3話「悪女と交渉」
「合ってますが…?私に何か御用でした?」
佳樹は素直に返した。見た目mustのようなめんどくさそうなやつではなかった。でもなぜ目立たない佳樹の個人情報を知っているんだ?
「はい、あのですね、ちょっと先輩に佳樹君つれてきてーとか軽い乗りで言われたものでして」
「ところでその先輩の名前は何ていうの?」
「えーっと、望月瑠華と言う人です、もちづきるか」
「そうなの、じゃあ先輩は僕のこと知ってるんだよね?」
「あ、はい。とても佳樹さんのこと気に入ってましたよ」
とそこで笑い声が上がった。
「えぇっ?マジうけるわ!あの学年一美しいと評判の望月先輩があんなゴミのこと好きになるはずがないよなぁ!」
こんな声まで届いた。この現状を千代崎には見せたくなかった。だから佳樹はこう言って三年の教室に向かった。
「取り敢えずここは不快だな。その望月先輩とやらに会ってみようか」
三年生の教室に着いた。佳樹は一応先輩に望月の場所を聞いておくことにした。
「すいません。望月瑠華さんってひとここにいらっしゃいますか?」
「ああ、瑠華ならいま生徒会室だな。佐田佳樹君を待つって張り切ってたよ。生徒会室案内したげようか?」
「あ、じゃあお願いします」
佳樹は言われるままについて行った。
すると生徒会室という表示が見えた。どうやらここのようだ。
佳樹は先輩に礼を言うとすぐに生徒会室に入っていった。
「失礼します。佐田佳樹です」
というとすごい速さで女の人がやってきた。
長身、ナイスバディ、美女。誰が見ても美しいと呼べるお姉さんが佳樹に抱きついたのだ。
「佳樹よくきてくれた!君なら来ると思ってた!私は三年の望月瑠華。よろしく佳樹!」
いきなり呼び捨てだし。佳樹は少しびっくりした。
「で、先輩、僕に何か用ですか?」
「ふふふ。聞いたよ。あのmustに勝ったんだってね。それでさー私超気になって。どんなニートのブスがくるかと思ったら普通にイケメンじゃん」
どうやら望月は接しやすいタイプのようだ。
「先輩もGROWUPERだったんですか。で、ランクは何位なんです?」
「数えてないけど3位」
「数えてるじゃないっすか…って三位ですか!?」
佳樹はその言葉を聞いて少し闘争心を感じた。この方もいずれ殺さなければいけない。と言うより殺したい。別にリアルで斬るんじゃない。ゲームの世界だから良いんじゃないか?
という衝動をかき消すように望月が話しかけた。
「んでそこの千代崎ちゃんは6位」
「えっ、まじすか?」
「マジです。よろしくお願いします、佳樹さん」
「ところで先輩、ここにいるからには生徒会の役員かなんかですか?」
「ちがうよ」
「えっ、じゃあ部活のこととかで?」
「部活やってないよ。ここコンピュータ部ないし」
「じゃあ、なんで?」
「コンピュータ部を作るためさ。よろしく、コンピュータ部の佳樹」