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外伝32話 斎藤『vs服部一忠、毛利良勝』帰蝶

この外伝は、31話直後の話です。

31話未読の方は先にそちらをご覧下さい。

【vs服部一忠、毛利良勝 天文16年(1547年)】

 信秀による野盗討伐視察後(12話参照)の話で、外伝31話直後の話である。


 瑞林葵と坂茜を破った帰蝶は、場の終了の雰囲気も破って次の対戦相手を指名した。


「よし! 次は小平太殿、お願いします!」


「……え?」


 突然名前を呼ばれた小平太は、激しく狼狽した。


「お、俺ッスか!? お、俺は、の、濃姫様を歓迎しましゅよ!?」


 もう終りだと思っていた所で、急に名指しされた小平太は完全に虚を突かれシドロモドロに答えた。

 それに、小平太は葵と茜の実力を熟知している。

 決して自分が劣るとは思わないが、簡単には勝てない相手である二人と互角以上に戦った帰蝶。

 葵に尻餅を突かせ、茜の矢を掴み取る帰蝶に、指名されるのは勘弁してもらいたい所であった。


(さ、さっき、もう終った雰囲気だったのに!)


 しかし帰蝶としては当然、小平太、新介にも挑むつもりでいる。

 彼らは史実にて今川義元に一番槍を付け、更に討ち取った実績を誇る実力者だ。

 帰蝶が戦国時代に挑むにしても、同年代相手の男にどこまで戦えるのか知りたかった。

 ならばこの2人は相手に不足は無い。


「ありがとうございます。でも折角この様な場を設けて頂きましたし、私も皆様に早く認めてもらいたいのです」


(何と余計で殊勝な心がけ!!)


 小平太は慌てふためき、この場を設けた信長と、頼りになる仲間の新介に助けを求めた。

 しかし新介が居た場所に新介が居ない。


(あ、あいつどこ行った!?)


 新介は小平太が終った後は自分だと気付き、一歩下がって信長の影に隠れたのであった。

 まったくの無駄であるが、可能な限り帰蝶の視界から消え気配を断ちやり過ごす為に。


 まるで猛獣から身を隠す、草食動物の如き見事な隠形術であった。


(こ、この野郎!?)


 悪態を付いても仕方が無い。

 帰蝶の目は小平太を捉えて離していない。


「だそうだ。小平太やるか?」


 唯一この場を終らせる事が可能な信長が、無情にも尋ねる。


「……クッ!(大将ぉ!!)」


 終ると言ってくれれば良いのに、決定権をこちらに投げられて断っては体裁が悪すぎる。

 小平太も新介も男尊女卑の時代に反して、葵と茜を認め接している。

 彼女らの実力を知るが故にであるが、それでも男として女からの挑戦を逃げるのは、部隊の序列にも影響しかねない。


「……分かりました。で、では組み打ちで勝負しましょう。お互い素手になってしまった場合を想定し、有効打を先に打ち込むか、投げ飛ばすかで勝敗を決めましょう」


 小平太は少し迷った挙句、腕力勝負で挑む事にした。

 弓は絶対勝てないと分かっている。

 しかしあの猛烈な刀の威力は危険すぎる。

 この分だと槍も同じだろう。

 残るは組み打ちしかない。


(殴られてもタカが知れているし、投げられる事もありえない! ……多分! 怖気づいて断ってくれれば尚よし!)


 組み打ちも腕力が密接に関係するが、鍛錬用とはいえ武器で殴られるよりはマシであるし、武器を使用しない腕力なら男の領分である。


 希望的観測が強いが、弓では葵、茜に勝てない小平太も、組み打なら部隊最強と言っても良い。

 信長とも互角に戦える。

 決して勝算が無いわけでは無い。


「於濃、それで良いか?」


「勿論です!」


(即答かよ!)


 まったく怯まない帰蝶の態度に小平太もギャラリーも不安を隠しきれない。


「小平太。不公平が無い様に言うが、そ奴は親父殿の前で組み打ちを披露し、文句の付けようが無い成績を残した。油断するなよ?」


「えっ」


「よし。では甲冑は付けているが、そこは平服であると想定する。甲冑で守られている所に有効打を受けたら勝負ありとみなす。投げ技は足裏以外を地に付けたら決着じゃ」


(大将! その情報はもっと早く教えろよ! 畜生! やってやる!)


 小平太は両手で顔を叩くと気合を入れ、目を細め視線を隠し、腰を落とし腕は前方に、手は打撃、掴み、投げに対応する為に半開きである。

 先程まであたふたして拒否感を隠しきれていなかったが、いざ覚悟を決めれば悪餓鬼部隊の隊長に名を連ねる猛者である。

 葵と茜の敵を討ちたいし、今までの努力をあっさり越えてくる帰蝶に負けるのは嫌である。


(ならば勝つしかない! 速攻で決めてやる!)


「では……始め!」


 信長の号令と共に、小平太は低い姿勢のまま猛然と駆け出した。


(タックルね……甘い……あ!?)


 帰蝶は虚を突かれた。

 小平太は帰蝶の眼前で上体を起こしつつ、しかし左手で帰蝶の左足を取ろうとした。

 帰蝶視点では、下方、上方、下方と著しく視線を激しく動かされる見事な攻めであった。


 左足を取られたまま体当たりを食らえば、もう倒れるしかない。

 厳密には違うが柔道の朽木倒しである。

 帰蝶はそう予測し体を反応させるが、それこそが小平太の罠だった。


 小平太も普段の相手ならソコまでしなくても勝負は付けられるが、今は化け物が相手である。

 出し惜しみなどしていられないし、その判断が出来るからこそ隊長格に座れるのだろう。


 小平太は空いた右手で帰蝶の右腕を掴むと同時に引き寄せ、そこから脇固めに移行しつつ地面に倒す。

 それが小平太が今出来る最大の帰蝶攻略プランであった。

 タックルも上体起こしも膝掴みも全て撒き餌、囮である。

 

 全ては右手を掴むため。

 

 距離が離れた矢の飛来なら掴めても、至近距離での視線の変化は対応しきれる物ではない。

 動く物は至近距離でこそ攪乱が可能である。

 小平太の体捌きは帰蝶の視線を掻き乱した。

 完璧な試合運びだった。


 ―――帰蝶の右手を掴む事が出来ていれば。


 帰蝶は右手を掴まれる前に引っ込めた。

 端から見れば小平太が忙しなく動き回った結果、帰蝶が右手を引っ込めただけに見えるが、そこは当人達にしか分からない高度な攻防がある。


「流石にやるわね! 小平太ちゃん!」


「小平太ちゃん!?」


 帰蝶は右手を引っ込めた勢いで左手を突き出し掴みかかるが、小平太は飛びのいて避けた。


(クソ! アレが見切られるなんて想定外だ! 大将を倒す策だったのに! ならこれならどうだ! ……あとで叱られるかな。えぇい! 構うか!)


 小平太はもう3歩素早く飛びのき、距離を開けた。

 そこは土と言うより砂地であった。

 小平太は地面を蹴り上げ砂を撒き散らす。

 目潰しである。

 別に卑怯でも何でもない。

 禁じられていないのだから。


 その砂の煙幕に紛れて小平太は突進し―――胃液を吐いて倒れた。


 帰蝶は目潰しを冷静に対処した。

 砂の目潰しを己の煙幕として利用し、左足を後方に引き膝を伸ばし、右足は深く踏み込み、手を頭の後ろで組み首を固め、体勢を前傾にする。

 小平太は自分で撒き散らした砂で帰蝶の構えを見落とし、帰蝶の頭に突っ込んで自爆した。

 一種の頭突きであるが、これは言うなれば、地面に斜めに突き刺さった丸太の先端に腹から突っ込んだと同じで、大地の力をも利用した帰蝶の見事な体術であった。


「小平太ちゃんは、最後に焦ったわね?」


 頭突きの衝撃は鎧を貫通し腹部にダメージを与えていた。

 有効打に加えて、足裏以外も地面につける完全決着であった。


「ゲハぅッ……!」


「勝負ありじゃ……!」


 判定した信長は、全ての攻防の意味を理解し戦慄した。

 こんな方法で人を倒すなど信じられなかった。


「最後は毛利殿ね?」


「……!!」


 信長の後ろで事の成り行きを見て、やり過ごそうとした新介の努力が無駄に終った。


(どうする!? 近接武器も弓も組み打ちもダメ! ……そうだ!)


「濃姫様、こう言うのはどうでしょう? 森でお互いに位置が分からぬ状態から勝負を始め、相手の背後を取り一撃を加えたら勝負あり。言わば隠形術の勝負です。幸い近くに適度な広さの森があります」


 偶然にも最後に戦うことになった新介であるが、その分、じっくりと帰蝶を観察できたが故の提案である。


 隠形とは本来は呪術の類の技法であるが、新介の使うのは単純に気配を断つ技術の事である。

 ただ、単純とは言っても、気配を消す能力は『力』では習得できない。

 空気を読み、息を潜め、臭いを消し、自然と一体化するのは努力だけでは成しえない。


(こ、こいつ!?)


(汚い!)


(見損なったぞ新介!)


(貴様らが真正面からぶつかるから悪いのだ!)


 先に帰蝶に敗れた3人は心の中で罵るが、これも立派な作戦である。


 なぜならこの森は、親衛隊の訓練場所として散々活用してきた、彼らにとって庭同然の森である。

 地形も完全に把握しており、万が一にも負ける事はありえない。


(力に優れる物は得てして隠形が雑な事が多い! ……多分! 怖気づいて断ってくれれば尚よし!)


 隠形術は細かい事の極みであが、猪武者との言葉がある通り、力任せに戦う事を得意とするものは細かい事が苦手な場合が多い。


(濃姫様はさぞかし『力』に魅入られたのだろうが、こんな勝負は想定外だろう! ならば勝機はある!)


 新介は今までの3戦で、帰蝶は男に匹敵する腕力を持つと判断した。

 だからこその勝負方法である。


 悪餓鬼部隊は隠密としても動いている。

 時には野盗に偽装し、身を隠し偵察活動をする。

 それを成しえるには隠形の技が不可欠であるが、そんな経験を大名の娘がしているはずが無い。

 新介は、鳥獣すら欺くレベルで隠形を習得しており、勝算は十分にあった。

 

 一方、帰蝶はそんな訓練はしていなかった。

 未来式超特訓では行ったのは、肉体の身体操作の向上である。

 もともと体力や腕力で、成長した男に勝つのは不可能である。

 どんなに鍛えても力で男を凌駕するのは無茶である。

 だからこそ自由自在の身体操作を獲得するべく体を虐め抜き、頭の先から爪先まで意識を張り巡らし、無駄を削り、『力』に代わる『力』を手に入れた。


 だが、新介の提案した勝負方法では、手に入れた力が通用しない。

 必要なのは隠形にて気配を消し、相手の気配を察知する能力である。


「分かりました。やりましょう!」


 しかし帰蝶はその勝負方法を快諾した。

 そんな帰蝶の表情をみて、信長は察する物があった。


《於濃。お主、アレが出来るのだろう? 勢いあまって殺すなよ?》


《勿論です。でもこの勝負は私も未知の経験ですから加減は出来ません》


《……殺すなよ》


 一向は対戦場所の森に向かう。


「よし。今より四半刻後にこの鏑矢を飛ばす。この音を合図に開始せよ。それまでは各々姿を隠し身を潜めよ」


「はい! お願いします毛利殿!」


「はッ!」


 必勝法と戦略を考え出した新介は、先程とは打って変わって晴れやかな顔をしている。

 勝ちを確信しているようであった。

 そんな新介に信長は耳打ちをする。


「……新介。油断すると命に関わるぞ。遠慮せずブチのめせ」


「え?」


 しかし、あろう事か夫の信長からとんでもない指令が来た。

 油断は流石にしないが『命に関わる』『ブチのめせ』とかは意味が分からない。


「いいか? しかと伝えたぞ?」


「は、はぁ? え? え???」


 信長は思わず助言する程に、この勝負を帰蝶の圧倒的有利と見たのであった。


「では行け!」


 信長の合図で2人は森に飛び込み、各々が身を潜めるに適し、かつ、相手を見つけられる場所を探すのであった。


 とは言っても新介には勝手知ったる庭同然の場所である。

 この森の初心者がどこを目標にするかは大体予測がつく。

 新介は手早く甲冑を脱ぎ捨てる。

 歩けば音の鳴る甲冑は、この勝負では不利極まりない。


 四半刻後―――


 準備が完了した頃に、信長が放った鏑矢が森の上空を高い音を立てて通過した。

 その音を聞いた新介は息を殺し、音を殺し、素早く木々の間を移動し予測地点を観察できる場所まで辿り着く。


(いた……。そこしか適した場所は無いからな。いや、それを見つけるだけでも大したもの。油断はできん)


 帰蝶は居た。

 甲冑は流石に脱いでいるが、背中を木に預け背後を取られない様に守っていた。

 また帰蝶の右手には藪、左手には岩石があり正面意外は完全に身を隠している。

 正面を注視していれば、奇襲は防げる位置取りであったが、ただ、新介は帰蝶の視界を見切った上で、頭上の斜面に潜んでおり、残念ながら帰蝶は丸見えである。

 二人の距離は5mも離れていない。

 後は新介が頭上から襲い掛かれば勝負はつく。


(流石に隠形を極めてたら、もう手が付けられん。ここらで俺たちの力を……!?)


 突如、森の鳥や獣が鳴き始めた。

 鳥は羽ばたき去り、獣は咆哮を上げて散り、それにつられて虫達も一斉に蠢く。

 樹木も鳥獣の動きに敏感に反応し騒めく。


「な、何だッ……!? うぉぉッ!? あッしまッ……!?」


 その余りの環境の激変に、また、眼前に飛び出してきた鳥に新介はついウッカリ声を上げてしまった。


「そこね! ヤマを張った甲斐があったわ!」


 背後から帰蝶の声がする。

 新介の左肩に手が置かれる。

 新介が鳥獣に気を取られて居る間に、帰蝶は背後に回り込んだ。

 完全決着であった。


 だが新介はまだ諦めていなかった。


(勝負あり? まだ肩に手を置かれただけだ!)


 卑怯ではない。

 決着後であっても油断する方が悪い。


「新介ちゃん」


「新介ちゃん!?」


「その往生際の悪さは嫌いじゃないわ」


 そう言うと帰蝶は雰囲気を一変させた。


「ッ!?」


 肩に手を置かれたまま振り返る体制で、新介は固まって動けなくなった。

 振り向いた左目に僅かに見える帰蝶の顔が、暗く歪み判別が出来ない。

 体中に蛇が纏わり付いているかの様な殺気が、新介を束縛し動きを封じた。

 先ほど森の生物を扇動させた殺気である。


(な、な、え!?)


 帰蝶は更に圧力を強める。

 新介は帰蝶の赤黒く爛々と輝く双眸と、溢れる出す瘴気を見た。

 いや、実際にそんな風に見えるのはありえない。

 新介の脳が恐怖のあまり幻覚を見せているだけだ。

 蝶の羽が生えた蛇の幻覚を。


 その幻覚の蛇が、大口を開けて新介に咬みついた―――


 一方、信長達は森の外で様子を伺っていた。


「三郎様、どちらが勝つと思いますか?」


 葵の問いに茜も小平太も身を乗り出す。

 全員が気になっている


「新介……に勝って欲しい」


「そ、そうですか」


 余りの信長の弱々しい声に、全員が帰蝶が勝つと確信した。

 当然ながら、その予測は当たった。


「ヒギャアアアアァァァァ…………!!」


 森の上空に多数の鳥が逃げ去ると共に、そこかしこで獣の咆哮が木霊し、その後一際大きい人間の悲鳴が聞えた。


「終ったか……」


 その悲痛な悲鳴を聞き誰もが決着を感じ取った。


「新介の野郎、断末魔を上げてましたけど……」


「し、死んだのでは!?」


 小平太と茜が心配する程の見事な悲鳴であった。


「……殺すなと厳命したから大丈夫……だと思う」


(え? いつ?)


 しばらくの後、帰蝶と新介は森から帰還した。

 新介は目も虚ろで帰蝶に肩も借りているが、まるで酔っ払いの様な千鳥足で歩いていた。

 恐怖の後遺症であった。


《……どうやって倒した?》


《三郎様が言ったアレを使いました》


《……殺気か》


《殺気で森の鳥獣を驚かせ、それに驚いた新介ちゃんを補足して……》


《もういい。分かった。新介も可哀想に……》


 隠れる技術の無かった帰蝶は、隠れる事を諦め炙り出す作戦を実行し上手くいったのだ。

 ただ、新介が驚かず口を閉じていれば、帰蝶が悪目立ちしただけで終ったハズで、結果ほど圧倒的な差でもなかった。


 こうして全ての隊長格と互角に戦った帰蝶は、晴れて悪餓鬼部隊の一員として迎えられた。


「皆様、これからもよろしくお願いします」


 帰蝶はぺこりと頭を下げた。


「あ、あぁ、ヨロシクな……ん?」


 新介に肩を貸す小平太が、違和感に気付く。


 帰蝶の足下の地面が濡れ始める。

 帰蝶の足下に水滴が落ちる。

 帰蝶は泣いていた。


「ど、どうした?」


「嬉しいんです! 動ける事、戦える事、皆様の役に立てることが!!」


 帰蝶はワァワァと泣いた。

 先程までメチャクチャな強さを発揮していた少女とは思えぬ、今は年相応に見える少女の姿に、隊長達はそんなに嬉しかったのかと慌てる。

 それも間違いではないが、信長とファラージャだけは察した。


《帰蝶さん長い時間、辛い日々でしたからね》


《そうじゃな。これだけでも転生した意味があろうて》


 事情を知る信長とファラージャは、帰蝶の心情を察した。

 先程までは悪餓鬼部隊を去ろうとしてた葵と茜も、腹部に甚大なダメージを負った小平太も、まるで死人の様な新介も、あの手この手で帰蝶を慰めなだめる。


 今日この日、親衛隊に5番目の隊長が誕生した。

 その後、尾張内乱で彼らを率いて信秀の篭る末森城に援軍として参上し、信長の家督継承を後押しする活躍を見せる事になるのであった。




《ファラ》


《はい?》


《於濃に何を仕込んだ?》


《え? 前にも伝えたじゃないですか》(11話参照)


《より詳しくじゃ。武芸の腕前は親父殿の前で見せてもらったが、それでも1対1であそこまで戦えるとは思わなんだ。しかもあの4人相手にな!》


《うーん、簡単に言えば自分の考えと体の動きを寸分の狂いなく一致させるのですけど……。古代武術の基礎にして極意の一つらしいですよ? これが出来ればイメージ通りに動けるのです》


《古代ってのは……ひょっとして今現在の事か!?》


《そうです》


《知らん技術だ!!》


 今は戦国時代の真っただ中。

 これから色んな淘汰と発見と成熟が繰り返され、勝ち残った人が技術として過去に残す事になるのだが、ファラージャにとって戦国時代とその後の時代など誤差にも等しい。

 やや間違った歴史と伝承が一人の怪物を作り、帰蝶は求道者として邁進しつつ、織田家を地味に強化し、歴史を改変し信長と共に歩む事になる。


《ワシも鍛えるか……》


 信長は信長で転生した合算経験を元に、年齢不相応な実力を持つが、ケツに火がついている事を思い知るのであった。

次回は次章に入ります。

投稿時期は7月半ばを目標にします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 濃姫の身体の強さまじやべえw とは言え濃姫を超えるような化け物もまだまだいそうではありますが。
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