(第3話 軽井沢現る!)
(野山とマッチは畠山と軽井沢が待つロッテリア店内2Fへ階段を上っていく。 )
野山「やあ畠山、軽井沢さん!」
軽井沢「野山遅かったね・・・。」
野山「マッチが駅に来るの遅れて来てさ。ハハハ」
マッチ「え!?オレ?」
(マッチ野山の方を見るが野山ガン無視)
マッチ「電車が遅れた・・みたい。」
軽井沢「ホンマ・・?」
マッチ「こまるね電車通学って(汗)さ。」
(軽井沢話の途中なのに勝手にトイレに向かう。)
(軽井沢トイレに入る。)
マッチ「野山俺を売るなよ!お前の変わり身の早さにはホント驚かされるよマジで!。」
野山「まあまあ。(笑)」
マッチ「そういえば、なんか軽井沢さん機嫌悪くない?」
(マッチが畠山、野山に言う。)
野山「消化不良なんじゃない?。野ネズミの骨が。」
畠山「あんた爆弾が近くにいるっていうのに・・聞こえたら爆死よ。」
マッチ「あたり一面ハンバーガーヒルだよ。」
野山「食べすぎ注意だね。」
畠山「意味わかってる?。」
マッチ「それよりなんで軽井沢さんいるの?」
畠山「家がわかんないだろうからっていう軽井沢さんの優しい御慈悲じゃない?」
野山「ははーありがてぇ ありがてぇ」
(野山手をあわせる。)
畠山「つーかあたし家知ってるけどね。場所もわかりやすいし(汗)」
マッチ「慎吾のためだろ。俺たちには無用の長物だよ。」
マッチ「それより俺たちだけ?慎吾とモーリーは?」
畠山「慎吾は急遽ガソリンスタンドのバイト入ったって。なんか病気で休む人の代わりなんだって。」
マッチ「お気に入りの慎吾はバイトでドタキャン・・それが機嫌悪い原因か・・」
マッチ「じゃあモーリーは?」
畠山「なんか急に腹痛になって来れなくなったって。」
野山「昨日電話では元気だったのにね。」
マッチ「電話って夜電話したの!?まさかモーリーにタッキーの事話したんじゃ?」
野山「何時に待ち合わせか電話かかってきた時ついでに。」
マッチ「そりゃないよどらえもーん。」
(マッチのび太口調で言う)
畠山「そんな話きいたらモーリー来るはずないじゃん!」
野山「テヘッ。」
マッチ「気持ちわるいよ。(汗)」
畠山「死ね!」
畠山「しかしこの状況は厳しいね・・・。」
マッチ「あの~・・おれ帰っていいかな・・・。軽井沢さんにソックリなイノシシに間違って付いて行ったことにしてくんない?・・・。」
畠山「あたしが言えんわ!それ!。」
(畠山軽くキレる。)
野山「・・みなさん・・軽井沢の野郎を・・・着払いで・・・地獄に送り返す・・・いい案思を・・思いつきました・・。」
マッチ「なんか悪い渡部陽一みたいになってるぞ。大丈夫か?」
(軽井沢の入っているトイレをチラリと見ながら野山が畠山マッチの肩に手をかける)
野山「トウモロコシを一粒ずつ並べて置いて軽井沢の野郎を落とし穴におびき寄せるのはどうかな?」
マッチ「落とし穴って・・・まじめに聞いた自分が恥ずかしい。」
畠山「だいたいロッテリアに落とし穴はないよ!。ばかばかしい。」
野山「そっか~ロッテリアのトイレが水洗じゃなくてポットン便所だったらよかったのに~。カーネルサンダースのばか!」
マッチ「バカはおまえだよ・・・。(カーネルサンダースはケンタッキーだよ・・。)」
野山「だよね。あんな巨大なイボイノシシが落ちてきたら『トイレの神様』もびっくりするもんね。さすがロッテリア。」
マッチ「あっ、でもさこの軽井沢がなかなか帰ってこない今の状況を利用しない手はないかも。映画とかでもさピンチになった時主人公はその時の状況やそこにあるものを利用してそのピンチを切り抜けるだろ?」
畠山「どゆこと?」
マッチ「昔なんかのドラマの再放送で観たけど、飛んでる飛行機で盲腸の緊急手術しないと助からないって客にスッチーが食事のナイフとフォークで手術すんの。飛行機刃物持ち込めないからね。」
野山「じゃあ凶暴イノシシをナイフとフォークを使ってロボトミー手術するとか?。銀のナイフを心臓に打ち込む方が確実じゃない?」
畠山「ナイフとフォークは例えでしょうが!今軽井沢さんがトイレに入ってる状況を利用してピンチをチャンスにするってことよ!」
マッチ「そう!あのトイレからなかなかイボイノシシが帰ってこないとこをみると今あの小さなトイレという密室の中で何かが起きている!!」
畠山・野山「!!」
マッチ「おそらく500キロはあろうかっていうあの巨大なイボイノシシは今、自分のした糞の海で溺れかけている。」
畠山・野山「なにぃ!!」
マッチ「助けて~助けて~ってね。事件は会議室じゃない!トイレで起きているんだ!。俺たちが今通報すればおそらくもうすぐ世界丸見えTVとかでよくある『マンホールに落ちたウマが救助隊に助けられるやつ』みたいにレスキューの救助が試みられるだろうよ。」
マッチ「でも一つ問題が発生する。どうやって救助するかだ。あの松方弘樹でさえ325キロのマグロを釣るのに1時間半はかかるんだぜ。ましてやあの巨体。誰が糞の海から釣り上げるよ?。しかもはやくしないと動物ニュースは視聴率取れるからすぐにアリんこみたいにマスコミが駆けつけて大騒ぎさ。でこれ見た作家が『大きなカブ』どころか『大きなイボイノシシ』って童話作ったりして。街中の人でひっぱっても抜けなくて最後はみんなクソまみれになってハッピーエンドってね。そしてこれを経験した世代が有明海の泥まみれイベントガタリンピックをパクッてクソまみれイベントチックなのとか町おこしに作ったりしてさあ。みなさん明日はクソまみれになってもいい服着てきてくださいね~ってことになるかもしれないと思うんだ。最終的に。」
マッチ「だからそれを歌にしたらどうかなと思って。」
畠山「はぁ?」
野山「いいね!!」
マッチ「題名は『トイレのイボイノシシ様』」
マッチ「トイレ~には~それはそれは大きな~イボイノシシ~がいるん~やで~。」
(マッチ気持ちよさそうに歌う。)
マッチ「これでデビューなんかしちゃったらこの”ショックン”とも軽井沢とも速攻おさらばってわけよ。」
マッチ「もうすでに第2章のヒントが降りてきた!。『ロード』みたいに13章までは楽に書けそうな自分の才能がこわいよ~。エヘヘノヘ~(笑)」
野山「13年連続紅白出場とか!」
マッチ「ありえるね!」
野山「24時間テレビのエンディングサライの次はこれっすかね!」
マッチ「否定はできないね!」
野山「まさかいいとも!のオープニングまで狙ってるんじゃ?!」
マッチ「無いこた無い。」
野山「おーまるでタモさんを意識したような回答!もしや司会まで?」
マッチ「醤油~こと!」
野山「ぐわー!明石家さんまそのまんまだ~!」
マッチ「いやいやまったく何が流行るかわかんない時代ですからね~ホント。」
野山「ホントホント」
(野山マッチ、優雅にコーヒーを飲む)
畠山「あんたら・・・あきらめて完全に現実逃避したね・・・・もう(汗)・・。」
(トイレのドアが開く。)
マッチ「やばい帰ってくる!。考えても仕方ない。俺たちは今軽井沢のテリトリーにいることは変わらないんだ。致命傷だけは避けるよう心掛けよう。そして今はただ生きて家族の元に帰ることだけ考えよう!。」
畠山「了解!」
野山「ラジャー!。」
(軽井沢トイレから戻ってくる)
軽井沢「じゃ、行こか。」
(軽井沢自分のバックを肩にかける。)
マッチ畠山「え!?」
マッチ「え!?(俺たちハンバーガーまだ食べてないのに(汗)。)」
野山「イエッサー!!」
マッチ「え!?(野山・・なんちゅう素早いなびき方・・(汗))」
畠山「(さすが元警察(汗))」
野山「あら、軽井沢さん今日の髪型、いいね~!分け目変えた?」
(野山軽井沢にお世辞を言って機嫌をとる。)
軽井沢「ホンマ?今日の占いで分け目変えるとラブ運アップって言っててん。」
野山「いや~それいいよ~戦地に咲く白いユリって感じ?。」
軽井沢「ホンマ?うれしいわ~」
(聞くにたえない野山のお世辞だったが軽井沢まんざらでもない様子)
マッチ「・・あのーオレまだバーガー食べてるんだけど・・。(つーか朝飯も食ってきたんだけどな・・)」
軽井沢「遅れてくる方が悪いんやろ。そんなん歩きながらでも食べれるやろ!」
マッチ「えー?(時間とか約束してないし・・(汗)おめーが突然勝手にロッテリアに集合にしたんだろうが~・・)まあ・・。でも野山もまだ・・」
畠山「(さっき速攻リュックに隠してたよ・・ハンバーガーとポテト。)」
マッチ「(野山・・・・ある意味尊敬するよ・・・お前・・・。)」
畠山「(野山は今私たちの頼みの綱よ。このまま野山が軽井沢さんの機嫌をとってくれたら今日の一日乗り切れるかかも。あんなやつでも役に立つ日がきっとくると私は信じてたわ。)」
(畠山小声でマッチに言う。)
マッチ「(ほんとかよ(汗)・・。でもたしかに今は野山に頼るしかない。頑張れ野山!お前の縦割り社会仕込みの割り込み縦列駐車をみせてくれ!)」
(マッチは猛獣軽井沢と互角にわたりあう野山の後ろ姿を見つめ心の中で応援する。)
(マッチふと気付く)
マッチ「(あっ!畠山見て!。野山の右手・・。硬く握ったコブシから血がにじみ落ちてるっ!。」
(野山の右手から流れ落ちた赤いソレはロッテリアの床にポタリと落ちた。)
マッチ「(やっぱあいつただのイエスマンじゃなかったんだよ。顔で笑って心で泣いてんだよ。」
マッチ「そして今悪に屈する自分が許せないんだよきっと!!。畠山、あの血はただの血じゃないぞ!あれはあいつの心の涙なんだよ!わかるぞ~!わかるぞ~!お前のその気持ち!野山!お前はなんて熱いやつなんだ!。)」
畠山「(あんたあれケチャップでしょ。普通に。ポテトの。野山がめっちゃポテトにかけてた時来たからね・・軽井沢さん。)」
マッチ「・・そう思いたいんだよ・・・今だけは・・・(涙)。」
畠山「あんた重症だね・・。」
(続く)