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異世界への輪廻転生  作者: アークセーバー
二人の少女編
17/56

第17話 サンダー&戦い&面影



迅雷さんはかなりおしゃべりというか、喋り出すと本当に止まらない。


食事中さっきからずっと喋り通しているけどよくそんなに話す話題があるな。


迅雷さんとオウカさんは昔からの知り合いだったっていうのが一番すごかったな。



「…でな?僕もまあ召喚士になって最近なんやけど。やっぱり人気がない!」


「最近?てことは今までは何をしてたんですか」


「んーっとな、忍びって言って通じるんかな?」


忍びって…あの忍者の?



「あ、私知ってるよ!雅の国特有の兵士たちのことをそう言うんだ!」


「お、よく知っとるやないか。その忍びや」


「…」


「あの、オウカさん。どうかしましたか?」



「あ、ううん。なんでもないの。そうね…昔の迅雷君ってすごかったのよ?国一の忍びって言われるくらい」


「そないなこと言うたらオウカさんやって、その美貌は全国民の羨望の眼差しを受け取ったくらいの有名人やないですか」


「えー!その話詳しく聞きたいです!」


「せやな〜。それはもう、雅の桜!なんて言われるくらいに大人気でな」



(オウカさん確かに綺麗だもんなー)


改めて見てみれば迅雷さんが言っている通り男子の目を引くことは間違いなかっただろう。




「侑季君?オウカさんが綺麗なのはわかりますが見とれすぎですよ」




「み、見てねえよ別に」


やべぇ、つい見すぎた。


エリルからの視線が突き刺さる…



「いやー侑季君、これは仕方ない。男なら誰でも目を奪われるもんや」


いやそこで庇われるとまたからかわれることになるんですよ。



「ただあんまり見惚れるとモラグが鬼みたいに怒ってまうから気いつけるんやで?」


「誰が鬼だおい」


「おっとこいつは失礼。堪忍な」



とまあこんな感じで夕食は賑やかなまま続いて言った。


最初は警戒していたミーシャもエリルも最後には仲良くなっていたみたいなのでよかった。



____________________________



銀の槍 地下





「いいかミーシャ、力を抜いて」


「う、うん」


ミーシャの体が小刻みに震える。やっぱり慣れていないのだろう。


ここは俺がしっかりしないとな。



「大丈夫、そのままゆっくり。自分で」



「あ…いい感じかも」



「よし、それじゃあいくぞ」



「うん、いくよ…」






「..えい![サンダー]!」







ミーシャが魔法を唱えると指先から青紫色の電気が飛び出す。


よっしゃ!成功!



「やった!侑季君、今のいい感じじゃない!?」


「あぁ!今までの中で一番良い魔法だった」


「やったー!」


喜ぶミーシャを見て俺もなんだか嬉しくなってきた。


夕飯を終えた俺とミーシャは時間もあったので地下でミーシャに魔法を教えていたのだった。


決していかがわしいことをしてたわけではございません。


本当は俺も人に教えられるレベルなのかと言われるとイエスとは言いづらいけど、少なくとも手助けくらいにはなってよかった。



「侑季君の言った通りだった!本当に雷に関係あるものならできたよ!」


「予想が当たってよかった。ミーシャの話を聞いた時にもしかしてと思ったんだ」


ミーシャは魔法をうまく扱えない。


使えないというわけではないのだが、魔法が安定しなくなかなか簡単な魔法も成功していなかった。


エリルが俺と同じく[ファイア]を初級魔法の練習に選んでいたからミーシャもそれを選んだらしいのだが、人には合う合わないがあるので別の魔法をさせてみたところ正解だった。


ミーシャからバロンについての話を聞き出して見たとき、月影のような狐型の動物だが、二足歩行の人型に近い魔物らしい。



そして、電気を扱う技をよく扱っていたというところを聞いて俺は閃いた。



月影が火を扱うことが多い魔物だったのもあり、俺は最初に[ファイア]を使えるようになった。


ともすれば、ミーシャは雷系の魔法なら撃つことができるのではないかと考えたのだ。




「これで私も召喚魔法を使えるようになるかな?」


「いや、さすがにそれはまだ早いと思うけどさ」


ミーシャができるようになったのはあくまで簡単な魔法である。


それでも運が良ければできるのかもしれないが。



「んーそっか、まだまだ先は長いよね」


「まあでも、今ので魔法を出す感覚は分かりやすくなったと思うし。一歩ずつ成長していこう」


「うん、そうだね!ありがとう」


「どういたしまして」


魔法は当然個人の得手不得手があるとはいえ、ある程度難易度というのはある。


自分の身体を強化するようなものは魔法の中でも一番簡単な部類で、その次に[ファイア]や[サンダー]のようなもの。


その後に[ハンドル]、[ショット]と言った自分以外の物体に干渉するもの。


そして、召喚魔法と創生魔法という順番が自分の中の感覚だ。


どれも結局極めるためには同じくらいの努力が必要なのだが、少なくとも覚えるだけなら苦労しない魔法もある。


ミーシャの場合は召喚魔法を魔道具ありとはいえ経験をしているのと、雷系統に絞って教えるという条件付きなら召喚魔法もそこまでは苦労せずたどり着けると思う。



「今日はこの辺にしとこう、もういい時間だ」


「本当だ!もう黒の3になってるよ。それじゃ私はお風呂に入ってくるよ」





「んーー!もうそんな時間だったか。俺も戻ろうかな」


まぁ今日はミーシャが魔法を使えるようになったことが収穫ってことで。



「お疲れさん侑季君、先生みたいでかっこよかったで」


「うわっ!」


って、迅雷さん!?


全く背後にいたの気づかなかった。



「すまんすまん、驚かせるつもりはなかったんやけど」


「いや、いつからいたんですか迅雷さん」


「最初からおったよ?邪魔しちゃあかんなー思て見てたし」


(気配なんて全く感じなかったんだけどな..)


「忍びおそるべしやろ?」


隠れる場所もほとんどないこの地下の闘技場にいて気づかなかったなんて…恐ろしいな本当に。



「用事も終わって暇なんやろ?そんなら僕とお話ししようや」


「お話しですか?別にまあいいですけど」


やはりなんというかこの人は掴み所がないというか、心の底が見えない感じがする。



「でもお話って、一体何を話すんですか」


「まあそれは色々あるやん。例えばそやな..故郷はどんなとことか」


故郷…



あ、これもしかして?



「まさかオウカさんと一緒で僕が雅の国の生まれなのを忘れたんとちゃうよな?」


そうだ、俺のことを知ってるっていうんなら雅の国って情報も入ってるはず。


てことは、今俺完全に怪しまれてる?



「あ、あのですね!実は雅の国の生まれなんですけど幼い頃にすでに故郷は離れてて」


「あーええねんええねん!今のは単なるからかいやて」


「え?」


「君たち3人がわけありなんは聞いとる。詳しくは知らんけどな。そこに関しては興味もあらへんからどーでもええ」


よ、よかった…


心臓止まるかと思った本当に。



「僕がほんまに知りたいんはな、君自身や」


「お、俺自身…ですか?」


どういうことだろう。



「長らくあってなかったモラグが随分と生き生きとした目になった。さらには白の称号まで与えた。急にあいつは変わったんや」


「そ、そう言われても」


前のモラグのこととかよくわからないしな。


それに、白の称号のことだってそんなすごいことだとは思ってなかったというか。



「それに、侑季君はちぃとモラグに似とんねん」


「お、俺がですか?」



「せや、なんや君を見とるとモラグとの昔が思い出されてな」


俺が?あの筋肉むきむきのおっさんみたいな人に?


いやさすがに今のは失礼だ。





「そやから、君と戦って見たくなってきてもうた」




え、どういうこと?



「いやいや!どういうことですか!?」


「そのまんまの意味や、僕とモラグは昔戦ったことがあるんやで」


初耳なんですが。



「侑季君も、同じ召喚士とやって見たいとは思わへんか?」



それは、まぁ…確かにちょっとある。



自分が召喚士としてどの程度やっていけてるのか、相手はどういう風に戦うのか、すごくきになる。



「お?乗り気になってきたようやな」


「ええ、ちょっとやる気が出てきました」


同じ職業の相手と戦うことは後々の自分の成長にもなる。


モラグの時は剣だけだったけど、今回は月影も含めて俺がどこまでやれるのかを試してみたい。



「ほなまぁ…やろうか」


「やりましょう」



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