8話「帰宅と猛攻」
「千代崎さん、ちょっと、なにやってんの」
千代崎は離れなかった。
「手紙、今からでも読んでくれますか」
「おうとも、どれどれ」
「いやあの、できれば家の中で読んでください」
「わーったよ。で、千代崎さんはもう帰んの?」
「先輩と一緒のことをしてください」
お泊まり会が始まってしまった。はっきり言ってめんどっちいのでやりたくないが。
「じゃまーとりあえずピザでもとる?」
「ダメです!ちゃんとした料理をいただかないと、体壊しますよ!」
「まそれもそうか。じゃあ野菜炒めでもさっと作るよ」
料理が終わったようで佳樹はキッチンから出た。言った通り野菜炒めを作ってきた。
その料理を千代崎は口に運んだ。絶品であった。
「美味にもほどがありますこれ!どうやって作ったんですか?」
「え、テキトーだけど」
そして一応風呂などの行為を連続して終え、二人はPC画面に向かっていた。
「じゃあ勝負するんだね。PCをケーブル接続して」
「OKです、きっちり繋がりました」
プレイヤーセレクト画面に移る。もちろん佳樹はkillerを選択。そして千代崎は、
「じゃあ始めましょう。よろしくお願いしますね」
…magic battlerであった。
その名の通り魔法を使い戦う純粋な遠隔型なのだが、ほかの遠隔に比べて攻撃力が落ち、耐久力が上がっているという近距離でも行けちゃうプレイヤーだ。
「READY TO FIGHT」の文字とともに、遠隔と近接の戦争が始まった。