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5話目 定食屋


主人公19才男

鈴木・バーミンガム・クラスターの視点


これが深紅の宝玉と似たような名前の深緑の宝玉か、



鑑定


深緑の宝玉

グリーンドラゴンが守護していた宝玉

ドラゴンによって古代遺跡からトレジャーハントされた宝玉



これだけ・・・なんか特殊効果とか付いて無いのかよ、売却専用アイテムか?


使い方が分からねぇ

取り敢えずしまおう、綺麗な緑色の宝石だと思っていよう、深紅の宝玉は1億円だったからこっちもそのぐらいの価値はあるだろう


錬金術ギルド内 奥の部屋


「おっさん、石炭と鉄鉱石300キロ持って来たぞ!」


「おう!倉庫に運んどいてくれ」


「倉庫ってどこだ!」


「そうこだ」


「どこだよ!」


「そうこだ」


「どこだよ!」


「そうこだ」


「どこだよ!」


「そうこだ」


「どこだよ!」


・・・


「そこだっていってんだろうがボケがーっ!!!!」

おっさんはむちゃくちゃキレた

最初からそこだって言えよ、滑ってるぞ


錬金術ギルド倉庫内

あのでかい木箱の中か


既に鉄鉱石と石炭が少し入っている箱があった、アイテムボックスから箱の中に鉄鉱石と石炭を補充した


俺のアイテムボックス石炭すげーあまってるな


錬金術って元々別の物質から金を作る目的で開発された術だったな、結局無理だったらしいけど、金鉱石を純度の高い金には錬成出来るけど、金鉱石は元々金を含んでいる物質だからな


アルティメット錬金で石炭からダイヤモンド作れないかな、石炭とダイヤモンドは成分がほぼ同じだからあとは技術力の問題だろう


元の世界でも既に人工ダイヤモンドが作られていたし、錬金を試してみるか




俺は空の木箱10個に石炭をドサドサ詰めてアルティメット錬金を使った


「木箱の中の石炭を全てダイヤモンドへ!アルティメットれーんきーんー!!」


シュパパパパパーン

光った



ダイヤモンド500キログラムが錬成されていた


「・・・成功しちゃった・・・」



「なんだこの音わー!何やらかしやがったー!」


「いや石炭からダイヤモンドを錬成しようと思って・・・」


「ダイヤモンド?その木箱の中身がか?水晶かガラスでも錬成したんじゃねーのか?」


「言われて見ればガラスそっくりですね、すごく歪な形をしたガラスで出来た薄汚れた石ころみたいだ・・・」


「だろ」


「取り敢えず鑑定してみます」


鑑定

最高品質のダイヤモンド原石

総計でザイン王国国家予算の70年分以上の価値 加工次第では価値が跳ね上がる


「ほら、本物じゃないですか?」


「・・・」


「ヤバイものなら燃料として使っちゃいましょうか、ダイヤモンドは燃えますからね」


「・・・」


「もしこのダイヤモンド錬成のことを内密にして頂けるなら1つ差し上げますよ」


「・・・」


おっさんは無言で手を出してダイヤモンドを受け取った、どんなに安くても王貨5枚以上はするダイヤモンド原石だ


賄賂を修得した


賄賂を受け渡した際に約束した内容を守らせるスキル


「深緑の宝玉をグリーンドラゴンから譲り受けたのですが錬金術に使えますか?」


「ダイヤモンド錬成の次は深緑の宝玉か、お前ぶっ壊れてんな」


「・・・」


「知ってると思うが高レベルの錬金素材はそれに見合う価値の素材同士を使わねーと上手くいかないんだ、それに複数の素材を使うと効果がたくさん付いたり良いものが出来たりする、例えば同じクラスの素材を5つ使って錬成するとかな」


「宝玉5つとかですか?」


「それも有りだがレアな金属とかモンスターの素材とかな後は魔力を注入するとか・・・そんな法外な値段の素材を使って一体何を作りたいんだ」


「魔力増強の指輪ですかね、後聖剣作れるんでそれも」


「指輪なら金属と宝石だけでいけそうだな宝玉もつかっちまうのか?」


「使えるものなら何でも」



「先ずは原型となる指輪を錬成しますね」

俺は指輪の錬成を始めた


「アダマンタイトと深緑の宝玉を素材として使用、魔力のリングを錬成!」


深緑のアダマンタイトリングが錬成された

深緑のアダマンタイトリングに魔力を充填能力を付与


深緑のアダマンタイトリング

種類、魔力のリング

魔力10億


スキル

マジックブースト

常時魔力を3倍にする


スキル

状態異常耐性

即死無効

石化無効


錬成が成功した

まずまずの成果だ即死無効が付いて安全性がかなり上がった


「まずまずの出来ですかね」


「神話に出てきそうな指輪だな」


「聖剣の方は聖なる者やモンスターを倒して聖属性の素材を手に入れなければ無理なようですね」

「普通は聖なる者、神や天使から贈られる伝説級の素材を使うのだがな、それか聖属性モンスターの化石から採取したりな」聖属性をもった聖なる敵か、その内遭遇することも有るだろう


今日は鉱山に行ったからかなり時間を使ったな、もう夕方だ飯を食いに行こう


「洗浄魔法」

石炭をさわって手が黒く汚れていたので全体的に洗浄し乾燥させた


異世界にも美味い飯屋が在ると良いんだが、この辺りじゃ美味い飯屋は少ない、この際自分で作ってしまおう、資金力はダイヤモンド原石一つでも売却すれば充分過ぎるぐらいだ


頭の中にある独占状態の異世界レシピを解放してしまうことになるが仕方がない


まず土地を買おう、それか居抜き物件があればそれを使おう、営業免許もとらなければ、宿の近くに建てると騒音が有るかも知れないし、便利だからといって宿に近すぎ無い方が良いな


俺は冒険者ギルドの近くに定食屋を作った従業員には洗浄魔法が使える清潔感のある奴隷達を採用した、賃金が安く済むから



簡単に作れそうなメニューを教えて作らせていく


牛丼

カレー

焼そば

焼うどん

ラーメン

カツ丼


従業員に研修をした


恫喝を修得しました

恫喝

怖がらせて言うことを聞かせる



洗脳を修得しました

洗脳

人格を破壊し、従う人格に作りかえる



なにやってんだ俺は・・・

自動的に修得されたスキルを見て深い自己嫌悪に陥った・・・


この世界では奴隷性奴?いや奴隷制度があるからといって、相手は人間だこんなことやって良いわけ無いだろう。

当たり前の話だが奴隷は普通の人間として扱うことにしよう、福利厚生を充実させ、週休二日制を導入して給料も普通に与えてみるか



懐柔を修得しました

懐柔

適度に誉めたり、飴を与えて部下の反乱を防ぐ



カリスマを修得しました

カリスマ

英雄的な指導者に見られる



なんかまだ間違っているような気がするが・・・正しいやり方が分からないからこれでいいや・・・



奴隷従業員は生き生きと働き出した!



・・・ごめんよみんな




雇用した奴隷達に対して深い罪悪感を感じつつも俺は自分の食に対する欲望を最優先させて定食屋をオープンさせた


もの珍しさでそこそこ客の入る店になったが、この世界では高価だと言える食材や調味料を使い、価格を高めにしてあるので大繁盛とまではいかない店になった。


この世界に無かった調味料は必要な物だけを調合で作成した



赤字にならないが、そこそこの儲けしかでない普通の店


理想的だ 計算通りだ


俺が定食屋に飯を食いに行った時に店が混んでいたら嫌だからな、このぐらいが良いんだよ、俺が座るためのカウンター席が一席空いてるぐらいが




異世界に俺が快適に飯を食うためだけに作られた定食屋が完成した!



金をもて余した貴族の金持ちが採算度外視で趣味で経営する店という感覚



閉店時間を8時に設定し、俺は夜な夜な調理場で自分用の高級料理を研究していた


自分が食うためだけに



奴隷の視点


「社長って従業員が帰った後、調理場で料理研究しているらしいよ」

「さすがだな、給料も破格な程高いし休みもある、ここに来てよかったな」


「価格を下げ過ぎないことで客の入りも適度で捌き易いし、ここは奇跡的なぐらい快適だよ」


視点を戻す



知らず知らずのうちに欲望優先の俺の評判が良くなっていた・・・


暫くして周囲に定食屋のメニュー真似た店もちらほら出来始めたが、俺が調合で作っている調味料を独占しているので打撃は少なくてすんだ、それどころか逆に俺の定食屋の宣伝になって、本物を食べたいと考えた客がやって来てしまった


やべーな価格設定が高いままで客が増えちまった、俺の席まで客で埋まって快適性が損なわれていく


ちっ、仕方ねーな


俺は素早く定食屋の2号店をオープンさせて客の入りを分散させた




飲食店経営者がレベル2になりました




いつの間にか職業が飲食店経営者になっていた・・・

冒険に戻ろう・・・



冒険者ギルド受付


「飲食店経営者の鈴木さん今日は何のご用で?」

「冒険者なので冒険をします」


ギルドカードの情報欄に飲食店経営者って書かれていた・・・


冒険者ギルドの近くに定食屋を作っていたこともあり、完全に飲食店経営者だと思われているらしかった



俺は掲示板でDランクの依頼を探す


ダンジョン探索 ランクD

報酬金貨4枚

依頼失敗によるペナルティーは無し

期間無制限


行方不明者の捜索

異世界から来た勇者パーティーだと自称していた生死不明の行方不明者が4名発生している、男2名女2名を捜索しダンジョン内から救出して欲しい、死体を回収出来た場合も同額の報酬を与える



掲示板には

行方不明者の似顔絵と特徴が書かれていた


ダンジョンを探索してレアアイテム探しをしたいからついでに依頼も受けておこう

ギルドの受付で銀貨5枚を支払いダンジョンマップと被害者の似顔絵が書かれた紙を受け取ったら



「その依頼を受けるなら同行させて貰えないでしょうか」

心痛な顔をした女子中学生が立っていた、明らかに学生服を来ている、この世界には洗浄魔法があるので汚れてはいないが心労や空腹でやつれているように思える、装備を買う金が無かったのか防具は身に付けておらずショートソードしか持っていないようだ



鑑定

別次元異世界人

平行世界に存在する異世界から勇者召喚で強制的に転移させられた被害者達の1人・・・


ブツン



スキル効果で鑑定が切られました



「あっごめん、勝手に鑑定掛けてた」

鑑定を深く掛けられないスキルか・・・

鑑定されていると気が付いてから任意で発動するのかな・・・


「いえ、途中まであえて見てもらいました、掲示板に自称と書かれていたので、私達の事情を理解してもらう必要がありました、別の次元の異世界とか平行世界とか表示されている鑑定結果を初めて見ましたが、

あなたの視点から見てそうなのですね」


少女に素性を知られてしまった


少女から説明を受けると少女が持っていたプライバシーというスキルの効果は自分を鑑定している相手側の鑑定結果を見ることも出来るスキルらしい


今までも鑑定した結果をあえて表示させて錬金術ギルドのおっさん等に見せたことはあったが、


俺が表示させずに、自分で見ていただけの鑑定結果が少女には見えていたのだ


俺に緊張が走る、異世界から来たなら他にもチートスキルを持っているかも知れない

こいつは危険な奴だ



ぐぅー



この危険な少女は腹が減っているみたいだ飯を食わせてやろう、俺は少女を冒険者ギルドの近くにある定食屋につれていった



定食屋


「いらっしゃいませ、あっ社長」


「社長、カウンター席で良いですか?」


「社長って言っちゃ駄目、今は客!」


まだ昼飯には早い時間なので直ぐにカウンター席に座れた


「社長なんですね」


「ああ、飯は奢るから気にせず食ってくれ」


少女はメニューを見ると驚き懐かしそうな表情を浮かべた


「カツ丼が、焼そばが・・・」

少し泣いていた


モグモグ

モグモグ

モグモグ


「美味しいです」

食欲が限界突発した少女は奢りの飯を食いまくった



この世界の食事薄味で不味いからな



カツ丼や焼そばを知っているってことは別次元の平行世界って俺がいた世界と対して変わらないのだろうか?


「すみません食べ過ぎて動けません」


「一時間休憩した後にダンジョンへ向かいましょう」


一時間後


「ダンジョンに行った時に入り口の転移ゲートに登録していたので直ぐに転移でいけますよ、手を掴みますね」


少女は顔を赤くしながら俺の手を掴んだ

ひんやりしていて気持ちが良い、少女からは俺の外見が3000万のチートだから理性の崩壊を防ぐことで精一杯で、常に緊張しながら平静を装っているという感じが伝わってきた


絶世の美少女と断言出来るほどの黒髪の少女が俺に萎縮している、そんな心地よい優越感に浸っているとゲートが作動してテレポートした



ゲートの設置場所から辺りを見回すと、周囲を森に囲まれた一角に広い平地があった、その平地の先に地下へと続く階段がある


グオー!

がさがさ


グオー!


グオー!



豚顔のオークの群れが森から現れ、こちらへ走って来る、6体もいる、


「転移ゲートはエネルギー充填の為に最後に使用した後30秒間は使用出来ません、迎え打つしか無いですね」


少女はショートソードを抜いた


「こいつら転移ゲートから冒険者がテレポートしてくるのを学習して待ち伏せしてやがったのか?」

オーク達は俺の存在を完全に無視して一斉に少女の元へ走っていき取り囲んだ



オークだものね、そういう状況になるよね


「この程度の敵」

ザシュ

少女は手前の1体の首を切り落とすと


グサリ、グザ

2体目の腹を突き刺し致命傷になるように剣で内蔵を抉り


バキッ

3体目の胸辺りを蹴りあばら骨を折り肺と心臓を潰し即死させ


残りを滅多ぎりにしながら立ち回っていく

少女はショートソードを振るい数秒でオーク6体を斬殺して見せた



えっ・・・なにこの暴力シーン

マジで引くわ・・・



少女は殺したオークから金目の物を漁ってアイテムボックスに入れている


ダンジョンって怖いところなのかな

家に帰ろうかな・・・



あっ



少女が慣れた手つきでオークを解体し出した、討伐証明部位と素材を回収しているらしい



マジで漏らしそうなんですけど



体がガクガクと震えてくる




以前森のグリズリーを倒した時に冒険者ギルド指定の解体場で解体現場は見たこと有るけど、あれは動物っぽかったしプロの作業員がやってたし




制服着たままで人型モンスター解体するのってどうよ・・・猟奇殺人の事件現場かよ、いやそれ以上だな解体までする殺人鬼は滅多にいないから・・・



マジで帰ろうかな異世界甘くみてたわ



・・・依頼受けちゃったし、少女同行しちゃってるし、なんか言い出しづらい空気だし・・・


「先を急ぎますよ、付いて来てください」


ビクッ



「はっはい」



なんかイメージしてたダンジョン探索と違うんだが、もっと楽しく和気あいあいと・・・



仕方ない、行くか



「ああ、行方不明事件の現場まで案内してくれ」

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