リーザ対シリウス
リデェア対シリウスさんのバトルを考えていたら、この話が浮かびました。
アルフレッドSide
シリウスさんに負けてから、リデェアにリーザそしてアレックス達といわゆる特訓中だ最近になって解ってきた事が有った逸れは僕とリデェアが空回りしていたと言う事とだ。
余り他人の事が言えないな、僕も結局父さんを超えたいと必死になったなんて。
「よぅ、やってるかい? 諸君。」
「あっ……シリウスさん。」
リデェアが不機嫌になって来た、シリウスさんとリデェアは中が悪いと言うより、リデェアがシリウスさんに敵意を剥き出しにしてリーザが逸れをなだめて、それをシリウスさんが軽くあしらう、そんな感じだ。
「まあまあ、逸れよりリーザ君は銃剣使いだね? 後でも良いから、射撃の腕前を見せて欲しいのだけど、良いかな?」
「はい、分かりました、では午後の休憩が終わってからでも良いですか?」
「良いよ、じゃあね〜♪」
と何処に行ってしまった、シリウスさんが居なくなってから、案の定リデェアが爆発した。
「!!〜〜シリウスさんのバーーカーっ、あれ以来ちっともアルフレッド君に謝ってないしっ、謝ろうともしない! あの人一体何様よっ!!」
最近リデェアの事が少し分かってきた……彼女は怒るとまるで火山になるのだ。
「リデェア落ち着いて、ね、後でデザートおごるから。」
リーザ君は何時からリデェアのお母さんになったんだ? 大体デザート位でボルケーノ化したリデェアの怒りが鎮まる訳が……。
「うん♪ リーザちゃんありがとーう♪」
「嘘だーーっ!!」
アレックスと見事に声が重なった、逸れよりもリーザよくリデェアを落ち着かせる事が出来るね? 僕は君を尊敬するよ!
ともかく僕達はラウンドに向かった。
※※※
シリウスSide
アルトが近付いて来る、さて、少し話でもするか。
「シリウス、アルフレッドはどうだい?」
「まあ、実力は有るけど肝心の所で気持ちが空回りしてるね、後アンタの娘のリデェアちゃんはアルフレッドに気が有るみたいだね。」
「へぇ〜遂にリデェアにも彼氏が出来たんか、あの二人やったらお似合いやね♪」
エレノアがイリアと二人でこっちに近付いて来る、アルトはイリアに近寄り……何時ものバカップルぶりだ……取り敢えずエレノアと話込むか? そんな時フェリオとアイリスもやって来る。
「に・い・さ・ん! のろけるのなら余所でして下さい!」
「フェリオ余り説得力は無いわよ、私たちだって、明日から休暇でデートだし。」
アイリス、逸れは言わない方がいいな、かなり私にはダメージが来るのだけど。
(チッ、此処にもバカップルが居たよ。)
「聴こえてますよ、シリウスさん。」
「はい、とても良く聴こえてますね〜♪ シリウスさん〜♪」
やばっ、アイリスとフェリオの怒りのオーラが溢れ出る、此処は素直に謝ろう。
「ゴメン、ゴメン、つい調子に乗っちゃったね。」
惚けてみたけど、その後アルトとフェリオにアイリスにひたすら謝るアタシが居た。
エレノアが助け舟を出してくれなければ、後が大変だった、アルゼリアスとの昔話を散々聞かれそうな雰囲気だった、かなり高い代償を払ったのはアタシの黒歴史だ。
※※※
アルフレッドSide
今、休憩でラウンジに来て、かれこれ30分が経った、リデェアは落ち着いてるのでシリウスさんの話題はNGだ、火薬庫に火の着いたマッチを持って飛び込む無謀さは生憎僕は持っていない。
しかしシリウスさんとリーザの射撃の腕前はどっちが上手いだろう?
「アルフレッド君、今シリウスさんの事考えていたでしょう?」
「べ、別に考えていないよ、ただシリウスさんとリーザと射撃の……。」
しまった!? つい考えてた事が口から出てきてしまった。
「「アルフレッド君!!」」
「は、はいっ。」
「リデェアちゃん……?」
(リーザ副隊長補佐ダメですよ此処は、アルフレッド隊長を犠牲者にしましょう。)
テーブルを両手でガシャンと乱暴に叩く、リデェア、そして小声でリーザに呟くアレックスがアイコンタクトでリーザにサインを送る、リーザは無常にもコクンと頷くリーザーあぁぁぁぁっ! リデェアは、アレックスやリーザとアイコンタクトで何かを確認したようだ、今声を掛けるはかなり危険だ。
「大体っ、アルフレッドのお父さんとボクのお母さんがっ、悪いんだよっ。」
「リデェア、今日はかなりご機嫌ななめやな〜コレ食べるか?」
エクリアにマコトそんな、まんじゅうでリデェアの機嫌が直ったら僕は苦労しな……。
「エクリア、これ? 美味しいよ〜♪」
「はい、リデェアさんこれお茶です。」
僕は、良い部下に恵まれたな、今度からリデェアを宥める方法も分かったし、これなら大丈夫かも。
「隊長、そろそろシリウスさんとの約束の時間です。」
「アレックス、もう、そんな時間か……」
「リーザちゃんっ、絶対にシリウスさんをこてんぱんにしてね」
「……リデェアちゃん、決闘と違うよ……」
だんだん気が重苦しくなって来たな……さて、射撃場に行くか、リデェアがかなり機嫌が悪いが宥めつつ射撃場に向かった。
※※※
リーザSide
母フィーナから譲り受けた【シューティングスター】を見る、ライフルにバスターソードが合体した様な銃剣だ、逸れを構え的を見て、銃を構え直す、その仕草を繰り返してイメージトレーニングを繰り返す、一通りイメージトレーニングが終わってから、シリウスさんが到着した、シリウスさんの得物は……
「!?ガングニールHAG35型スナイパーライフルの改良型っ!」
「そう〜♪因みにアタシの私物でアタシの本職の頼りになる相棒ね♪」
あのスナイパーライフルは扱いが難しく使い手を選ぶので、かなりの使い手で無いと扱えない。
「リーザちゃん、その銃はシューティングスターね?なら、その銃の担い手の責任の【重さ】知ってるよね?」
「シリウスさん……勿論知ってます、旧紋章皇国親衛隊の正式装備で、この銃剣を持つものは皇国親衛隊のエリートで在ることと同時に皇国の【剣】と【盾】です、故に敗北は許されません……」
この銃剣を母から譲り受けた時から、その覚悟は出来ている……。
「じゃあ、最期の皇国親衛隊の【誇り】を見せてくれないかな?」
「−−−っ。」
シリウスさんの眼は、今から私を打ち負かすと宣言している……なら私も本気で掛からないと彼女の礼儀に反する。
「分かりました、では射撃訓練の内容を教えてください。」
「じゃあ、最初は初歩からね♪」
かなり遠くに小さい的が現れる、スコープでないと中心が見えない。
「リーザちゃんは今からスコープは無しで、あの的の中心を一発で撃ち抜いてね、ハーフエルフの眼は伊達でないでしょ?」
「分かりました……やってみます。」
全神経を集中して的を睨み据える……もう少し右に照準を狙い直し、引き金を引く乾いた銃声が鳴り響き弾は的に命中した。
「うーん、少し中心から右に五ミリ逸れたかな? リーザちゃん、もう一度撃ってみてくれるかな?」
「はい……。」
私はもう一度狙いを定める、するとシリウスさんが話し掛けてくる。
「力が入り過ぎてる、後プレッシャー負けしているね、まず力を抜いて、この場には【君】しか居ないだよ、そして引き金は100%やれる時しか引かない、最期に一つだけあの的は【貴女自信】だよ。」
「……!!」
シリウスさんは、あの的を私と言った、つまりあの的は私の【迷い】だ……なんだ……私も気付か無かった内に自身の迷いに囚われて居たんだ。
「当てる……今度こそ。」
次は的のど真ん中を撃ち抜いた、しかし、シリウスさんはどうして私も気付か無かった迷いに気付いたんだろ?
「さて……ご褒美にアタシの腕前を少しだけ披露しちゃおっか♪」
的が複数しかもいきなり現れた、そして急に消える時間は数秒だろう。
「物干【ガングニール】だけが、アタシの得物じゃあ無いね」
そう言って拳銃を取り出し片手で次々と的が現れた瞬間撃ち抜いていく、凄い、母さんはこんな人と仕事をしていたんだ…。
「最後にオマケ♪」
「「おおっ! ワンホールショット!!」」
最期に現れた的を連続射撃で真ん中だけを撃ち抜いていく。
(レベルが違い過ぎる……私なんかでは敵わない……。)
正直悔しかった。
「リーザちゃん、貴女は筋が良いからアタシに近づけるよ、逸れはアタシが保証する。」
「えっ……?」
「……。」
私は驚いて、シリウスさんを見つめる、シリウスさんは穏やかに私を見ている。
「シリウスさん! 今度はボクの相手をして下さい!!」
「リデェアちゃん!」
「リデェア!?」
「あちゃー、遂にリデェアの対抗意識に火が付いたんか。」
皆は口々に言っているが私はリデェアちゃんは、対抗意識だけでシリウスさんに勝負を挑む娘ではない、アルフレッド隊長と同じ壁に悩んでいたから、今シリウスさんと言う【壁】を越えようしている、私に彼女の想いを止める事なんか出来ない、
「解った、じゃあ、一週間後にアルフレッド君と貴女とアタシで訓練をしましょうか。」
何だかとんでもない事になって来たな。
次話頑張ります。