子2脚とテーブルを出しカステラを風魔法で一口大にカットして皿に載せフォークを2つ刺した

「御菓子でも食べませんか?」


「それは?」


「カステラです小麦粉、玉子、乳、それに砂糖から作った酒、砂糖などが原材料です」


「へえー、パンみたいですね甘いんですか?」


「程よい甘さだと思いますよ、味見してみますか?」


「では一つ」


タンタンはカステラをフォークで刺すと口の中に入れた



「・・・上級貴族が好みそうな味がしますこの程よい甘さと酒の風味、柔らかな食感、色合い的にも綺麗だ」


俺は時間停止アイテムボックスから入れたての紅茶が入った耐熱ガラス製のティーポットを出した


「コーヒーと紅茶どちらにしますか?」


「何ですかそれ?」


「紅茶はお茶の種類です、コーヒーは豆を砕き焼いたらものから作る飲み物です」


「紅茶ってそのガラスポットに入ってるやつですよね、色が綺麗なんで紅茶でお願いします」


「そうですよね、カステラには紅茶が合います」


俺は雑貨屋で買った陶器製の器を見つめる、これはねーな・・・仕方ねー錬金術で作るか


アルティメット錬金術

周囲1000キロの範囲からティーカップとソーサー作成に最も適した陶芸用の土を錬成!


空間転移魔法で陶芸用の土を転移!

薄くて頑丈なティーカップセットを4つ錬成!


アルティメット調合

周囲1000キロの範囲から材料を抽出、陶器着色用の塗料を調合


空間転移魔法で塗料を転移

更に錬金術で草花をモチーフにした模様を錬成!


鑑定

神々の午後のティーカップセット

品質SSSSランク

神話級アイテム

価値王価1000枚


王価1枚=1千万円

日本円換算で100億円


アルティメット錬金術とアルティメット調合使ったら材料費ゼロで100億円のティーカップセットができちまったよ・・・誰が買うんだ、100億円じゃ買い手つかないだろ


「はいどうぞ、冷めない内に」


「・・・100億円の器に入った飲み物ですか・・・良い香りですね、ではゴクン、ゴクン、フゥー美味しいです」


「平民、何か飲んでおるようだな」

急に表れた



以前炊事場で出くわした上級神族か或いはもっと上の存在の少女だ


鑑定

鑑定が弾かれました

魔力差が有りすぎます


やはりそうなるよな、寧ろ懐かしいぐらいだ


「ほう、少し強くなっているなこの間のパフェの礼にこれをやろう」


幸運の御守りを貰った



異世界ネームプレートを貰った



鑑定

幸運の御守り

良いことが起こる


ざっくりしてるな鑑定



鑑定

異世界ネームプレート

異世界ネームを付けられる

変更自由



異世界ネームか、自分で設定する異世界用の名前をまだ付けていなかったな

とりあえずスズキで良いや



ピコン

空間に文字が浮かんだ

異世界でスズキと認識されるようになりました、ネームプレートは取り外し自由です貴方に不利になる場面では自動的に名前を隠します



「よっしゃーぁああああっつ!!!!!!」

俺は狂喜乱舞した




良いものくれたよこの幼女様!

これで名前で恥ずかしい思いをしなくて済むよ!



幼女様は黙々とカステラを食べていらっしゃる




もぐもぐ

もぐもぐ

ぐびぐび

ぐびぐび



「美味であった、でわな!」


シュパン

光って消えた



行ってしまった、可愛いから居て欲しかったが仕方ない。


食ったら直ぐに帰るよなこの子

元気な食いしん坊だな



「今の方は神様ですか?」


「もっとヤバいものかも知れません、正体不明です」



「・・・」



カステラと紅茶で小腹を満たしたプラントハンターと俺は植物探索を再開した



「水分量が多い湿り気がある場所も探索して見ましょう」


「柔らかな湿地ですね」


枯れ草が何層にも積み重なって出来ている土のようだ



「あっスズキさんハードポイズンフロッグがいます」


「あの小さな毒ガエルですか?綺麗な水色をしてますね」


「毒矢の材料になるんで捕獲しておきます」


「カエルの体液の毒矢か、効きそうですね」


「ハードポイズンフロッグの体液は売却可能アイテムで、弓矢使いが好んで使う神経毒です、オークぐらいならかすっただけで殺せますよ」


「じわじわ系の毒じゃないんですか?」


「20秒で毒が廻って戦闘不能になります、では捕獲して来ますね」


そんな猛毒危険なんじゃ無いのか?


「うわーっ!」


「どうしました!」


あっ!

「伏せて!」


リザードマンの群れが弓で一斉射撃してきたおそらくハードポイズンフロッグの毒がたっぷり塗って有るのだろう



「風魔法ウインドウォール!」



俺は自分に向かって来た毒矢を防いだ

プラントハンターには既に数本の毒矢が刺さっている、後15秒程で毒が周り彼は死ぬだろう


「散弾式ファイヤーアロー!」


ドンッ


500発のファイヤーアローの散弾がリザードマンを穴だらけにし一撃で群れを壊滅させた



油断した、護衛対象を毒矢で攻撃されるなんて完全に計算外だった、俺は冒険の初心者だ・・・取り返しのつかない致命的なミスに後悔した


「助けてください、助けて・・・」


「もう助からねぇよ・・・あんたがそういう毒だってさっき説明してたろ」


「解毒ポーションを調合してください!」


材料があるんだな!?



「アルティメット調合!プラントハンターのバックパックの中味から解毒に有効な植物のみを選択し解毒ポーション調合!解毒ポーション使用!」



「ぐうっ、ゲフ、ゴホ、ゴホ」



「マイルドヒールポーション使用!」



「ゴホ、ゴホ、ゴホ・・・」


「駄目か・・・」


広範囲鑑定!半径1キロ圏内から毒に有効な成分を割り出せ!


鑑定

解毒鉱石

解毒草

解毒フラワー

解毒甲虫

解毒貝


「空間転移魔法!アルティメット調合!解毒ポーション作成!」


奇跡の解毒ポーション 品質SSSS

如何なる毒をも解毒する


「・・・出来た、




奇跡の解毒ポーションを使用!・・・間に合うか!」


「・・・ゴク」



プラントハンターは回復した



「ヤバかった、タイムリミット過ぎてませんでした?」


「私プラントハンターなんで毒には少しだけ強いんですよ」


少しだけの差だった、後3秒遅れたら死んでいたのではないか



奇跡の解毒ポーションが作成可能になった


奇跡の解毒ポーションを5個作成しアイテムボックスに入れた



「タンタンさん探索を切り上げて一端帰りましょう、休んだ方が良いです」



「スズキさん黒焦げで穴だらけのリザードマンの死体からアイテムを回収しても良いですか?」


「黒焦げですよ」


「リザードマンの内蔵を貰っていきますね、モンスタープラント達の餌にしたいんで」


「モンスタープラントって」


「歩行植物です、肉食でモンスターを補食します、あっ、既にいますねリザードマンの死体で釣れたみたいです、あれ欲しいですね全部捕獲して頂けますか、無傷で、20体ぐらいいますけど」



20体程の緑色をした2足歩行の植物がリザードマンの死体に群がっている



「無傷っすか、炎は使え無いですね、麻痺や眠り状態にして運ぶんですか?」


「闇魔法で光を奪ってから氷魔法で冷却して鈍らせ、麻酔薬を注射すればいけるんですが」


「麻酔薬を貸してください、氷魔法!アイスブリザード!」



冷却されてモンスタープラントの動きが鈍った




「不充分です、視力が生きています、あれじゃ近づけません」

俺は超スピードでモンスタープラントに近づいて素早く麻酔薬を打っていった、モンスタープラント20体はあっさり捕獲出来た


「凄い、モンスタープラントが完全に無傷ですよ、こりゃ高く売れる、儲けはもう充分です、ここらが潮時なのでもう帰りましょう」


帰り道


「デスビートルの群れが15体程いますね無傷で捕獲してください、売却可能ですから」


デスビートルってでかいカブトムシだな、毒でも持ってるのかな



俺は動きが遅いデスビートル達に近づくと硬い外郭の隙間に麻酔薬を打ち込んで簡単に捕獲した



「良いですよースズキさん大漁です、甲虫園に売却しましょう」

甲虫園?動物園みたいなものか



帰り道



「スズキさんキングゴキブリンの群れが50体いますよ無傷で捕獲してください」



ブチン



「・・・お前がやれ・・・」



「えっ何怒って・・・」




「・・・殺すぞ・・・」




「えっえっ?」




「お前がゴキブリに触ってみろや!!!」



「えっ?はい」


タンタンは平気な顔でキングゴキブリンを袋詰めにしていきアイテムボックスにしまっていった、全て素手である


「スズキさん30匹も逃げてしまいましたよ私のスピードじゃ無理ですって」



「・・・」



帰り道



「スズキさんキングゴキブリンの群れです今度は500体います無傷で捕獲してください、薬の材料として売却出来るんで」



バタ



「スズキさん寝ないでくださいキングゴキブリンが餌だと認識してそっちに行きますよ」



「強制転移魔法、タンタンを冒険者ギルドの医務室へ!」



聖剣エクスカリバーよその力を全て解放せよ



エクスゴキブリンブレイカー!!!



どーん



・・・大陸の形が少しだけ変わった・・・




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