【宝石回路〜神々は躍る〜】
声劇タイトルは
【ジュエリーコード〜かみがみはおどる〜】と読みます。
宝石回路シリーズ 第一話
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♂0:♀1:不問2
アテナ・ヘリオドール ♀ セリフ数:12
〈宝石回路の最高幹部の一人。血の繋がりのない可愛い娘が二人居る。ゼウスに認められた怪力の持ち主〉
ヘルメース・アクアマリン 不問 セリフ数:17
〈宝石回路の情報管理局長。独身だが、甥っ子を甘やかすので姉に怒られる。ゼウスの忠実な右腕だった〉
ハデス・ダイヤモンド 不問 セリフ数:13
〈宝石回路の特別指導員。ゼウスの兄と名乗ってはいるが性別はない。政府からの命で失踪した父親を探している〉
[あらすじ]《7分半程度》
「ゼウス・ダイヤモンドを蘇らせよ」。
そんな政府からの命に宝石回路の面々は目を輝かせた。と同時に落胆した。またこんな世界に神を放り込むのかと。
ならばもうこんな世界、壊してしまえばいい。なあ、お前達もそう思うだろう―――?
【ハデスN】
事の発端を説明しよう。
我ら宝石回路は政府から公認されている犯罪組織だ。ちゃちな悪事から、憎い誰かの暗殺まで。
血に塗れる事無く任務を遂行する、綺麗好きな連中さ。
そんな我らのトップがボクの弟、ゼウス・ダイヤモンドだ。
そんなゼウスがとある事情で消滅してから少し経った頃、宝石回路全員へ政府からの命が下ったんだ。
「ゼウス・ダイヤモンドを蘇らせよ」ってね。
我々は歓喜したよ。しかし共に落胆したよ。
こんな爛れた世界に、また弟を産み落とすのかと。…弟が消えた事情も事情だったからな。
だから我ら宝石回路は、この世界ごとぶっ壊す事に決めた訳さ!
*
【アテナ】
とまぁ、そんな事を決めた訳だけどぉ。アタシ達って政府公認な訳じゃん? 当然、アタシ達の行動って監視対象ってやつじゃん?
最高幹部に声掛けって言うけどぉ、ゼウス君の指示も無いのに集まるわけぇ?
【ヘルメース】
現にアテナ・ヘリオドール。
貴方は招集に応えました。面白い事が好きな連中です。
ある程度の条件をチラつかせれば、難なく食い付いてくるでしょう。
【アテナ】
アタシはただ単にぃ、ゼウス君消滅でお仕事減っちゃってぇ、娘ちゃん食べさせるのに困ってたから、応えただけぇ。
お前の為じゃないよぉ?
【ヘルメース】
充分承知です。寧ろそうでないと貴方ではありませんから。
おや、通信が………。
ヘーラー・ガーネットとメドゥーサ・オニキスも、先程招集にお応え下さいました。
【アテナ】
ゲェェ、メドゥーサ来るのぉ? 最悪ぅ。アイツ、アタシに殺されかけたの、まっだ懲りてないわけぇ?
【ヘルメース】
貴方と行動はさせません。作戦に支障が出ます。
それよかハデス・ダイヤモンドはまだ来ませんか? 彼の講義はもう終わっているでしょう。
【アテナ】
さぁねぇ。
またどっかで一服かましてるんじゃなぁい? あーあ、お前と二人きりとか息詰まっしぃ、アタシもどっかの山、消し飛ばしてこよっかなぁ。
【ヘルメース】
おや、ならば丁度良いですね。
ニュクス・アイオライトとコイオス・ルビーを迎えに行ってあげてください。
【アテナ】
えぇ゛〜っ!? ニュクスとコイオスにも声掛けしたわけぇ!? まっじで見境ないのねぇ。
…ちっ。お駄賃は弾んでよねぇ。
【ヘルメース】
助かります。彼らの住処、寒くて苦手なんです。
(アテナが行ったのを見送って)
さて、ハデス・ダイヤモンドが来るまで政府の機密情報でも盗んでおきましょう。
*
【ハデス】
お疲れ様だよ、ヘルメース。少し遅れたかな。
【ヘルメース】
大遅刻です。
もう既にアテナ・ヘリオドールが同志を迎えに行ってくださっています。
【ハデス】
ああ、そりゃ済まない事をした。彼女は誰を?
【ヘルメース】
ニュクス・アイオライトとコイオス・ルビーを迎えに行き、連れ帰って来てくださいました。
その後、いつまで経っても来ない貴方の代わりに、デメテル・ダイヤモンドを迎えに行ってくださっています。
【ハデス】
はは。一服している間にそんなに時間が過ぎていたか。デメテルの相手はボクがすべきだと思っていたから、何かあれば彼女に謝罪しておこう。
【ヘルメース】
予定は若干狂いましたが、支障はありません。
ハデス・ダイヤモンド、貴方を待っている間に政府の機密情報をいくつか盗んでおきました。
【ハデス】
そんな事をしたらあちらさんはビックリしちゃうんじゃないか? うちの奥さんを待っても良かったのに。
【ヘルメース】
妊婦に仕事をさせるほど鬼ではありません。それにダミーデータを配置しておきましたので、暫くは大丈夫でしょう。
ハデス・ダイヤモンド、こちらを見て下さい。
【ハデス】
んん〜? おや、これはボクの弟の消滅ログだな。政府が管理しているものだ。何一つおかしな所はないと思うが?
【ヘルメース】
いえ、ここです。
ゼウス・ダイヤモンド消滅後の宝石回路の後任者欄をご覧下さい。
【ハデス】
(憎々しげに息を漏らして)
…嗚呼………………。
【ヘルメース】
クロノス・ダイヤモンド。
宝石回路の設立者であり、初代宝石回路のトップです。
しかし次代をゼウス・ダイヤモンドに譲った後、謎の失踪。
貴方は政府からの命でクロノス・ダイヤモンドの行方を追っていたんですよね?
【ハデス】
ああ、そうだとも。
しかしおかしな話だね。
政府はボクの弟の復活を願ってる。それは我ら宝石回路の統制が取れないからだろう?
だというのに、ゼウスでも何でもない後任者を立てようとしていたとはね。
【ヘルメース】
それもその後任者は現在失踪中のクロノス・ダイヤモンド。
これが事実だとするならば、政府はクロノス・ダイヤモンドの行方を知っている可能性が高いという事です。
【ハデス】
………。政府は、一体何を隠しているんだろうね。…っと、おや。お迎えご苦労さまだね。
【アテナ】
ああ〜〜〜〜! このおサボりヘビースモーカー! デメテル連れてくんの、まっじで苦労したんだからねぇ!?
【ハデス】
お駄賃ならボクが払おう。それよか、これをご覧。
【アテナ】
(また面倒事を頼まれるのか、と嫌そうな顔して)
なぁぁにぃぃ…?
【ヘルメース】
貴方がデメテル・ダイヤモンドを迎えに行ったすぐ後で手に入れた政府の機密情報の一つです。
ゼウス・ダイヤモンド消滅後の宝石回路の後任者欄をご覧下さい。
【アテナ】
………く、…く、…クロノス・ダイヤモンドぉぉ!? ゼウスのパパじゃん! 何で今さらぁ!?
どっか消えちゃって政府の連中が探してたって話じゃん!
【ハデス】
ああ、本当におかしな話だな。
それに酷かったというじゃないか、彼が統制していた宝石回路は。
にも関わらず、後任者にわざわざ父上を選ぶ政府の目は、どうやら腐っているらしいな。
【アテナ】
っていうかさぁ、 これがまじなら繋がるんだけどぉ、デメテルが変なこと言ってたんだよねぇ。
【ヘルメース】
変な事、ですか? 彼女の周りで何か起こったなどの報告は受けておりませんが。
【アテナ】
そうじゃなくってぇ。
ママがパパの部屋片付けてたんだってぇ。
【ハデス】
まあ、母上は綺麗好きだからな。一片の埃も許さないお方だ。
特に父上の部屋の掃除などは、発狂しそうな勢いでやっていた記憶がある。
これといってわざわざ話題に出すような話ではないと思うが。
【アテナ】
そ〜う? でもそれだったら何でデメテルってば、あんな事言ったんだろぉ。
【ヘルメース】
何はともあれ。
この情報は皆に共有しておいて下さい。
アテナ・ヘリオドール、お迎えご苦労さまです。マイルームを設定しておきましたのでそちらでお休み下さい。
【アテナ】
はぁぁい。用があっても出来るだけ呼ばないでねぇ。娘ちゃん達とビデオ通話すっからぁ。
【ヘルメース】
……はぁ…。
ではハデス・ダイヤモンド。一応デメテル・ダイヤモンドに先程の発言の事実確認をお願いします。
何かありましたら、こちらに居りますのでご連絡を。
【ハデス】
(伸びをしながら)
はいはい。まあ、給料分は働くよ。
ヘルメースも無理は良くない、適度に休みなよ。弟が目覚めた時、キミが居ないとなると寂しがる。
【ヘルメース】
…善処します。
STORY END.
2021/10/14
声劇タイトルを変更しました。




