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三人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
5/48

【死体の上で世間話】

グロ表現のある台本です。



台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。

『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。


※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂2︰♀0︰不問1


 お調子者の(からす) ♂ セリフ数:7


 冷静沈着な(からす) ♂ セリフ数:7


 ナレーション 不問 セリフ数:4


[あらすじ]《3分程度》

 人の形をした死体を(つつ)く彼等は人間達の話題に敏感である。それは生きる(すべ)であったり、暇潰しであったり様々だ。今日も今日とて、彼等は赤い月に見守られながら食事を楽しんでいた――。




【お調子者の烏】

 動く死体っての見た事あるか?


【冷静沈着な烏】

 何だそれは


【ナレーション】

 死体を(つつ)く彼は、毛繕(けづくろ)いをする冷静な彼に話題を振った。地面に落ちた死体は(すで)腐敗(ふはい)が進んでおり、烏の他に(はえ)(うじ)が湧いていた。

 烏は不味(まず)い不味いと文句を言いながらも、その人の形をした何かを(つつ)いていた。


【冷静沈着な烏】

 動く死体とはまた酔狂(すいきょう)


【お調子者の烏】

 人間共が言ってたんだ。最近この辺でガキが消えてるって。そのちょっと後で死体になって帰ってくるんだと


【冷静沈着な烏】

 どういう原理(げんり)なのだそれは。


【お調子者の烏】

 さあな。実際にオイラも見た事はねぇし、お前ならあるかと思ったんだけど期待はずれだったしな。


【ナレーション】

 お調子者の彼は粗方(あらかた)死体を(つつ)き終わると、冷静な彼の隣へ飛び移って同じように毛繕(けづくろ)いをする。

 空はとっくに暗くなって赤い月を貼り付けている。ブーンと死体の周りを飛ぶ(はえ)を眺めながら、冷静な彼が口を開いた。


【冷静沈着な烏】

 まぁ人間共がどうなろうと俺達は構いっこない。近頃は食料が少なくて死んだ人間を(つつ)くしか無いが、それも二ヶ月と短い冬の間だけだ。


【お調子者の烏】

 お前は相変わらずだなぁ。まぁいざとなったら住処(すみか)を変えればいいしな。さて、そろそろ帰ろうぜ。


【冷静沈着な烏】

 そうだな。・・・って、おい、あれは・・・


【お調子者の烏】

 んぉ?


【ナレーション】

 冷静な彼はお調子者の彼を引き留める。その視線は先程(つつ)いていた、人の形をした死体に向けられていた。


 腕が。

 (あし)が。

 既に無い眼球が。


 ビクビクと痙攣(けいれん)して動いているではないか。冷静な彼も流石(さすが)に驚いて動きを止める。お調子者の彼は大きく目を見開いて(まばた)きをした。


【冷静沈着な烏】

 こりゃ驚いた。あれが動く死体か


【お調子者の烏】

 な!? オイラの言った事ウソじゃなかったろ!


【冷静沈着な烏】

 見ていて気分のいいものではないな。


【お調子者の烏】

 ま、確かにぃ・・・。


【ナレーション】

 ドロドロと血と血肉(ちにく)を撒き散らしながら、どこかへ向かっていく動く死体を眺める。

 帰るか、と言った冷静な彼にお調子者の彼も賛同した。


 飛び去って行く彼らを尻目しりめに、動く死体が落とした血肉には、(はえ)(たか)っていたのだった。






STORY END.

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