【超絶神聖魔法少女の日常①】
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♂1:♀1:不問1
プロデューサー ♂ セリフ数:8
アルティメットピンク ♀ セリフ数:8
ナレーション 不問 セリフ数:4
[あらすじ]《5分程度》
世界平和。という大きな夢は一朝一夕では叶わない。街のそこかしこに怪人は現れるし、人々の願いはマチマチだし、きょぉもピンクのラブなパンやさんはへーてんしっぱなし!
そんな、不満だらけのピンクはやっとこさ様子を見に来たプロデューサーにたくさん文句をぶつけて―――。
【アルティメットピンク】
ああ゛〜〜〜っ! ピッピおっそ〜い! ちょぅぜつぷりちーで、きゅーとで、あるてぃめっとな、あーしがどんだけまったとおもってんの!
【プロデューサー】
ああ、うぜぇ、うるせぇ、鬱陶しい。どんだけ魔法少女抱えてると思ってんだよ、電話で済まさなかっただけ有り難いと思え。
【アルティメットピンク】
ピッピ、そーゆートコなおしなぁ? あーしじゃなかったら、ぴーぴーないてるよぉ?
【プロデューサー】
うるせぇ。
【ナレーション】
きゅるるん、という効果音が付きそうな可愛らしい少女は、無精髭を生やした気怠げな男を睨みつけるが、男の大層な態度にため息をついた。
彼女は超絶神聖魔法少女の一人、アルティメットピンク。世界平和を目指し、世に蔓延る怪人達を懲らしめる、愛と正義の“ぷりちーきゅーと”なヒーローである。
対する男はそんな魔法少女達を一括管理する大元。彼がそう名乗った訳ではないが、魔法少女達からは『プロデューサー』と呼ばれている。
【プロデューサー】
それで? 一体何の用事で呼び出しやがったんだ? 俺はドープブラックの件で忙しいんだが。
【アルティメットピンク】
きのうメッセしたじゃん! ほら、あれ、あいつら! ピッピもやっかいだなっていってた、かいじんでも、まほぅしょうじょでもないやつ!
【プロデューサー】
ああ?
(暫く考え込んで)
………………………ああ、ファントムな。
【ナレーション】
ファントム、と称された未知の生命体。数年前より出現し始めた彼らは魔法少女だけでなく、彼女らの敵である怪人をも襲う、第三勢力である。
プロデューサーの所属する、治安維持組織『ツェッペリン』はファントムの撃退を魔法少女ではなく、特別に設置した討伐部隊に任せる事とした。
素質のある者しかなれない魔法少女を、唐突に舞い込んだ謎の勢力に削られる訳にはいかないからだ。
【アルティメットピンク】
そお! それ! きのー、いたの! つかまえとこぉってなったけど、かいじんペチペチしたあとで、ちょぅおつかれちゃんだったから、いちぉぅメッセだけしといたの!
【プロデューサー】
あーね。…昨日はどこ出動だった?
【アルティメットピンク】
えっとねぇ、アヴァンちく! だったけどぉ、すばしっこぉいかいじんだったから、いっぱいいどうしちゃってて、ふぁんとむみつけたのはドゥダンちくの〜…とけいとうにちかいトコ!
【プロデューサー】
時計塔…南西だな。討伐部隊に情報提供しとくか。
で、話はそれだけか?
【ナレーション】
腕に嵌められた機械で、治安維持組織へ通信を送っておく。
組織に設置された数年前から、忙しくしている討伐部隊だが、働いているのは人間ではなく型落ちの戦闘ロボットである。
魔法少女が誕生する数百年前まで怪人と戦っていた人類の希望だったが、超絶神聖魔法少女が誕生する、少し前。
戦闘ロボットのアルゴリズムを解析し、改変を行った怪人が居た。破壊はされなかったものの、戦闘ロボット達は怪人を攻撃対象から外し、物言わぬ鉄の塊へと成り果てた。
件の怪人は後に誕生した魔法少女によって退治されたが、戦闘ロボットのアルゴリズムの修正はされず、組織の物置きで眠るだけの存在になりつつあった。
物置きで埃を被るだけの彼らが処分されなかったのは、皮肉にも今現在組織が頭を悩ませているファントムのお陰であるのだ。
【アルティメットピンク】
もぉ〜、つれないなぁピッピぃ。あーしのラブなパンやさんは、きょぅもへーてんだけど、さいきんみつけたエモエモなスイーツやさん、いこぅよ〜。
【プロデューサー】
行かねえ、擦り寄るな。
【アルティメットピンク】
んもぅ、いけずぅ。
んじゃあ、んじゃぁ、クラッシーホワイトちんのおはかまいり、いこっ? ネビュラスブルーちんはよくいってるらしぃけどぉ、あーしいそがしいからぁ。
【ナレーション】
アルティメットピンクがスカートを翻らせ、可愛らしく擦り寄る。
クラッシーホワイト。
アルティメットピンクと同時期に生まれた魔法少女である。洗練された所作と、怪人を圧倒する戦闘力。美しい長髪が涼やかな風に靡く様は、見る者を魅了していた。
そんな彼女が命を落としたのは、十年も前になる。怪人の攻撃を咄嗟に避け切れなかったネビュラスブルーを庇った際の傷が深く、治療をすぐに受けられなかったからだ。
ネビュラスブルーは十年間、月命日には欠かさずクラッシーホワイトの墓を訪れている。
【プロデューサー】
俺も忙しいんだよ。
じゃあな、人気者。調子乗って死ぬなよ。
【アルティメットピンク】
はいはぁい。
おつかれぇ、きてくれてあんがとねぇ。
さてさて、あーしはぁ〜…アジルレッドちんつれて、おはかまいりかなぁ。ふふん、クラッシーホワイトちんビックリするぞぅ。
STORY END.




