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第六話 新しい悪の女性幹部登場

 悪の組織フロンガースの環境破壊活動に対し人知れず日夜戦う部隊がある。


 それが環境省地球環境局環境保全部、通称環境保護戦隊エコブレイカーである!


第六話 新しい悪の女性幹部登場


「てこ入れだ」

 新アジトの奥深く、うす暗く輝き水銀を除く四天王がそろう広間で大王キシンがつぶやいた。

「え? もうでございますか?」

 三星羽が素っ頓狂な声で尋ねなおした。

「当り前じゃ。悪の組織には女性幹部が必要じゃ。今までは水銀がその役目であったが、裏切った以上、代わりを立てねばなるまい」

「はいはーい♪ 悪の女性幹部ならすでにここにいまーす♪」

 背が低くツインテールとミニスカートを揺らしながら片手をあげてぴょんぴょんとび跳ねるソックスだが、大王キシンはそれを無視してCO2へと向き直った。

「一つ水銀に負けぬほどのグラマーでセクシーでそれでいて天上天下唯我独尊俺様何様女王様、この世の男どもよ皆私のもとに跪けい! な女性怪人をひとつよろしく頼むぞ」

「はいはーい! 私もグラマーでセクシーでそれでいて天上天下唯我独尊俺様何様女王様、この世の男どもよ皆私のもとに跪けい! な女性怪人でーす♪」

「あ、追加で、ワシと二人きりの時だけはデレデレする要素もよろしくな」

「大王様、もはやツンデレは今日び流行りませぬぞ……」

「ワシがツンデレ好きじゃから良いんじゃ」

「大王様! 二人きりになれば私デレデレしますよ!」

「さっそく取り掛かれい!」

「はは」

 CO2は大王に恭しく頭を下げると広場から出て行った。

「で、ソックスよ、さぁ、ワシのそばでデレデレすると……ぐげ!」

「あ、あれ? 俺のハンマー……いつの間にソックスが?」

 慌てふためくスモッグを傍目に、ノックスがため息をついていた。

「スモッグのおじさん……ソックスにも振り回せられるようなハンマーを持ち歩いているなんて……その筋肉は見かけ倒しですか?」

「いや、あの、すみません……じゃなくて、大王様が! ソックスがハンマーで!」

「大王様なんて大っきらい!」 ソックスはハンマーを放り投げると泣きながら広場から出て行くと同時、入れ替わるようにしてCO2が背後に一人の女性を連れて入ってきた。

「できたぞ」

「「「「早!」」」」

「まぁ、本当を言えば、大王様が言いだすことくらいお見通しで既に作っておいたものを、今起動してきただけじゃ」

「さすがCO2……ワシの考えていることを見透かすか。して、それが新しい女性幹部か」

「PM2.5と申します。以後よしなに……」

 CO2の前に進み出て明りのもとに現れて跪くのは華奢な体格のメイド姿。動きに無駄はなく、周囲の空気を冷たく固めさせ、髪と同じく銀色の焦点が合ってない瞳で大王キシンを見上げていた。「ほほう、なかなかの出来栄えのようじゃが……。しかし、メイド姿では俺様何様女王様とは少し離れている気がするが……」

「この姿は皆様へのサービスなだけで、性格は大王様の所望通り」

 大王は感心したようにうなづくと、おもむろに立ち止り号令をかけた。

「それではPM2.5よ! まずは裏切り者の水銀を討て! そののちエコブレイカーを殲滅せ……」

 大王の目の前で冷たい風が通り抜けると、鼻頭に横一文字の赤い筋ができていた。

 視線を落とすと、モップを振りぬいたPM2.5の姿。

「誰に口をきいているのです。奴隷風情が!」

「は、早くて見えなかった……」

「返事はYESかNOで答えなさい!」「い、いえす……」

「よろしい。私に口を開くときは以後気をつけなさい」

「は、はい。それでは裏切り者の水銀を懲らしめてはくれないでしょうか?」

「ご足労願いますがよろしくお願いします、ご主人さまと言いなさい!」

「は、はい。ご、ご足労願いますがよろしくお願いします。ご主人様」

「よろしいでしょう。ほかならぬ奴隷の頼みとあらば聞いてさしあげましょう。ですが、奴隷としての礼儀がなっていませんね」

 言うや否や、PM2.5はローファーを脱ぎ黒のニーソを履いた足を突き出した。

「口づけしなさい」

「え?」

「返事はYESか……」

「い、いえす……」 大王キシンは圧倒されながら、ゆっくりと腰をかがめて顔をPM2.5の足元に近づいて行った。

「失礼。足が滑ってしまいました」

 突然PM2.5は大王キシンの顔に足の裏で踏みつけてぐりぐりと動かした。

「な、なな!」

「あはは! 素晴らしい踏み台ですね! 気に入りました! もう一つの頼みであるエコブレイカーとやらを討つのもついでにやってきましょう。そうしてほしいのでしょう? そうしてくだされば、至極幸せでございます、と言いなさい」

「そうしてくだされば……至極……幸せ……」

 PM2.5はそのまま足を大王キシンの頭の上までずらすと、地面に向けて踏みつけた。「あはは! そうですか! そんなに幸せですか! まぁそうでしょう。私に頭を踏まれて幸せでない奴隷はいませんからね!」

 地面とキスした大王の頭をそのままガンガンと踏みしだき、満足すると高笑いしながら広場を出て行った。

「いいなぁ、大王様……」

 スモッグがぼそっとつぶやくと、三星羽が同意するようにうなずいた。

「え、あんなのがいいの? 大人ってわからないな……」

 ノックスがやれやれと肩をすくめた。

「いかがでございますかな? 大王様。グラマーでセクシーでそれでいて天上天下唯我独尊俺様何様女王様、この世の男どもよ皆私のもとに跪けい! な女性怪人でございましょう?」

「で……」 地面に顔面を埋めたまま、大王がつぶやく。

「で……?」

「デレデレはしてくれるんじゃろうなー!?」

 ガバッと起き上がりながら大王が叫ぶと、広場に大きく響き渡り、スモッグたちは耳をふさいだ。

「もちろんでございます。デレモードが始まると、先ほどの態度とは一転、二重人格と思うほどでございます」

「それならば許す!」


 フロンガースに現れた新戦力! 他の四天王の実力も分かってないのに、てこ入れだけは着々と進行中!

 PM2.5のデレモードはどんなものなのか気になる人は次回も見てね。

 というか今回はエコブレイカーが一度も登場してないぞ!

 次回! エコブレイカー側にも新戦力? 炎の七日間戦争に沈む吉祥寺!

 



 

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