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三人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
39/48

【宝石回路〜彼は神になれない〜】

台本タイトルは【ジュエリーコード〜かれはかみになれない〜】と読みます。


宝石回路シリーズ 第八話


台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。

『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。


※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂0:♀2:不問1


 プロメテウス・マラカイト 不問 セリフ数:21

魔導まどう隊隊長。宝石回路(ジュエリーコード)の中では最年長。輪から離れて、静かに現状を見つめている。が、そろそろ動こうと思っている〉


 メドゥーサ・オニキス ♀ セリフ数:12

〈情報司令部副部長補佐。オニキス三姉妹の末っ子。ほわほわしていてつかにくい性格をしている。アテナが苦手〉


 ヘスティア・ダイヤモンド ♀ セリフ数:18

騎空きくう軍副軍長。鼻と耳がとても良い。あまり宝石回路(ジュエリーコード)の基地には出向かない。家族に愛されている自覚がある〉


[あらすじ]《9分程度》

 どうしても決まらない。最後の“ハルモニア”の科白セリフが。裏切り者の“ハデス”を殺した後、何と言わせればいいものか。宝石回路(ジュエリーコード)を待っている読者は山ほど居るというのに。

 ああ、書籍しょせきなんてするんじゃなかったな―――。













【ヘスティアN】

 僕が生まれた日。

 母様は安堵あんどして、泣いた。

 生まれてきてくれただけでも幸福だと。


 ハデス兄様は歩き方を教えてくれて、ポセイドン兄様は喋り方を教えてくれた。


 デメテル姉様は怪我をする僕を、よく治癒ちゆしてくれた。


 家族以外のダイヤモンドは、僕の事を恥曝はじさらしだとか、失敗作だとか言っていたけれど、そんな声は父様が跳ねけた。


 僕は家族に愛されている。



 喋り方と歩き方を覚え始めた頃、弟が生まれた。


 父様が怒った。あれだけ尽くしてやったのに、と怒った。それにどんな意味が含まれているのかは分からなかったけれど、怒った父様は怖かった。


 母様は弟を必死に隠したけれど、そんなの意味がないくらいに父様は母様を罵倒ばとうし続けた。


 ポセイドン兄様は、放置を決め込んで、いつの間にかアンピトリテ義姉様ねえさまと結婚してた。


 デメテル姉様はその時、花嫁修業としょうして家には居なかったから、よくは知らないけれど、頻繁ひんぱんに来ていた連絡は、パッタリ途絶とだえた。


 弟が生まれて、何かが変わった。

 どこかのダイヤモンドは終わり始めた、と言ったけれど、生まれたての欠片かけらに何が出来るというのだろう。



 世界のアレコレを聞かれたって、僕には何にも分からない。

 それが、父様のせいと言われても、弟のせいと言われても、違うと思う、としか言えない。


 ただ、一つだけ明確に分かる事は、

 僕の弟、ゼウス・ダイヤモンドも、僕、ヘスティア・ダイヤモンドを愛してくれているって事だ。















【メドゥーサ】

 あーあ、また失敗です。プロメテウス様ぁ、まだやるんですぅ? これ以上は勘付かんづかれちゃうですぅ。


【プロメテウス】

 …だって気になるじゃないか。


 好奇心こうきしんというのは、いくつになったって芽生めばえるものさ。


【メドゥーサ】

 その好奇心、是非ぜひくさって下さいですぅ。

 そもそもプロメテウス様、傍観ぼうかんだったじゃないです? いつから過激派に転身てんしんしたんです?


【プロメテウス】

 …どうにもながめているだけだと真意しんいが分からなくてね。


 ハデスもデメテルもダイヤモンドだっていうのに情けない、すっかりだまされている。


【メドゥーサ】

 そこにペルセポネー先輩やアンピトリテ様が居ないのは…アレです? 枝分えだわかれだからです?


【プロメテウス】

 いいや。私の好みさ。


【ヘスティア】

 僕の家族の悪口? そういうの良くないと思う。


【プロメテウス】

 おはよう、ヘスティア。…疲れているね。


【ヘスティア】

 デメテル姉様が軽い癇癪かんしゃくを起こした。

 今はポセイドン兄様も居ないし、ハデス兄様は『あの本』にご執心しゅうしんだから。


【プロメテウス】

 おや、見た事あるのかい?


【ヘスティア】

 見た事はない。でも、すごく嫌な感じがした。父様の時と同じ匂い。


【プロメテウス】

 ……………………。


【メドゥーサ】

 ヘスティア先輩ぃ。プロメテウス様が僕ちんの事いじめるんですぅ。

 副軍長として、がっつーんと言ってやるです!


【ヘスティア】

 ? プロメテウスは騎空きくう軍所属じゃない。それに僕が言ったところで意味は無い。


 それより、“見た”?


【メドゥーサ】

 それはもうバッチシですぅ。

 まるで最初っから、そこで生きてるみたいにまきれ込んでたです、あの“異分子いぶんし”。


【ヘスティア】

 ……そう。


【プロメテウス】

 相変わらず、お前には映らないんだね。


【ヘスティア】

 その“異分子”、何の匂いもしない。何の音も聞こえない。

 みんなが『居る』と言ったところで、僕にとっては『居ない』まま。


 だけれど、そのおかげでソレが“異分子”だと気付けたんだから感謝して欲しい。


【プロメテウス】

 ああ、勿論もちろん。感謝しているよ。みながおかしい、と真っ先に伝えに来た相手が私だった事も、お前が有能ゆうのうだったからさ。


 それに…アレがよく目に入るようになってから、何もかも都合が良い。


【メドゥーサ】

 …、ですです。

 まるで世界が宝石回路(ジュエリーコード)の都合に合わせてくれてるみたいです。

 でもそんなの、オカシイです。


 ハデス様も、ハルモニア様も、どーしてこんな簡単な事に気付かないんです?


【プロメテウス】

 気が付かないものさ。


 もうアレは、ハデス達の記憶に“当たり前”として存在している。こちらに侵食しんしょくしてくるのも時間の問題だろう。


【ヘスティア】

 …………僕にも?


【プロメテウス】

 私達よりは遅いだろうけどね。


 だから、誰が敵なのか、明確な考えをまとめておきたいんだ。


 …メドゥーサ。


【メドゥーサ】

 ハイです。


 まず、今ハデス様が所持している『あの本』………災いの書(パンドラブック)についてでーす。

 分かっている事は、この世とはことなる次元じげんで作られた、と言う事。

 そして、それを書き写したのがウラノス・ダイヤモンドと言う事。


 そして、災いの書(パンドラブック)の世界に魅入みいられ、この世界を作り変えようとしたのが、クロノス・ダイヤモンドと言う事、でーす。


【プロメテウス】

 一体全体どうやってウラノスが、本を見つけたのかまでは分かっていないがね。


 ヘスティア、如何どう見る?


【ヘスティア】

(独り言のように)

 ハデス兄様の持ってる災いの書(パンドラブック)はお祖父じい様が写したもの?


 だったら、ダイヤモンドが魅入られるのは当然かも。お祖父様はダイヤモンドのの血を、いでいたらしいから。


 …それに…父様がしようとしてた事、してしまった事、それらが誰の目に映っても「悪」だったなら、世界はこんなにこじれていないはず。


【プロメテウス】

 …なるほど、そうなると…彼はのちにダイヤモンドの誰かが、自分が写した本を見つける事を想定そうていしていた可能性が高いな。


 …ただ、それをクロノスが見つけるとは思ってなかったと思うがね。

 ウラノスはかず居る子供達の中でも、クロノスの名を出した事は、ついぞ無かったからな。


【メドゥーサ】

 クロノス・ダイヤモンドがダイヤモンドの中でも特段とくだん目立つ子じゃなかったというのは、有名な話です。

 宝石回路(ジュエリーコード)設立の際には、かなりの反対意見を押し切ったって話も聞いたですぅ。


【ヘスティア】

 確かに父様は特別じゃなかった。小さい頃はよく分からなかったけど、今ならハッキリと分かる。

 父様の能力と、父様の肩書かたがきは、全くと言っていいほどり合ってない。


【プロメテウス】

 …だが、当時の宝石回路(ジュエリーコード)内には不思議な事に、クロノスをしたっていた者が多かった記憶がある。

 エウロペやフォボスが良い例だ。


 当時は奇特きとくな奴も居たもんだ、と思っていたが、それも何らかの理由があるのかもしれないね。


【ヘスティア】

 父様が、慕われていた理由……。


【プロメテウス】

 ところでメドゥーサ。

 もう一つ、調べてもらっていたよね? そちらは如何どう


【メドゥーサ】

 あ〜っと、現在コールドスリープしている、アイギスについてです? まとまってるです。


【ヘスティア】

 アイギス…、ゼウスが消えてからずっと眠っているっていう…あの?


【プロメテウス】

 ああ、ヘスティアは会ったことなかったかい。


【ヘスティア】

 僕、ほとんど基地に出向いた事ないし、任務なら現地げんちに直接行けばいい。


【メドゥーサ】

 ヘスティア先輩のそういうとこ、ストイックで格好良いですぅ。


 あ、そうそう。まとめていたアイギスの件で、二点気になる事があるです。


 一点は、コールドスリープログの一部が消去しょうきょされていた事。

 こちらは現在、エウリュアレー姉さんに解析かいせきしてもらってるです。


 もう一点は、アイギスのマイルームが例の“異分子”によって、“存在していなかった事”になっている事。

 こちらも現在、僕ちんのペットにさぐってもらってるです。


【プロメテウス】

 ここで関わってくるか、あの“片割れ”。


【ヘスティア】

 ……敵確定?


【プロメテウス】

 黒に限りなく近いグレー、だな。


 …そうだ、ヘスティア。

 しばらくは基地にいるだろう? 探してみたら如何どうかな?


【ヘスティア】

 探す…………その“異分子”?


【プロメテウス】

 そう。


【メドゥーサ】

 もし会いに行くなら、事情の知らない、だけどもう入り込まれてる子と一緒が良いです。

 ヘスティア先輩からして、その“異分子”が何の音も匂いもさせてないなら、見つけるのは至難しなんです。

 僕ちんが付いていきたいけど、変に歩き回って、くそアテナに見つかると厄介やっかいです。


【ヘスティア】

 …分かった、探してみる。


 次、また無事に会えるか分からない。

 二人とも油断ゆだんしないで。


【プロメテウス】

 勿論だとも。


【メドゥーサ】

 ヘスティア先輩、貴重なご意見ありがとうです!


【ヘスティア】

 …あ、プロメテウス。


【プロメテウス】

 ん? 何かな?


【ヘスティア】

 その“異分子”、名前は何だっけ。


【プロメテウス】

 …………。







 ヘルメース…。


 ヘルメース・アクアマリンだよ。




















STORY END.

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