六話:私+彼
北条 豊
その後は解散した。 睡眠。
朝、私は目覚まし時計の設定時間の10分前に起きた。 今は6時30分。
いつもはこんな早く起きないけど、今日は早めに起きた。 理由は一つ。
約3年ぶりに、学校に行くことを決めたから。
親はいないから、朝ご飯は自分でつくる。 ご飯を食べ終わるともう時間は無い。
お昼ごはん代をお財布に入れて、いそいで家をでた。
「いってきます。」
誰もいない家の、誰もいない玄関に3年ぶりにこの言葉を響かせた。
学校に向かう道には見たことのない人達がたくさんいた。 少しおどおどしながら私はかばんを肩にかけ歩いた。
皆、集団になって登校している。 笑ったり、怒ったりしながら。 正直、羨ましかった。 後ろから、
「遅刻するぅーー!!心次郎!いってきまーす!!」
と、女の人の声が聞こえた。 高校生ぐらいかな。 私もあんな活発(?)な人になりたい。
少し後に、『内村』と書いた名札をつけた男子が歩いてきた。 一人で。
その時、何かに気付いた気がした。 昨日と同じ温もりが伝わってきた。
歩いていくと、コンビニがあった。 今日はここでパンでも買っていこう。
棚にはいっぱい、ビニール袋に入ったパンが並んでいた。
どれを買うか迷っていると、さっきの内村クンが入ってきた。隣には友達っぽい女の子がいた。
女の子が私の隣でパンを選んでいるのを見ていた。
やっぱり温もりを感じた。 もしかしたら本当に昨日の・・・。なんて事あるわけが無い。
そんな事を考えていると、学校のチャイムがなった。
私は適当に選んだパンを急いで買って、学校に走った。
結局、遅刻はしたけど、別に怒られはしなかった。 不登校女子が来たのにそんな事気にしてる場合な人なんていなかった。
ホームルームなる行事で紹介してくれるそうだ。
少しざわつく部屋に、私は勇気を振り絞って足を踏み込んだ。
「ガラガラ」
ドアの開く音と共に、すぐに気付いた。 窓際のほうの、後ろの方の席。 内村クンがいた。
またとどいた温もり。 私は恥ずかしいから、うつむきかげんでしゃべった。
「北条豊です。 よろしく。」
温もりの持ち主はそっと、私の方を向いた。
六話投稿です!!(チ●ルチョコを食べながら)
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