後日談の登場人物
後日談以降に登場するキャラの説明です。
セルローズ・ジェラード
本編主人公。
学院卒業と共にジェラード領でヴァニィと結婚し、2人で父侯爵の手伝いをしていた。
ジェラード領で研究を継続し、本来なら王家直轄領以外で栽培できない作物を自由に栽培できるため、領地の経済は税収が倍以上になるほど潤った。
結婚後2年で懐妊、嫡男ノアジールを産み、それを機にヴァニィが侯爵位を継いだ。
ヴァニィの領地経営は堅実で、セリィがそれに沿った助言をするので、前侯爵は安心して隠居している。
王城への研究報告は手紙などで定期的にやっているが、年に一度、カトレアとの旧交を温めるため、直接報告名目でゼフィラス公爵家を訪れる。
その際、ノアを連れて行くのが恒例となっていた。
リリーナの結婚式には、出産後の体調の問題で出席できなかったが、その後はゼフィラス公爵家の後で会いに行っている。
セリィ以外に二段飛び級した者はいないため、「不世出の才媛」の呼び名は、学院では半ば伝説と化している。
カトレア・ゼフィラス
公爵夫人。
相変わらず腹芸のできない研究馬鹿の夫を支え、影の研究所長として采配を振っている。
結婚後すぐに懐妊し、長女ドロフィシスを出産、2年後に嫡男ガーベラスを出産した。
産後も体型が変わっていない。
ドロシーが5歳にして結婚相手を決めたことについては、自分もサイサリスへの初恋がそんな頃だったので理解を示している。
ノアジール・ジェラード
ヴァニィとセリィの息子で、ジェラード侯爵家の嫡男。
母親似で、金髪に深い青の目。
ゼフィラス公爵家を訪れた際、ドロシーに構い倒されるのが好きで、それが初恋だった。
5歳にして婚約者持ちになったが、婚約者の意味が判ってくるにつれ、自分があの美しくて気品あるドロシー様と結婚していいのだろうかと悩むようになる。
へたれ。
割と早くからセリィに経営学などの手ほどきを受けていたが、何しろセリィがあまりにも簡単そうに説明するため、自分に理解力がないのだとますます落ち込むことに。
実際は、学院入学前には、2年生並のことを学んでいた。
ドロシーの気持ちを知ったことで、彼女に見合う男になりたいと一念発起し、3科目飛び級を果たして、さすがは不世出の才媛の息子との評価を得る。
でもへたれ。
多分、一生尻に敷かれる。
ドロフィシス・ゼフィラス
カトレアとサイサリスの長女で、母親似の金髪、蒼いツリ目の悪役令嬢ルック。
5歳の時、2歳のノアに恋をし、初恋を貫いた。
元々ノアの愛らしさに一目惚れしたのだが、無邪気に自分を慕うノアへの庇護欲が湧き、次いでノアから向けられる無垢な恋情の眼差しに溺れた。
ノアにだけ我が儘を言うのは、彼女なりの甘えである。
ノアの仮の婚約者になったことは公になっていないため、妻にと求める貴族多数。
「仮の」を取る条件は、ドロシーが他の男に目移りしないこと、ノアもドロシーと結婚したいと思っていることの2つ。このことは、小さかったノアは知らない。
ドロシー本人は、自分自身には魅力はなく、家格と血筋で男が寄ってくると思っているが、美人で気品がありスタイルもよいなど本人の魅力も相当なもので、それがまたノアの劣等感を苛んだ。
いつも「結婚したい」と言ってる割に「愛してる」と言わないのは、別に照れてるわけではなく、言ってるつもりになってるせい。
ドロシーとしては、「結婚したい」のは「愛してる」からなので、言ったことがないとは思ってなかった。
ツンデレが似合いそうな外見なのに、デレしかない。
学院卒業後は、ノアの卒業を待ちながら花嫁修行中。といっても、料理とかするわけではなく、刺繍とか。
1人になると、ノアからのプロポーズを脳内リピートして幸せに浸っている。
ガーベラス・ゼフィラス
公爵家嫡男。
残念ながら父の才能は受け継がなかったが、反面、ある程度の腹芸はこなす。
ノアに会えないでいる時のドロシーの恋情を、愚痴という形で垂れ流されてきた可哀想な弟。
ドロシーのノアへの猪突ぶりを目の当たりにしているので、ノアに同情的ではあるが、ノアなら受け止められるだろうと思って応援している。
「まあ、大変だろうが姉上を頼む」
ブルーノ・バラード
セリィの兄で、次期バラード伯爵。
学院時代には、中の下程度の成績であり、妹との落差に随分陰口を叩かれた。
セリィ自身が可愛い妹のままだったこともあり受け流していたが、やはりそれなりに辛かったようだ。
ノアが、大きすぎる母の名声に不安を感じていることに共感していたが、ノアも飛び級したことで、蛙の子は蛙だったかとがっくりした。
息子が学院に入学する際には、「俺は凡人だ。俺の息子であるお前も凡人だろう。天才と比べられても腐るな。領地経営する力が身に付けばそれでいい」と言って送り出した。
リリーナ・フロスト
平民から男爵夫人になった、シンデレラストーリーの体現者。
自分の実力で掴んだ地位ではないことを自覚しているため、カトレアを後ろ盾に持ちながらも謙虚であり、研究所ではウケがいい。
結婚後も官吏を続けていたが、3年目に懐妊したため退職した。
セリィには深く感謝している。
作者的に、セリィ達の姓が変わっているのが、感慨深いです。