五話:君+僕
内村 心次郎
結局その後は話が弾まずに解散となった。 就眠。
午前七時、俺はむっくりとベッドから出た。 俺には高校2年生になる姉貴がいる。 名前は華子。
俺と華子は別々の部屋が家の二階にあるわけだが、華子はなかなか自分で起きられないから、俺が起こしに行く。
「うーぃ、起きろー。朝だぞー。起きねーと目の周辺にいつもより辛めのワサビぬんぞー。」
「ん、あぁー、うぅーー。」
なかなか起きやしない。 しょうがないから顔をはたいて起こす。
「いい加減起きねーと俺まで遅刻すんだよー。」
「うぁーーー、もうちょいだけぇー寝かせてー。」
しょうもないやり取りをしてると母さんが部屋に入ってきた。
「まぁ!!なんてことしてるの!!いくら華子がかわいいからって、手ぇだしちゃだめよっ!」
「も、いいからさっさと母さんは朝飯用意しとけよ。」
「はいはーい」
母さんはそういうと一階へ降りていった。 するといきなりガバッと華子が起きた。
「今何時!!ヤバイヤバイ!!遅刻するぅーーー。」
そう言いながら一階へ降りていった。
その後俺は学校に行く用意をして、荷物を持ち、家を出た。
やたらと友達としゃべりながら学校に向かっていく奴らが今日も早足で俺の隣を追い抜かしていく。
芸人の話とかしながら楽しそうに笑っている。 あんな芸の何が面白いのだろうか。
そんなしょうもない会話で笑えるあんたらが恐ろしい。
「あらウッチー。今日も寂しく一人でご登校ですか。」
「あぁそうだ。後、ウッチーはやめろ。」
話しかけてきたのは同じクラスの仲のいい女子、紺野緋伊奈。 メガネをかけている普通の女子。
「そういう緋伊奈も一人だろが。」
「まぁねー。 そういえば今日はお弁当持ってきてないんだった。 ちょっとジロー、コンビニついてきてよ。」
「別にいいが、ジローもやめろ。」
というわけで通学路の途中にあるコンビニに寄ることに。
「どのパンがおいしいかなぁー。」
と緋伊奈はパンをじろじろと見ている。 緋伊奈の隣にもう一人、うちの学校の制服を着た女子がいた。
髪は短いショートヘアーで、肌は色白くて、世間でいう所の美人さんだ。 しかしこんな奴見たことが無い。
「おい、緋伊奈。」
「なによ。」
「あそこに居る女子、知ってるか?」
「知らないわよ。誰かしら?」
なんてことを話していると、学校のチャイムが聴こえた。 するとその女子はいそいそとパンを買い、学校へ走っていった。
たったと駆けていくその後姿を見たとき、なにかを感じた。
昨日と同じ感じの。 あの優しい温もりを。
「ちょっと!!なにボーッと突っ立ってんのよ。急ぐわよ!」
そういうと緋伊奈は学校に向かっていった。 Let`s遅刻。
遅刻して怒られた後、朝のホームルームがあった。 まぁいつも話は聞いてないのだが。
俺の席は窓際のほうの、後ろの方の席。 先生の話を聞いたとたん、妙に皆、ざわつきはじめた。
どうせ、スゴロク大会がありますとかそんな話で盛り上がってるんだろ。
と思いつつも先生の話に耳をたてた。
「今日は不登校だった生徒が来ています。みんな知らないと思うけど、仲良くしてあげてください。」
だということらしい。 まさか昨日の・・・。 なんて漫画みたいな話あるわけないか。
また俺は横を向き、話を聞くのをやめた。
「ガラガラ」
と扉の開く音がする。 その時また俺は何かを感じた。 朝と同じ・・・。
ふと前を見ると、今朝に見た美人さんが立っていた。
「北条豊です。 よろしく。」
彼女は小声で、顔をうつむせながら言った。
なんかいきなりトントン拍子です。展開はやくて分かりにくいかもしれませんね。
感想してくれると、嬉しいです。




