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三人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
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13/48

【愚痴って千切ってブン投げて】

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※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂1:♀1:不問1


 興味の無い弟 ♂ セリフ数:7


 苛立(いらだ)っている姉 ♀ セリフ数:10


 ナレーション 不問 セリフ数:6


[あらすじ]《3分程度》

 姉はツマミの袋を開けて皿へぶちまける。それに手を伸ばした弟へ、昨日(さくじつ)愚痴(ぐち)(こぼ)しながら酒を(あお)るのは日常としての一幕(ひとまく)である―――。








【ナレーション】

 バリッと烏賊(イカ)のツマミの袋を開けた姉は、大きめの深い皿へそれをぶちまけた。(いく)つか皿の外へ落ちたツマミを拾いながら、向かいに寝転がる弟を見遣(みや)る。


【苛立っている姉】

 女子会なんて行くんじゃなかったわ…。


【興味の無い弟】

 御粧(おめか)しまでして出てったのにウケる。


【苛立っている姉】

 ウケるか。

 そもそもさ、『アナタは優しいから何を言ってもいいわよね?』って何? 器が大きいからって何でもかんでも物を乗せたら乗り切らなくなるのが、もしかして分からないのかね。


【興味の無い弟】

 愚痴(ぐち)謙遜(けんそん)と譲り合いを受け止めた上で、ちゃんと消費出来る相手だって信頼されてんじゃね。


【苛立っている姉】

 そんな信頼クソ喰らえだろ。


【ナレーション】

 烏賊(イカ)のツマミをむしゃむしゃと食べ進めて、ぐいっと酒を(あお)る姉の顔はほんのり火照(ほて)っている。こう見えて酒にはてんで弱いのだ。


【苛立っている姉】

 でね、毎回毎回話題に上がるのが『アナタの彼氏って素敵よねぇ』っていう身に覚えのない称賛(しょうさん)


【興味の無い弟】

 あれ、彼氏居たっけ。


【苛立っている姉】

 居ねぇんだよ、言わせんな(むな)しい! どこからそんな話が出てきたか知らないけど…スゴイ、……カッコイイ? 彼氏ガ? 居ルミタイデス、私……


【ナレーション】

 女子会で居もしない彼氏を()められ、(うらや)ましがられた事を思い出したのか、顔が引き()ってカタコトになる姉。

 弟はそんな姉の様子を気にした風もなく、少し起き上がって机の上のツマミを()(さら)う。


【苛立っている姉】

 まぁ、ンなこたァどうでも…、良くはないけど今は良いんだよ。


 問題はその女子会のメンバーに苗島(なえじま)さんが居る事だな。


【興味の無い弟】

 苗島(なえじま)さんって確か……。


 ああ、あの人かぁ。

 姉ちゃんの彼氏を(ことごと)略奪(りゃくだつ)してきた女狐(めぎつね)


【苛立っている姉】

 アンタそんな覚え方してたのか…。

 それ失礼だから苗島(なえじま)さんに会ったら絶対言っとけ。


【興味の無い弟】

 絶対言うなって言うかと思ったわ。


【ナレーション】

 プシュ、と二缶目を開けた姉はまたもやぐびぐびと酒を飲んでいく。皿の上のツマミもそろそろ無くなってしまいそうだ。


【苛立っている姉】

 周りの女子はそんな事知らないからさ、『苗島(なえじま)さんとアナタって男の子の趣味合うんだね!』とか笑顔で古傷を引き()いてくるんだよね。ココが地獄かと。


【興味の無い弟】

 ふーん。あ、姉ちゃんツマミ無くなった。


【ナレーション】

 悲壮(ひそう)な顔をしてそう言った姉に、一言投げつけて話を終わらせた弟はツマミを催促(さいそく)した。


【苛立っている姉】

 戸棚に確か煎餅(せんべい)とか入ってたから持ってきて。そんでもっと話聞いてー!


【興味の無い弟】

 はいはい……。

 つーか、愚痴(ぐち)るくらいなら女子会なんて行くなっての。


【苛立っている姉】

 表面だけの付き合いってのもね、社会人になると必要なんだよ、馬鹿野郎。は~……来世はプランクトンに生まれたい……。


【ナレーション】

 カラン、と転がった(から)の缶が二つ。

 どうやら姉の愚痴(ぐち)はまだ続くらしい。弟はさすがにため息を吐いて、次の煎餅(ツマミ)を調達しに行くのだった。







STORY END.

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