プロローグ
その少女は病気だった。
幼稚園の時の遠足で倒れた。
只の熱だと思っていたら、聞いた事も無いような病名を医者の口から聞かされる。
それはかなり厄介な病気で、治るには時間がかかるみたいだった。
小学校は一学期に4、5回しかいけず、友達なんて出来ない。
中学は病状が悪化し、卒業出来なかった。
彼女は微かな希望を胸に外国へ飛んだ。
朝から晩まで検査され、一か八かの手術を受けた。
常人なら耐えられないような苦痛。
しかし彼女は諦めなかった。
彼女はどうしても友達が欲しかったのだ。
だからどんなに苦しくても、辛くても、勉強した。
高校に受かるように、勉強した。血を吐こうが、40度の熱を出そうが勉強した。
高校で友達と一緒に帰ったり、カラオケに行ったり、部活をしたり。
そんな生活に憧れた。
しかし無情にも、病状は悪化した。
どこの国の医者も彼女を見離して、余命半年と宣告された。
それでも彼女は諦めなかった。
彼女は最後の手術を受けた。
これが失敗ならどうしようもない。
成功率は10パーセントに満たない。
だが他にどうしようもなかった。
高校に行くための、友達を作るための、最後のチャンスだ。
友達が欲しい。
その願いが叶ったのか、手術は成功し、彼女から病魔は去った。
彼女はその喜びを噛み締めるまもなく高校を受験し、奇跡の合格を果たした。
県内の公立校、制服がかわいい学校だった。
そして彼女は高校の門を潜る。その顔には希望と興奮で満ち溢れている。今からどんな学園生活が待っているのか、彼女は楽しみでしょうがない。勉強、部活、何より友達。憧れていた友達が手に入る、本でしか読んだ事がない友達が。彼女にはこの真っ白な校舎が、天使の楽園のように見えた。
しかし彼女は気づかない。そこは楽園なんかじゃなく、地獄でしかないという事を。なぜなら少女は知らなかったのだ。友達とは、本で出てくるようなきれいなものじゃない。何より、幼稚園からベットの上で生活してきた彼女に、他人との接し方など、分かる筈もなかった。
この物語は1年後、一人の少年がその高校に、入学する所から始まる。
初めて書いてみました。次話の投稿がいつになるか分かりません。頑張ります。
後R-15は一応です。そういう描写が今後出てくるかどうかは分かりません。