【宝石回路〜拾う神あれば〜】
台本タイトルは【ジュエリーコード〜ひろうかみあれば〜】と読みます。
宝石回路シリーズ 第五話
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♂0:♀2:不問1
ペルセポネー・ダイヤモンド ♀ セリフ数:21
〈現情報司令部長。デメテルの娘であり、ハデスの奥方。現在妊娠中。誰隔てなく優しい、とても頼りになるお姉さん的存在〉
エウリュノメ・アンバー ♀ セリフ数:22
〈元情報司令部長で、現在は副部長。耳がとても良く、疲れてしまうので瞑想する事で身体を癒やしている。仕事中は極力瞑想しないようにしている〉
ステンノー・オニキス 不問 セリフ数:14
〈戦える情報司令部員。無愛想だが仕事は出来る。次期副部長の声が上がっているが、本人にその意志は無いらしい。二人の妹がいる〉
[あらすじ]《8分程度》
情報司令部室の中型情報機器Phoibēは“世界のあらゆる未来を識っている”
だけれど、それを認識できるのは極一部の、限られた血を持っている者だけ。
だからこそ、情報司令部にアイツを入れる訳にはいかなかった。ワタシがそう思って、アイツに選ばせた。
嗚呼、赦してくれ。こんな展開になるだなんて、想像もしていなかったんだ―――。
【ステンノーN】
クロノス・ダイヤモンドは『何か』を崇拝していた。
初代情報司令部長である、ムネーシュモネーの御見舞いへ、ペルセポネーと行った際、そんな話をされた記憶がある。
その『何か』までは、口にしなかったが、独善的なものだと蔑むように言っていた。
ムネーシュモネーは宝石回路を辞める前、司令部へと自身の弟を推薦したが、固辞されたらしい。
だけれどその後、ハッとして。
“もしかして、これも『彼』の…”
と呟いていたのが、今でも忘れられない。
……彼女の逝去後、オレは時折考えてしまう。
もし、情報司令部に彼女の弟が居れば。今の宝石回路は何か変わっていたかもしれない、と。
ああ、どうして。
そう嘆いてみても、
彼女は――、ムネーシュモネー・ルビーは…もう何も、教えてくれない。
❋
【ペルセポネー】
エウリュノメ先輩、これって暗殺隊へ直接送っても宜しいんですか?
【エウリュノメ】
ええ…構わないわ。ああ、だけれどヘリオドール宛ではなく、イクシオン宛に…してちょうだいね…。
【ペルセポネー】
イクシオン先輩ですね、了解しました。
ところでエウリュノメ先輩、ポセイドンお義兄様から再依頼された小惑星の調査の件ですが…。
【エウリュノメ】
何か…分かったのかしら…?
【ペルセポネー】
いえ、それが…。幾度調査を重ねても、我々“ウヴラ”にとっては毒となる酸素の濃度が高い為、生存圏外と出るのみで…特に新しい発見はされていません。
【エウリュノメ】
………。
それで、彼は…何と…?
【ペルセポネー】
(相手の顔色を窺いながら)
再調査、求ム…とだけ。
【エウリュノメ】
(ため息を吐いて)
ペルセポネー…。
【ペルセポネー】
は、はいっ。
【エウリュノメ】
これを彼に…。
どこぞの惑星で遊び呆けているだけのクセに…面倒な依頼ばかり…頼み込んで来ないでちょうだい、と…。
【ペルセポネー】
(苦笑いしながら)
依頼停止書ですね。
アンピトリテお義姉様に渡しておきます。
だけれど、ポセイドンお義兄様ったら、あれだけ旦那様に苦言を呈されていらしたのに、まだ懲りてないみたいで。
【ステンノー】
…戻った。
【ペルセポネー】
あら、お帰りなさい。ステンノー。
【ステンノー】
ここに来る途中、ラブラドライトが経費を増やせって強請ってきた。
【ペルセポネー】
それ、暗殺隊の方? 宇宙軍の方?
【ステンノー】
ペイリトゥース。
【ペルセポネー】
宇宙軍の方かー…。
経費についてはもう少し待ってと伝えるわ。
【エウリュノメ】
ステンノー…、ダイヤモンドの次男が何処に居るか分かるかしら…。
【ステンノー】
今は確か…【地球】に居るはずだ。
数日前、『保護猫活動してるから帰るの遅くなる〜』なんて馬鹿みたいなメッセージを受け取った。
【エウリュノメ】
…はあ…、ダイヤモンドって何でこう、自由な子達ばかりなのかしら…。
【ペルセポネー】
え、待って下さい。どうしてこちらを見ながらそんな事言うんです。
ワタシ、ダイヤモンドの中では大人しい方ですよ…?
【エウリュノメ】
二百五十二年前の…火の季節…。
ダイヤモンドの長男と駆け落ちして…、凡そ十年戻らなかった者が…何を言っているの…?
【ペルセポネー】
(顔を覆って)
わぁあ…!? 許して下さい、許して下さい! 若気の至りだったんですぅ…!
【ステンノー】
その十年、デメテルが使い物にならなかった。向こう千年はイジられると思え。
【ペルセポネー】
やだ、そんなの。お婆ちゃんになっちゃうわ。
【エウリュノメ】
千年経っても…貴女ならまだ生まれたてと変わらないわね…。
それより…ハルモニアに頼まれていた…新人研修の件はちゃんと進めているかしら…?
【ステンノー】
特攻軍に入軍した、三名の研修会の件か? 惑星戦争が近いというのに、呑気なものだ。
【ペルセポネー】
ハルモニア先輩はそういうお方でしょう。アトラスもだけど。
それに今期の入軍者は期待の子ばかりって聞くし。
【ステンノー】
ああ…、なるほど。
デュカリオン・マラカイトに、エオス・アレキサンドライト、エニューオ・ダイオプサイト。
確かに、どこに入隊するか賭けられていた者達の中に、コイツらの名前があった気がする。
【エウリュノメ】
…マラカイトって…プロメテウスの身内かしら…?
【ペルセポネー】
プロメテウス先輩の甥に当たるそうですよ。
本人はプロメテウス先輩と同じ、魔導隊希望だったらしいですけど、入隊テストに落ちちゃったみたいで。
【エウリュノメ】
そう…。プロメテウスと同じ…良い子だとイイわね…。
【ステンノー】
(少し考えてから)
…プロメテウスと恋敵だったってのは、ただのウワサなのか?
【エウリュノメ】
…突然何…? ウワサじゃないわ、真実よ…。
【ステンノー】
随分苛烈な戦いだったと聞いてる。
そんな相手を“良い子”とは。情報司令副部長の嫌味は痛烈だと思って。
【エウリュノメ】
…そっちはただのウワサ。
プロメテウスとは、惚れた相手が重なっただけだわ…。
【ペルセポネー】
それって、その…コイオス先輩、ですよね? ちょっと分かる気がします、コイオス先輩、顔が良いですから。
【エウリュノメ】
…それ…ダイヤモンドの長男に聞かれちゃダメよ…。
…でもそうね…、コイオスは…ワタシよりずぅっと大人で…ずぅっと格好良くて…ワタシの全部をあげても…後悔ないくらい…大好きだったの…。
【ペルセポネー】
わぁ…! エウリュノメ先輩のそういう話、全然聞かないから新鮮です…!
もっと聞かせて下さい…!
【エウリュノメ】
…ふふ、ペルセポネーは物好きね…。
…コイオスが昔、特攻隊に入っていたのは…知っているわよね…? 当時のコイオスは…もう…本当に、本当に…格好良くて…。ハルモニアと背を合わせて…戦っていたのを…ワタシ達、若い子で盛り上がっていたの…。
【ステンノー】
コイオスは薙刀使いだったな。
戦闘ログには一振りで何十匹も殲滅したと記録されていた。
【エウリュノメ】
…ええ、そう…。
正直…どうして特攻隊を辞めてしまったのか…惜しい気持ちでいっぱいだわ…
【ペルセポネー】
告白はしたんですか?
【エウリュノメ】
(努めて普通の声色で)
……………えぇ。したわ…。
【ペルセポネー】
わぁ…! そ、それでコイオス先輩のお返事は…!?
【ステンノー】
ペルセポネー、やめ―――
【エウリュノメ】
……だけれど、彼は『ルビー』だった…。
『ルビー』の血は…『ルビー』以外とは交じれない…。
【ペルセポネー】
あ…。
【ステンノー】
……。
【エウリュノメ】
……そんな顔しないでちょうだい…。…もう、すごく昔の話…。それにコイオスだって、…“好きなままでいい”と言ってくれたもの…。
【ペルセポネー】
…エウリュノメ先輩は…、その、番になれないと分かっても…“良かった”んですか…?
【エウリュノメ】
…えぇ、コイオスが…生きていたから…何も、怖くなんて…なかったわ…。
【ステンノー】
……。
エウリュノメ、ペルセポネー。休憩は終わり。仕事をするぞ。
【エウリュノメ】
…そうね…、感謝するわ、ステンノー…。
【ペルセポネー】
あ、はーい…。
エウリュノメ先輩、やっぱりスゴいなぁ。
【エウリュノメ】
…ふふ、馬鹿言っていないで…仕事なさい…。
STORY END.




