シリウス対三人の戦い
シリウス対三人のバトルの最後の勝負です。
アルフレッドSide
リデェアだけでシリウスさんと戦うと言っていたから、僕とリーザが説得してかれこれ二時間が経った、結局三人でシリウスさんと言うある意味怪物に挑む事になった。
リデェアは最初頑として拒否していたけど、結局僕とリーザに圧されて折れてくれた。
「でも、どうやってシリウスさんと三人で戦うの?」
「それはね……ごにょごにょ……。」
「「ええっ!?」」
リデェアが大声で驚く、まあ……実際問題はどうやって、シリウスさんの懐に飛び込むのかが問題なんだよな。
そして、三人でシリウスさんに対するリベンジ戦をする事になった。
※※※
シリウスSide
さて、あの三人がアタシにリベンジを挑んで来た、これは断れないね、今のアタシはあの子らの壁なんだ、だからあの子らの想いには答えなくては為らない大人の義務がある。
「さてと、実力を見せて貰うか?」
得物の大剣を手に訓練所に向かう、いよいよ本気でぶつかる日が来たと思うと戦意で気分が昂揚する。
「さあ、愉しませて貰うよ、アルゼリアスの坊や。」
誰に言うこと無く、独りで呟いた。
※※※
リデェアSide
アルフレッド君の指示の通りに配置に着く、と言っても円形状の闘技場の様な訓練場の舞台に、アルフレッド君が右側そして左側はボクが後ろにはリーザちゃんがいる、シリウスさんはどこと無く楽しそうな笑みを浮かべている、そう本当に楽しそうな笑みを。
「お待たせして申し訳ありません、シリウスさん。」
アルフレッド君がシリウスさんにお詫びする、あのリーザちゃんとの訓練の後シリウスさんには数週間待って貰った。
「ああ、この数週間は実に長かったな〜まあ、君達なら後二、三日待ってあげても問題無いよ、さあ、始めるかい?」
「……。」
無言でアルフレッド君が頷く戦闘開始だ、ボクとアルフレッド君が左右に別れ、シリウスさんの注意を引く、しかしシリウスさんはこちらの思惑を見破り、真っ先にリーザちゃんを倒しに掛かろとする、しかしボクより早くアルフレッド君がシリウスさんに斬り掛かる、演舞の様な斬撃が繰り広げられる。
「なるほど……なら、こうだっ!」
シリウスさんは床板に大剣をたたき付け、タイルが一瞬で舞い上がり、リーザちゃんの視界とボク達の攻撃を封じる、しかしアルフレッド君は構わずに、素早く一撃必殺の突きをシリウスさんに見舞うしかしシリウスさんも素早く剣を構え直して盾の様にして、彼の一撃を防ぐ!
(凄い、アルフレッド君……あのシリウスさんと互角にやるなんて。)
「リーザっ、リデェアっ、行くよっ!」
「ええ!」
「はい!」
同時に返事をして、先にリーザちゃんが、シューティングスターの一斉射撃をシリウスさんに見舞ったが、シリウスさんは逸れを全て大剣で防ぐ、しかも弾丸を切り落として。
「リデェアっ、行くよっ。」
「うん!」
互いの全ての一撃をシリウスさんに叩き込む、しかし僅かに届かない。
やはりシリウスさんはボク達の壁だ、しかもとびっきりの巨大な壁……しかし壊せない壁なんて存在しない。
「はぁぁぁっ!」
「「遅いっ」」
「はあっ!」
中々しぶといな、チラリとアルフレッド君を横目で見ると、一瞬彼が頷いた、そろそろ勝負を掛ける時だ。
「リデェアっ、今だっ。」
「はい、アルフレッド君っリーザちゃん! 後は任せたよ!」
リーザちゃんが無言で頷き、シューティングスターを構え直して、多弾式弾を水平に撃ち込む、シリウスさんにこれをかわす術べはない筈だった。
「チッ、なら、こうだ、はぁぁぁっ!」
なっ、リングを完全に破壊して、多弾式弾をかわしきった、凄い土煙が舞い上がり視界が奪われた。
しかし勝負はあけなかった、アルフレッド君が土煙を利用してシ、リウスさんに接近し互いの首と胸に剣先を押し当て逸れで勝負が着いた。
ボクとしては不本意だったなだって、崩れ落ちたリングの瓦礫に身体がひっかって、全く動け無かったリーザちゃんも崩れた瓦礫で身動きが取れなかった。
「結局、アルフレッド君とシリウスさんの引き分けか。」
「そうでも無いよ、リデェアだっけ? イリアとアルトの娘さん、だったね?」
シリウスさんがやって来てたのに、全く気づかなかった。
「別にいいよ、アルフレッドの坊やの勝ちさ、あれは、坊やの剣がアタシの胸を実戦だったら確実に捕らえて、それでおしまいさ……大した坊やだよ。」
そりゃどーも、だけど、チーム戦なら。
「まあ、あれは結局アタシの反則負けだね、だって舞台を破壊したんだからさ。」
「はぁ……。」
確かにあの勝負は不満が残る結果に終わった、だからアルフレッド君に好きなデザートのケーキをおごらせたのは、まぁ、ボクのご愛嬌さ♪
(決して、やけ食いと、アルフレッド君への八つ当たりなんかじゃ無いよっ!)
※※※
イリアSide
三人とシリウスさんとのまぁ、私から観ればただのじゃれあいが一段落付いた事をクラウス君から聞いた、まぁ、結果オーライかな?
でも、嬉しくも無い報告が入って来たので今はそちらに専念するとしよう、つまり裏切り者のソフィアの事だ、彼女はとある魔王の討伐任務の際、その魔王の残骸を密かに回収して、我々にさえ極秘で魔王の再生と、自身の研究を進めていた。
その内容は【不死の探究】だ、しかも、当時の報告書には、人体実験までしたそうだアルゼリアスがその事を厳しく問いただすと、いきなり彼に大怪我を負わせて逃走しその後は行方不明となっていたが、最近になって海賊になって我々の前に現れた、まるで我々を挑発するみたいに……だ。
「そう、彼女のアジトが判明したのね?」
《はい、しかし、場所は、隣国の国境付近で、そのため、共和国軍は動けないそうです……。》
「なるほど、彼女らしいやり口ね、詰まり援軍は当てにならない……か。」
《はい、軍が動けば隣国は不快感を表します、そうなると……。》
「下手をすると戦争……ね、解りました、貴方は引き続き調査をお願いします。」
《ハッ、了解しました。》
通信を終え、椅子にもたれ掛かる、何もしていないのに、どっと疲れが溢れ出した。
「隣国の名前は報告して来ないから、多分無関係ねもし関係が有れば、まっ先に名前が上がる筈。」
この会話から三日後に騎士団の約半数を動員して彼女のアジトを強襲したが、見事に空振りになり新しいアジトが発見されたのは、約半年後の事だった。
次話で最終回となります。
次回最終回の作成頑張ります!