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♂1:♀1:不問1
慎ましやかな女性 ♀ セリフ数:9
鬱陶しい男性 ♂ セリフ数:8
ナレーション 不問 セリフ数:5
[あらすじ]《3分半程度》
ふわりと風に舞う美しいワンピースを身に纏った女性はとても真剣な顔をして向かいに座る男性を見遣る。ニヤニヤと笑う男性に女性は軽く深呼吸をしてから口を開いたのだった―――。
【慎ましやかな女性】
私はこのままでは、貴方の事を嫌いになります。
【ナレーション】
ハッキリした語調でそう言った女性は、目の前で驚いてる男性から決して目を逸らさない。
昼の忙しい時間帯を、少し過ぎたカフェにて。客も疎らなお陰か、この二人組に目を向ける客は居ないようだった。
【鬱陶しい男性】
ちょ……ちょっと待ってくれ。何……何て言ったんだい……。
【慎ましやかな女性】
ですから。貴方の事を嫌ってしまいそうです。
【ナレーション】
もう一度、噛んで含めるように言った女性に男性は「oh…」と手で顔を覆った。
そうしてから、女性は店員が運んできたレモンティーを一口飲んだ。
【鬱陶しい男性】
待って、待ってくれ…具体的に俺の…えっと、どういう所が……その、嫌いになりそう?
【慎ましやかな女性】
残念ですが全部です。
【鬱陶しい男性】
俺何かしたかな!?
【ナレーション】
男性の言葉に女性は、驚いたような顔をして、手で口元を隠して、か細い声で言った。
【慎ましやかな女性】
……本当に、お分かりに……ならないのですか…?
【鬱陶しい男性】
やめてくれないか!? そういう事を言うのを! 傷つくじゃないか!
【慎ましやかな女性】
ほんっっっとうに。お分かりにならないと仰るのでしたら、お教えしましょうね。
まず、私と彼のデートについてこないで下さい。
次に、彼へ変な事を吹き込まないで下さい。
三に、私の家に入り浸らないで下さい。
四に――。
【鬱陶しい男性】
待て待て、待ってくれ。多くないかい!?
【慎ましやかな女性】
それだけの事をしているという自覚がないのですか?
【ナレーション】
叫んでいる男性と、それを責めているが冷静な女性は、傍から見れば奇異だったろうに、幸いにも他人を気にしない客ばかりだったのか、あまり見られはしなかったが、男性は女性の険しい顔に、とりあえず落ち着く事にした。
【鬱陶しい男性】
分かった、君の主張はとてもよく分かったよ。でもさ、
【慎ましやかな女性】
(食い込み気味に)
でも?
【鬱陶しい男性】
ア、イヤ……ウン……エット、ネ?
【慎ましやかな女性】
いいですか? いくら私達がそういう関係にあるからと言っても、鬱陶し過ぎます。
彼は貴方に強く言えませんし、私だって貴方には助けられてますけど、ソレとコレとは話が違います。
頼みますから、年頃の《妹》が恋愛してる場に割って入るのは止して下さい!
【ナレーション】
女性は…否、男性の妹は初めて声を荒らげた。事ある毎に自分と自分の彼氏に纏わりついてくる自分の兄が、鬱陶しくて堪らなかったのだろう。
【鬱陶しい男性】
ンな薄情な事を言わないでくれ…! 俺はお前の事が心配でだな…!
【慎ましやかな女性】
喧しいです、耳障りです、黙って下さい。
今後、先程言ったような事が見受けられた場合は、勘当も視野に入れておりますので。予めご了承下さいね。それでは。
STORY END.




