突然
映画が終わって俺と美香は外に出ている。
「さて・・・・バスケでもしない?」
美香が俺を見て言う。
「何故にバスケ?そんな伏線なかったぞ」
「映画見てたから体が硬くなって、動かしたいんだ」
「・・・じゃあバスケするか」
日も暮れて来たので俺は美香を送る事になった。
「・・・悪いな。わざわざ送ってもらって」
美香が俯きながら言う。
「別に良いよ。俺が送りたいって言ったんだし」
そう言うと美香は苦笑いをして見せた。
美香が不意に足を止める。
「美香?どうした?」
俺が尋ねるが美香は答えない。
美香が見ている方を見るが何も・・・誰もいない。
それ以前に美香の眼には何も映っていない様にも見える。
美香が口を手で覆い隠す。
・・・・・突然、美香が走り出した。
「美香!」
俺は美香を追いかける。
行き着く先は美香の家だった。
美香は走りながら家に入る。
「美香!」
俺は扉を何度も叩く。
扉を開け様と何度も引くが鍵を閉められていて開かない。
「美香!美香!!どうした!大丈夫か!開けてくれ!」
何度も扉を叩くが返事も鍵を開ける事も何もない。
誰もいなかった様な感覚までして来た。
俺はこの時、
恐いと感じてしまった。
美香が俺の前からいなくなってしまうのではないかと
俺はさっきよりも強く扉を叩く。
扉は開く所か人が集まって来た。
その中に携帯電話を取り出している人がいた。
俺は警察を呼ばれると思って走って逃げた。
もし、警察に捕まったりしたら美香とは会えなくなってしまう。
「美香・・・美香・・・美香・・・」
俺は何度も美香の名前を呼んだ。
「・・・・・・・・・・・・」
静かな家の中で水の音だけが響く。




