高校二年生の入口へ
どうかな~、ありきたりなことをかけてればいいなあ
━リリリリリジリリリリっ……
「はぁ……もううるさいなあ」
そう言って僕は早く起きろと耳元で叫ぶ目覚まし時計を右手で掴んで壁に投げつける。……あ
「やっちゃった……」
僕の悪い癖だ。時々こうやって目覚まし時計を投げてしまう。ゴメンね、僕の目覚まし時計と思いながら僕は目覚まし時計に歩み寄る。よしっ、壊れてない!今朝もいい朝だ!
僕は部屋の扉を開けて階段の下のリビングへ
確か今日は、母親も父親も早めの仕事だから朝ごはんだけ作って僕と凛とで食べるんだったなあ……
「おはよ~」
「おはよ☆兄ちゃん☆」
お母さん……僕の妹はどこか遠くに旅立ってしまったようです。
「……いただきます」
「おはよ☆兄ちゃん☆」
もぐもぐ……むしゃむしゃ……ごくごく、うんおいしい。
もぐもぐ、ぐりぐり……つんつん、ベシベシ、ゴンっ
激しい痛みっ!
「っ!痛っ……」
痛みの発生源(予想)はニコニコしている。
「あの……凛さん?何を……?」
「おはよ☆兄ちゃん☆」
なんなのこれは反応しないと先に進めないの?僕は仕方なく凛にかまってやる。
「どうしたのさ凛?なにか心変わりするような出来事あったの?」
そうすると凛は満足したような顔になって僕の方を見てくる。
「な、なに?」
「そうだよっ兄ちゃん☆その反応だよ~、最初っからそうやれば痛い思いしなかったんだよ☆」
痛みの発生源(確定)はケロッとした様子でそんなことを言ってくる。
「で、どんなことが……?」
「新学年、新学期、高校デビューだよっ☆というわけでそめそめなりんりんでやっていきます☆染谷凛です☆」
「ごめん、ついていけないよ……今までありがとう……凛……」
「兄ちゃん!戻ってきて!今のは演技だから~」
いや、演技の理由がわからんよ、凛よ。なぜそんな演技をやる必要があるのだよ……すると心を読んだかのように凛が口を開く。
「兄ちゃんはこれから高校生になるでしょ、高校生になったらこんな人がごまんといるからね、それのシュミレーションだよ!」
「僕の高校一年生生活全否定ですか……」
まあほぼなんもしてなかったけどさ……先輩にも1人知り合いできたし、クラスでもまあぼっちにはなってなかった自信だけはある。そんなことを気にせず凛は僕に向かってどんどん言葉の雨を降らせてくる。
「そもそもお兄ちゃんは勇気が……」
「……これだからお兄ちゃんは」
などなど……僕はそろそろ飽きてきたから朝ごはんを片付けて学校へ行く準備を始める。
━━
「ねえ、ちょっと兄ちゃん!聞いてるの?」
「じゃあ行ってきます!バイバイ、凛っ!」
「あっ、待って~!美少女転校生には気をつけて~」
最後まで何を言ってるかわからない妹だなあ……美少女転校生も来ないし僕は主人公にならないんだ。
そう僕は思っていた
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