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表の裏に。  作者: 神の息
8/10

八話:私→彼

「じゃあ、端っこの方の空いてる席あるでしょ?そこ座って。」

先生の言葉に小さく頷いてから、私は空いている席の方へ向かった。

隣の席は見事な事に内村クンだった。

何の根拠も無いけど、私は内村クンは昨日のあの人だ。と決め付けていた。

いや、絶対だ。

先生が少し話した後、ホームルームが終わり、休憩時間になった。

内村クンがすぐに話しかけてくると思って待っていたけど、ずっと考え込む様な表情で窓の方を見ていて、私はじれったくてしょうがなかった。

くいくい。と内村クンの制服を引っ張った。それに気付いて内村クンが振り返った。

「・・・・・昨日はありがとう。」

あんまり何も考えずに振り向かせたから、一言しか言葉が出なかった。

「えーーっと・・、なんて呼んだらいい?」

その場を濁すように聞いてきた。正直、こっちも少し助かった。

「・・・・ユタカ。」

いきなり下の名前は嫌かなぁとは少し思ったけど、内村クンは小さく頷いた。

「じゃあさ、豊。昨日の約束、覚えてるよな?」

「うん」

「だったらこれで約束、守れそうだな。」

「・・なんで?」

「そりゃぁ同じクラスだったら、ほぼ毎日会えるんだから。一日ずつ、表情作っていこう。

無理なら一ヶ月でもいい。ぜってーに約束は守るからな。」

そう言った後、少し恥ずかしそうにした内村クンの表情がかわいらしかった。

その言葉がすごく嬉しかった。

そういう自分も、すごく恥ずかしくって、頬が火照っていた。

「・・・・ありがとう、心次郎クン。」

思わず下の名前で言ってしまった。照れくさそうに目線をそらした心次郎クンは、カッコよかった。

火照った顔が直らないけど、表情かおは変えられなかった。

でも、心二郎クンの心は、温もりを取り戻していたと思う。

ロミオとジュリエットはオレンジ色の糸で結ばれています。

こんにちは。神の息(溜め息)です。

読んでくれてありがとよ。感想を頼むゼ・・・。

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