【超絶神聖魔法少女の日常④】
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♂1:♀1:不問1
プロデューサー ♂ セリフ数:8
セルフィッシュライラック ♀ セリフ数:9
ナレーション 不問 セリフ数:3
[あらすじ]《4分程度》
目を擦っても見てる世界は変わらない。ちょっとずつ壊れていくだけ。それなら目を閉じていても眠っていても大して変わらないよなあ。
くぁあ、と欠伸を一つ。誰かの墓の前にしゃがみこむライラックは供え物に手を出したプロデューサーの手をペちんと叩いて―――。
【セルフィッシュライラック】
あ〜、だめだよお、ぴーさーん。
【プロデューサー】
あ? どうせ腐ってくだけなんだからいいだろ。
【セルフィッシュライラック】
ふぁあ〜あ。今あげたばっかだからだめえ。ダズリングネイビーに呆れられちゃうよお。
【ナレーション】
大欠伸を一つ零した少女は、墓前に供えられた缶コーヒーに手を伸ばした男の手の甲を叩く。欠伸によって目の端から出た生理的な涙を、ごしごし拭って男を見上げた。
彼女は超絶神聖魔法少女の一人、セルフィッシュライラック。世界平和を目指していた同期のダズリングネイビーの為、今日も明日もその次も、クールに戦ってみせるヒーローである。
対する男は治安維持組織『ツェッペリン』の魔法少女統括管理者。彼がそう名乗った訳では無いが、魔法少女達からは『プロデューサー』と呼ばれている。
【プロデューサー】
はいはい。で、本題だが。
セルフィッシュライラック、仕事だ。
【セルフィッシュライラック】
んええぇ、今度はどこお?
【プロデューサー】
アロンジェ地区の南だ。
【セルフィッシュライラック】
あれえ、アロンジェの南ってえ、ふぁあ〜。誰か担当してなかったっけえ?
【プロデューサー】
ミスティカルティールの担当だが、さっき死んだ。
【セルフィッシュライラック】
(ちょっと驚いて)
おぉう。ミスティカルティール先輩も退場かあ。またお墓作んないとなあ。
ダズリングネイビいー、お仲間増えたよお、良かったねえ。
そんでえ? ボクは誰が来るまでの仮担当お?
【プロデューサー】
まだ決まってねえが、シェネ地区と近いからな。ゼイニーパープルに兼任でもさせる。それまでは頼むぞ。
【ナレーション】
プロデューサーの言葉に、やっとこさセルフィッシュライラックは立ち上がる。
ミスティカルティール。
大昔から戦っている魔法少女である。少なくとも百年以上は戦っているはずだ。そんな熟練の魔法少女ですら、至極簡単に、息をするように死んでいく。
八十年ほど魔法少女をしているセルフィッシュライラックも、死ぬ時は死んでしまうのだろうなと思いながら、けれど感情はさほど動かない。
唯一の同期であるダズリングネイビーが死んだ時でさえ、真っ先に彼女の墓は何色にすべきか、なんて疑問が頭を過ぎったほどだ。
【セルフィッシュライラック】
おおう、任されたよお。
帰ってきたらミスティカルティール先輩のお墓も作ろおっとお。どの辺がいいかなあ。やっぱり同期さんに近いトコが良いよねえ。
【プロデューサー】
今回は腕だけ回収された。墓に埋めるなら貰っとくが。
【セルフィッシュライラック】
あれえ。珍しいねえ、回収箇所があるなんてえ。んじゃあ貰っといてえ。
うへへえ、腕だけなんてダズリングネイビーとお揃いだねえ。
あ、そう言えばあ。
ちょっと前にアルティメットピンクちゃんとアジルレッドちゃんが、クラッシーホワイトちゃんのお墓参り来てたよお。愛されてるねえ、クラッシーホワイトちゃん。
【プロデューサー】
ああ、そういや行くっつってたな。
【セルフィッシュライラック】
ぴーさんも誘ったあって言ってたけどお、うへへえ、ぴーさん忙しいもんねえ。
んじゃあ、そろそろ準備しようかなあ。
じゃあねえダズリングネイビいー。さあっと行ってえ、ぱあっとやってえ、すちゃあって帰って来るからねえ。
【ナレーション】
愛おしそうに墓を撫でるセルフィッシュライラック。
ダズリングネイビーが生きていた頃は、決してそんな事はしなかった。なぜならば、彼女はセルフィッシュライラックを恐れていたからだ。
唯一の同期であった。他に同時期に誕生した魔法少女は居ない。二人で共に成長していった。二人で共に戦っていた。
ただ、そう思っていたのはセルフィッシュライラックだけだった。
「貴方にはきっと分からないわ」と。
「平和を夢見ない貴方にはきっと」と。
そんな、彼女の本音を聞いた翌日、ダズリングネイビーは三体の怪人に食われ、左腕だけを残して死んだ。
セルフィッシュライラックは、
その日からずっと、なぜか。
ダズリングネイビーが愛おしくてたまらない。
【プロデューサー】
全く早そうに聞こえねえぞ。
【セルフィッシュライラック】
んふんふ、ダズリングネイビーは分かってくれるから良いのお。そんじゃあ、後任来るまでの繋ぎい、頑張るねえ。
STORY END.




