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異世界への輪廻転生  作者: アークセーバー
二人の少女編
18/56

第18話 対決&疾風&ピンチ



軽くにらみ合った後、同時に魔力を高めていく。静かな闘技場の中に2つの大きな魔力ぎ揺れ動く。




「「[サモン]」」!





両者の声が響き渡ると同時に召喚獣が姿をあらわす。



(こいつは…鳥?)



巨大な鳥の姿をした魔物だ。


青色の羽根に緑色の尾。黄色の尖ったくちばしに鋭い目。



「こいつの名前は"疾風(ハヤテ)" 僕のベストパートナーや。お手柔らかに頼むで」



(飛行されると多分厄介だな)



「月影!」


「おうよ!任せな」



こっちから先手必勝で決めてやる!



シュッ



「うぉっと!」


「相棒!大丈夫か?」


「あっぶねぇ、当たってねえよ」



(今のは..手裏剣か)




「いかんなあー。召喚士は真っ先に狙われるんやからしっかりしとかんと」



「..迂闊でしたね今のは。でも、今度はこっちの番ですよ」



逃げないで俺を狙ってくれたおかげで月影はすでに攻撃範囲まで入り込んだ。


結局先手は取られたけど、不意打ちのお返しだ!





魔力を高めて月影に送ると、月影の爪が白く光って力を帯びる。


月影は大きく飛び上がると相手に向けて大きく前足を振りかぶる。



「喰らいな」


「[孤月]!」



月影の攻撃は疾風の体を間違いなく捉えた。




_____________はずだった。



「残念、はずれや」


「ぐぁっ!」


「月影!?」



何が起こった?


確かに今の攻撃は逃げようがないくらいにしっかり捉えていたはずだ。


なのに月影の攻撃は外れていつのまにか後ろに回り込まれた疾風に啄まれた。



「っ!この野郎!」




すかさず月影も反転して切り裂こうとするが今度は捉えきれず、上に飛ばれて躱される。




「よそ見はせえへんように。召喚士の基本やで」


月影たちに気を取られて迅雷さんが近づいて来ているのに若干反応が遅れた。



「ご忠告どーも、[ファイア]!」



だめだ、これは躱される。



「相棒に手出すのはまだ早えぜ」



月影がすんでのところで戻ってきて俺を掴んで距離を取る。



助かった。サンキュー月影。



「あの召喚獣は、勝てそうか?」


「それがわかったら苦労しねえよ。仕留めたと思ったらカウンターだぜ?」



月影もやっぱりそう不思議に思ったのか。


とにかく、一対一どうしでやり合ってたらおそらく俺たちが不利だ。




「随分慎重な対応やなー。このまま一対一の方が僕は楽しかってんけど」


「忍びってことは剣術も強いと思うんで、勝てない試合はする気ないですよ」



冷静さを失っちゃだめだ。



幸い月影が食らったダメージを考えると一撃は強くないはずだ。



何か勝つ方法を探し出してやる。



「相棒、秘策は?」


「今考え中」


「なんもないってことか。参ったぜこれは」



「戦闘中にそんなボケーっと考えさせると思わんでな」



まぁそれはそうですよね。


とにかく、致命傷を避けながらなにか隙を見つけないと。



「月影、とにかく致命傷を喰らわないように動け!あと俺から離れんな!」


「そんな長くは耐えらんねえからな?早めに策を練ってくれよ」



わかってる。このままじゃジリ貧でこっちが損していくだけなんだ。



「[クリエイト]!」



小さなダガーだけど、近接用にないよりかはマシだ。



二対二の混戦に持ち込んで、どうにか隙をついてやる。


「コンビネーション対決なら、受けて立つで」


「きぇぇぇ!」



疾風がけたたましく鳴き声をあげる。



「うちらとコンビネーションしようっちゅうのはええ度胸や。せやけど」



迅雷はクナイを取り出す。



「そう上手くいくと思わんといてな」



キィン



一瞬で間合いを詰められ、かろうじて攻撃をダガーで受け流す。


(距離を取ることができない…これじゃあまた相手の思うツボに)



「短剣は苦手か?苦手なもんで勝負するほどアホなこともないわな」


「しまっ!」



ダガーが弾かれて手から離れる。


まずい!



「[ファイア]!」



地面に向けて放ち、とっさに反動で後ろへと飛ぶ。



「ええ判断や、けど。離れたらパートナーがお留守になるで」



疾風と戦っていた月影に手裏剣が放たれる。



「っ!」


「月影!?」



いくら月影でも二体一では対応できるものもできない。



「なんや君らのコンビネーションはこんなあっさり抜かれてまうんかい」



気づけばまた、距離を詰められて間合いに入られていた。



(距離を…)



「今度は逃さんで」



蹴りが右側の腹部に入る。



「うっ…!」


衝撃をなんとか弱めようと思い蹴られた方向へとわさと吹き飛ぶ。



(受け流しきれてない…くっそ、超痛え)



飛んだ先に月影がいなければもう何撃か追撃があってもおかしくはなかった。


月影も攻撃を食らっていて体の何箇所からか血が出ている。



蹴られた部分がじわじわと身体に痛みを訴えてくる。


当たった瞬間に自分から吹き飛ばなかったらただじゃ済まなかったな。



「召喚士やからってパートナーに頼りきりなのはあかんな」




迅雷の言葉が刺さる。



確かに剣の腕もあまりなく、魔法に関しても使いこなせていないのに召喚魔法を選んだ時からはその練習しかしてきていなかった。




月影は確かに強い。




だが、それを扱う俺が弱かったら全く意味がない。



「それに、使い方もあかんとちゃうか?こいつは前に出て攻撃するような子とちゃうやろ」



厳密な区分があるのかは知らないが、月影は確かに本来は攻撃するより召喚士を守ることに優れている魔物である。



それを一瞬で見抜かれている。



「こっちにも攻撃にこだわる事情があるんですよ」



ただ、悪いけど月影はこの戦い方でいくって俺たちは決めたんだ。


少なくとも今は。




(俺が、月影を精一杯活かしてやらなきゃ)




「その目、ほんっまにモラグにそっくりや。オウカさんを雅の国から連れ出した時のな」


迅雷はニヤリと笑うと疾風のそばで魔力を練る。





「月影、お前何発食らった?」


「…10から先は覚えてねえ」


「じゃあ、何発カウンターで食らった?」


「全部だ」




月影と疾風自体にそんな天と地のような差はないはずだ。



それなのに月影は一発も与えられずに、全部カウンターで返される。



それは向こうから攻める気がないのか、それともできない理由があるのか。



「まだまだやるって顔しとるな」


「負けず嫌いなんでね」



できないのだとしたらそこに突破口があるはずだ。



「月影、カウンターされた時ってどんなだ?」


「決まったと思った瞬間に、目の前から消えて。気づいたら後ろに回られてやがるんだ」




目の前から消える…




消える?



「…ここに来てその目、なーんや嫌な予感がするな」


「それはどうでしょうね?」



確証はない、理屈も全くない。


でも、わかったかもしれない!


疾風の弱点と、勝ち方が!



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