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一話

 《異世界生活初日》


 異世界に転生……正直、楽しみなところもあるがその反面、怖い。

 まったく知らない土地に一人。身内も知り合いもいない。そう、どこにもだ。

 そんな世界で生きていく。無理もないさ。


 白い部屋からここまでの記憶がないが、きっともう異世界に存在しているのだろう。

 体の感覚がだいぶ違うが人型のモノに転生できたみたいだ。


 転生といっても必ず、人間になれるわけでもないということを、いろんな小説を読んで知っていた。中には、蜘蛛になったり、スライムになったり、一国の王子様だったりと転生には様々な種類がある。


 そんな中で人型に転生できたのは運がよかったとしかいいようがなかった。


 どうしようか。人型でもゴブリンの子供とかトロールの子供だったら……。

 まあ、考えてもしょうがないか。毎日仮装パーティだと思えば楽しいよな。


 よし。目を開ける覚悟ができた。




「---!-------!」




 あれ、あ~、そうか。


 生まれたての赤ん坊だから言葉がわかんないのか。

 どこの言葉でもわかるようにしておいてくれてもよかったのに……あの、ロリめ。




「ーーー!----……!」




 おお、子供の前でいちゃいちゃしますね。

 まあ若いからそんな感じか。

 日本国産のオレからみて大体、二十前半だろうか?

 外国の人って見た目よりも若かったりするから本当はもっと若かったりして……にしても、美人!!


 海外の映画に出てくるような顔立ちをしていた。

 男のほうは美男、女のほうは美女。


 自分で言うが。

 前世、日本ではそこそこモテる顔立ちと性格を持っていた。

 だから異世界にきて不安だった。

 実際に自分の顔を見たわけじゃないから詳しくはわからないが、一安心できるだけの顔を両親は持っていた。


 そして、ここでひとつの問題が浮上した。




『どう振舞うか』




 精神年齢16歳のオレだ。

 天才少年誕生!ってやるのも簡単だし、どこをとってもおかしくないような赤ん坊になるのも簡単だ。

 でも、だからこそ難しい。


 天才少年になるのには、今の自分をさらけ出せばいい。

 生まれたての赤ん坊が高校一年生と同じ行動、同じような思考を兼ね備えていたら、誰もが口をそろえて『天才だ』というだろう。


 しかし、天才はその先を常に考え、最先端をいかなければならない。なぜなら天才だからだ。

 だが、忘れてはならないことがひとつだけある。

 オレはただの高校生だってことだ。


 赤ん坊になった今。この体と年を重ねていけば、もちろん精神年齢も上がっていく。

 そうすれば、先を見越した行動や年以上の考えも出てくるだろう。

 だが、そうしたものが出てくるのは年とともに培った知識や経験があってのことだ。


 今の体が仮に100歳まで生きたとしよう。そうすると精神年齢は単純計算で116歳だ。

 しかし、ここは異世界。

 116歳をゆうに越すような種族はたくさんいるだろう。

 いくらがんばったとしても本当の天才には行き着けないのだ。


 この世界にも本当の天才がいるだろう。

 表面上の天才を演じたとこでいずれ本当の天才と出会い、肉体と精神が異なった存在と知られ面倒くさいことになるかもしれない。

 だったら、天才にならないほうがいい。



 そして、後者も同じだ。

 赤ん坊を偽ったところでいずれボロが出てしまう。

 夜にコソコソしてたり、裸を覗いたり、子供という権利を使ってセクハラし放題だからね。



 だから、考えた。



 偽らない程度でいいんじゃないかな、と。


 巨乳のお姉さんに抱っこされたら堪能させてもらい、天才だ!と謳われたらいえいえと謙虚に。


 せっかくもらったもうひとつの人生だ。

 自由に生きようではないか!



 よし。まずは……

 ゆっくりと寝ることからはじめるか。



「ん~ああ~」

 おっと、変な声が出ちまったぜ。



「ーー!ーーーーーーーーーー!!」

 


「ーーーーーーーーー」



 おお、声を出しただけでうれしがるのか。ほほう。


変な終わり方で申し訳ないです……。

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