天動説の人 ~大人になれない人たち~
私は少し世代が違うんですが筋肉少女帯のファンでというか、大槻ケンヂのファンなんですが、オーケンの兄貴が自著のエッセイの中で子供の成長について、
周りがちやほやしてくれて、全てが自分中心に回る子供時代は天動説なんだと、それから兄弟が出来たり、学校にいって友達が出来たり、そうして、思い通りにいかないことを家族や社会との関わりで学び、自分が社会の中で走り回る小さな星の一つに過ぎないと地動説に変わっていく。そうやって成長していくと説明していて、なるほどな~と思ったんです。
女性ファンの多かった筋肉少女帯ですから、白馬の王子様に憧れる少女のファンからレターを貰うことも多かったオーケンの兄貴はナゴムギャルが立派なレディになっていることをそう理解したらしいです。
優しい兄貴はそうやって皆、大人になるんだ、って締めてましたが、天動説の人って、大人にもいるよね。
少し前になりますが、YouTuberのチームが迷惑行為で炎上した件や、迷惑系で提訴され、絶賛抗告中にも関わらず選挙にでている方などは言うまでもないですが。他人の迷惑を省みず、自己の利益や感情ばかり優先する人って沢山います。
社会全体が人間関係が希薄になり、他者との繋がりが形式的なものになっていることで、自分を中心に世界を回してしまうことに、他者を見下すならまだしも、他者を認識しない人が増えていると感じます。
自分が生きるためには食物を生産する、または漁などで確保する人がおり、様々なインフラを整備保守する人がおり、お店で商品を売ってくれる人、自分の仕事場を提供してくれる人、自営業なら、顧客や仕事の関係者が関わってくれて初めて機能します。
私たちは、相互に影響しあって、その相関関係の中で生きているわけですが、天動説の人は、それら全て、自分のために回っていると信じています。
若いうちはいいんですが、お年を召した方はもう諦めて距離を取りましょう。どうしても付き合わなければいけないなら、大きな子供だと思うと少しイライラしなくて済みます。
営業販売の日々では色々ありますが、天動説の人を見るたびに自分はこうならないようにと自戒出来ますから、彼らは私の教師です。
しかし、天動説の人には成功している方も多い気がしますね、そして、その姿に憧れて真似をする子供もいる。斜に構えるのはいいんですが、天動説の人に育つのは良くないと思うんですよ。
目は相手の表情を読み取るためにあるべきです。
耳は相手の言葉を細大漏らさず聞くためにあるべきです。
自分の見たいこと、聞きたいことだけを集めていては何も得られませんし、失うことに気付けませんから。
寓話 北風と太陽では太陽は暖かい日差しで旅人の外套を脱がせましたね。しかし天動説の人たちは苛烈な炎で人々の心を渇かせ、干からびさせます。
でも、それだけの熱量があるなら、ベクトルが変わり指向が変われば人々を暖め、心を開かせることも出来るはずだと思うんです。天動説の人であることを否定しませんが、その熱量をどうか他者への関心に向けて欲しいと思うんですよ。