霧雲の剣士

GHQによる分割統治下の日本で、剣の子、刃の神童と呼ばれた少年が居た。
その少年は相手の剣術を一目見ただけで模倣、術理を解し、更に上回った。
少年は異なる世界に跳ばされた時、人智を超えた才を発露させ、輝かしい未来があると期待されたが――

あれから三十数年。アニメオタクで住所不定無職の太ましいおじさんとなっていた元少年は、規制だらけのポイズンな世の中で、あぶれもの達が欠けた何かを埋めるように、自分探しを始めるのであった。