【飼い主達の憂鬱】
台本タイトルは【かいぬしたちのゆううつ】と読みます。
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♂2:♀1:不問0
隻眼の女 ♀ セリフ数:10
ペンを走らせる男 ♂ セリフ数:15
上機嫌な男 ♂ セリフ数:19
[あらすじ]《4分程度》
「お疲れでぃぃーすッ!」と鬱陶しい声が聞こえ、部屋に居る男女は声の主が任務後、すぐに帰ってこなかった理由を察した。大量の書類にペンを走らせる男は、入室してきた彼を睨みつけて―――。
【ペンを走らせる男】
………部隊違反だぞ。
【上機嫌な男】
おいッ! オレサマが帰ってきて早々にそれかいッ!
かてェ事言うなよぅ〜。お前のハニーが好きそうなヤツも買ってきてやったんだから〜。
【ペンを走らせる男】
う、っっとうしい! へばりつくな!
大体任務の報告はどうした? 部下達はちゃんと帰還させたんだろうな?
【上機嫌な男】
もっちのロンよ! かわちい部下ちゃん達を置いて、オレサマが一杯やると思う?
【ペンを走らせる男】
前例があるから言ってるんだ。…で、報告は?
【上機嫌な男】
あー、ハイハイ。分かってますよぅ。
全くぅ、おかてェ男は嫌われますよ〜だ。はい、報告書。
【ペンを走らせる男】
(苛立ちながら書類をぶん取って)
……っ。
【上機嫌な男】
おぉ、コワコワ。
んで、お嬢さんはさっきから何と睨めっこしてるのん?
【隻眼の女】
先月入った新人の報告書だ。書き方がなってない。
【上機嫌な男】
(報告書を覗き込んで)
ん〜〜? あらら、わあお☆ 今の若い子ってのは聞かないもんかね、上官に。
【隻眼の女】
何だ、お前のトコもか。
【上機嫌な男】
んっふふ〜? まァ、似たようなもんだよぅ。オレサマ、お嬢さんみたく厳しくないから部下ちゃん辞めさす事は無いしぃ。
【隻眼の女】
あの程度で辞めていくなら“その程度”だったというだけだ。注意も叱責も、相手が聞かないなら意味が無い。
【ペンを走らせる男】
…お前の所、随分毛色の違う奴が入ったらしいな。
【隻眼の女】
あ? …ああ、あのシベリアンハスキーか。
【上機嫌な男】
犬種で喩えんだね。
【ペンを走らせる男】
…ドーベルマンのような奴らしか居ないから、そういう好みなのかと思ってたぞ。
【上機嫌な男】
そんでノんのね。
【隻眼の女】
馬鹿言え。お前の方こそ、サルーキみたいな男と、ボルゾイみたいな女しか居ないじゃないか。
【ペンを走らせる男】
…そうなるように言った訳でも仕向けた訳でもない。気が付いたらそうなってただけだ。
お前の所の女はワイマラナーってトコロか。
【隻眼の女】
ハッ、くそ真面目な所しか褒めるトコが無いってのも可哀想なもんだな。
【上機嫌な男】
二人とも犬詳しいんだねぇ。
【ペンを走らせる男】
お前の所は……
【上機嫌な男】
お! 何、何に喩えてくれんの!
【ペンを走らせる男】
………………チワワとトイプードルだな。
【隻眼の女】
言い得て妙だな。
【上機嫌な男】
めっちゃ知ってるヤツっ!! もっとこう、何とかスパニエルとか、何とかダックスとか無いのん? ウチの部下ちゃん達可愛過ぎない!? いんや、可愛いんだけども!
【ペンを走らせる男】
なら良いだろう。それより、報告を後回しにして酒を飲むのは―――
【上機嫌な男】
あーっ、はいはい、はいはい。分かってますよぅ。
ってか! それ咎めンだったら、この前お嬢さんが飲んでたのは何だっつー話。それとこれとは話が違うとかは受け付けないぜ!?
【ペンを走らせる男】
報告も何も、アレはお前の尻拭いだ。
【上機嫌な男】
おっと、話の流れ変わったな。
【隻眼の女】
“走馬灯に出て来たかわい子ちゃんを射止める為に、ちょっとその辺で探してきます”の伝令を聞いた総帥の顔が見れたもんじゃなかったからな。
【上機嫌な男】
(冷や汗をかきながら)
……ま、…ほら! 運命の出会いって待ってても来ないし、自分から行かないとさ! って事で、オレサマはそろそろ帰ろっかな!?
報告書も出したしっ、お嬢さん達とも雑談で親睦深められたしっ。
【ペンを走らせる男】
おい、仕事はまだ終わってないぞ。
【上機嫌な男】
えっ、いやいや! その手には乗らないっての! 今日のオレサマの仕事が、各隊撃破とその報告なのは知って―――
【ペンを走らせる男】
ああ、“今日の”はな?
【上機嫌な男】
あぁ〜〜………オレサマ、超嫌な予感ん〜……。
【ペンを走らせる男】
この束を終わらせるまで帰宅厳禁、と総帥が仰せだ。出入り口に私の所の不寝番を置いておいてやるから、脱走もサボりも出来やしないぞ。
【上機嫌な男】
お前が今まで書きつけてた書類それかよっ! まっじか! 総帥マジ鬼! オレサマ、この後もう一杯やりたかったのにぃ…!
【隻眼の女】
御愁傷様。ではな。
【上機嫌な男】
えっ!? お嬢さん帰んのん!? 無慈悲〜!!
【隻眼の女】
自分の仕事が終わったんだから、そら帰るだろ。阿呆か。
【ペンを走らせる男】
では私も。…この酒は伴侶と飲ませてもらう。では、お疲れ様。
【上機嫌な男】
ああぁあ〜〜〜…! くっそ〜! 顔出すんじゃなかったあ…!!!
STORY END.




