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異世界への輪廻転生  作者: アークセーバー
二人の少女編
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第10話 決着&ギルド&発覚?



技術はモラグには到底及ばないであろうしパワーもあの体格には到底かなわない。


でも、とにかく一瞬でも。たとえ刹那でもモラグより速く剣を動かせば届く。


足が疲れるし息も上がる。かなりオーバーペースだから長くは持たない。けど



(攻撃を与え続けるんだ)



アマテラスの元で修行した1ヶ月に比べればまだ全然いける。



剣と剣がぶつかり合って金属音を立てる音だけが響く。




「モラグ、なんか楽しそうだね」


「久しぶりに戦えて楽しいんでしょう」


「そうなのかな?私にはその感覚わかんないや」


「誤解しないでください、私にだってわかりません」





「侑季、太刀筋が甘いんじゃないか?」


言われなくても分かってますよそんなこと。


対人戦は経験ないようなもんなんですからそこは勘弁してください。



「そろそろ疲れてきたか?動きも鈍くなってきてるぞ」


言われて欲しくない時に挑発してきやがって…



(落ち着け、冷静にならないと思うツボだ)


闇雲に攻撃しても通じないことは分かってる。


何か一個、一個相手の意表をつければ。



(どの攻撃も最小限で避けられる……最小限?)



待てよ、最小限なら…




「どうした侑季、降参か?」



「…まさか」


一か八かだ。


これで通じなきゃもう降参だ。



「はぁっ!」


全力でモラグに向かって斬り込む。


狙うのは、剣。



まずは右肩に向かって斬りかかる。



「甘いな」


当然避ける。



そう、左にわずかに肩をそらすだけの最小限の動きで。



(その一瞬、避けた一瞬だけ…剣への意識が弱くなる!)



「今だ!」


モラグの持っている剣の根元に思いっきり攻撃をくらわせる。


これで剣を吹き飛ばして…



「…今のは本気で驚いたぜ、一発食らったようなもんだな」



「っ!」



吹き飛ば、せない。



普通両手で持つ剣を片手で持ってる状態なはずなのに。



「それと、そろそろ限界だな」


モラグが力を込めると俺の剣がパキンと音を立てて折れる。



「な!?」


「あれだけ斬りかかってくればそりゃこの程度の剣じゃ持たねえよ」


折れた剣…じゃあ何もできないか。



「はぁ、降参です」


全力で動き回ったせいなのか負けたショックなのか、よくわかんないけどすげー疲れた。


一発は綺麗に入ったのか?全部子供を相手するかのように捻られたけど。




「いやー、侑季!楽しかったぜ。お前結構強いじゃねえかよ」



これだけ実力差見せられておいて..さすがにそれは。



「モラグさん…強いですね」


「モラグでいいよ堅苦しいな。どうせあいつら二人もそう呼んでるし、それよりお前我流か剣術は?」


「あーいや、我流っていうかなんというか」


「荒削りだが才能はある。どうだ?もう一回やらないか?」


「あーいや、それはさすがに遠慮したいというか」


こっちは息も絶え絶えで満身創痍なのに、向こうはピンピンしてるっていうのが心にくる。


「そうよあなた、あなたは楽しいかもしれないけどこの子のプライドも考えてあげなさい」


え、この人誰?ていうかいつからいた?



「いや侑季は強いぞ!そうだな、俺の14才くらいの時と同じくらいはある」


「…冗談でも本気でもそれは心にきます」



「もう、本当にあなたは..ごめんなさいね侑季君」


女性はモラグに少し渋い顔をした後俺の方に話しかけてきた。


少なくともこの女性にあったことはないはずだけど…俺の名前を知ってる。



「はじめまして、私は"オウカ=ガルマンド"。あなたのことは二人から聞いたわ。今日はうちの主人がごめんなさいね」


オウカという女性はそういいながら俺の身体に手をかざした。



「随分体を酷使したのね。少しじっとしててね。[ヒール]」


手の先から魔法が伝わってくる。あれだけ疲れていた体から疲労が消えていく。


「これは..回復魔法ですか。ありがとうございますオウカさん。助かりました」



「オウカ。俺にはかけてくれないのか?」



「あなたは侑季君で遊んだ罰。そのまま疲れてなさい」


そう言い放たれてモラグは言い返せず残念そうにしていた。


え、この二人の関係はいったいどういう関係?


さっきオウカがモラグのことを主人と言ったのが聞き間違いじゃなければ。



(いや、...いや〜これはなくね?たぶん)


オウカさんはショートボブの髪にスラリとしたモデルのような体型でその立ち振る舞いは女性らしさを兼ね備えたような気品溢れる女性。


一方のモラグはどうだろうか?鍛え上げられた筋肉。豪快な顔立ちに男らしい風貌。


この二人が並んでるのをみたらカップルとは…



「オウカさーん!久しぶりです!」


奥から試合を見守っていたミーシャがオウカの元へと駆け寄ってくる。


ミーシャ、抱きつくのはいいけどダイブは危ないと思うからやめてあげて。



「エリルもミーシャも、久しぶりね」


「ええ、お久しぶりです。お変わりなく元気なようで」


オウカはミーシャから手を離すとエリルに向けて両手を広げる。



「...いや、私はしませんよ?」


「あら残念」


エリルはさらりと流したなー。



「この方はギルドの経営から情報の管理、あとはギルドカードの発行などを手がけている方です。あと、ギルドマスターです」


ギルドマスターってそんなついでに言われるような言葉だったっけ?


いや前の話も確かにすごいけどさ。



「びっくりしたのよ?私が買い物から帰ってきたら地下が空いてて、来てみたら主人が戦ってるんだから」


「その件も含めて私からお話しします」




__________________



「ふーん、なるほどね。つまり君たちは私たちから白の称号を頂いちゃおうってわけね」


「簡単に言えばそういうことです」


エリルの話の中で俺も分かったことだが、ギルドに入るためには定期に行われる入隊試験に合格するのが正攻法らしい。


ギルドに入るとまずはランク分けをされ、新人は10というランクを位置づけされる。


ランクは1-10までありギルドに貢献したりすることで上げていく。


また、それとは別にギルドマスターにはそれぞれに"色"の称号というものがあるらしく


ギルドを管理、運営しているギルドマスター達が持っているもので、ギルドマスターから認められたものはその色の称号を持つことができるらしい。


そして、エリル達の話に出た白の称号とは特殊なもので、ギルドマスター達が独自に目をつけた人間に送られる称号である。


全てのギルドマスターが共通して与えることのできる称号で、正式に認められるわけではないがお目掛けをしてもらえてるという証らしい。


スポーツでいうユースの強化選手みたいなものかな要は?


そしてこの白の称号はエリルがいうには、持つことでギルドにランク10で入ったことになれるらしいのだ。



「いや、ていうかそういう話ならオウカさんからもらうとかいう方法は?」


「残念ながら、私は主人の許可がないと渡せないわ」


「私としては侑季君の剣の実力を見ておきたかったですし、どちらにしろ戦うことになってたと思いますが」


いやそれだったらさすがに俺戦わないぞたぶん。



「エリルはモラグとも互角に戦えるもんね」


「観察が甘いですね。モラグは私との時は7割ほどしか力を出しませんよ」


十分すぎると思うんですが。


7割出させる女の子って化け物か何かかよ。


俺は..今回5割くらいしか多分出されてないかな。



「師匠に7割出させているとは随分と強くでたなぁエリル」


モラグは先ほどのエリルの発言に異議を唱えたいのか突っかかっていく。


なんというか、ひどく大人気ない行為のように思えてならない。



「現在の実力差から見るとそれくらいが妥当かと。剣だけならですが」


「いい度胸だな。それじゃここで本当かどうか試して」




「いい加減にしなさい。話が進まないでしょう」




エリルとモラグの間に流れた空気がオウカによって一瞬にして消えた。


妻には勝てないタイプなんだろうなたぶん。



「ミーシャは少し危ないけれど、エリルがいるならきっと大丈夫でしょうね。侑季君も魔法が使えればもっと頼れるとのことだし、私は特に称号を与えることは反対しないわ」


「俺もこいつは気に入った!強さも問題なさそうだしいいんじゃねえか?」



「ということは?OKってこと、だよね?」



「えぇ、3人とも良かったわね。目論見通りよ。ようこそギルドへ」


オウカがそういうとミーシャは手を上げて喜びエリルは肩の荷を下ろす。



「それじゃ侑季君を借りるわ。すぐに登録を済ませちゃいましょう」


オウカはそのまま俺の手を取る。


「じゃあ行きましょうか。[蜻蛉返り]」


「え、ちょま。うぉっ!」




______________________________





さっきまで地下の闘技場にいたはずなのに気づくと個室の部屋にいる。


今のは転移魔法だったのか。オウカさんがやったってことだよな。



「あら?転移魔法は初めてだったかしら」


「あーいえ、どちらかというと苦い経験が...」


思い出したくもない記憶が蘇ってくる。


あの苦々しい思い出とは違って偉くあっさりとついたけど。


「あら、じゃあ簡単に着いてびっくりしたでしょう」


「ええ、前のときはぐらぐらと揺れて気持ち悪くなって」


「転移魔法は慣れるまで時間がかかるものよ。もっとも今回のは転移魔法とはちょっと違うのだけど」


「ここは、どこですか?」


「そうね、この町の中心にあるギルドの一室。とでも言えばいいかしらね」


答えると自分のデスクから一枚の書類を出してくる。



「この紙は私が視ることで得た情報を記載してくれる。身体能力や魔法の適正、他にも色々、視たいものならおそらくなんでも」



「え、なんでもって…どうやって」



オウカが目に手をかざして隠す。隠された目が次に現れたときには、その目は綺麗なエメラルドグリーンをしていた。




「私の目はね、視た人の情報の中で私が知りたいものはなんでも知ることができちゃうの」



「そんなことができるんですか…」


「えぇ、もっとも。なんで見れるのかはわからないけどね。生まれた時からこうだったから」


「そうなんですか」


あまり人が知られたくないものも知ることができてしまうわけだし。


怖いような怖くないような。やっぱちょっと怖いな。



「人には知られたくないこともあるでしょうし普段は何も聞かないことにしてるけど」


ん、待てよ?なんでも知ることができる?




「私、あなたみたいな人には初めて会ったわ」



あれ?まずくないかこれ。



「侑季君、あなた…何者?」



どうも、アークセーバーです。

「異世界への輪廻転生」が累計PV数1000を突破しました!

人気小説にはまだまだ届きませんが見ていただけてる方々には感謝を申し上げます。

これからも頑張っていきますのでどうかこれからもよろしくおねがいします!

感想やレビューやブクマもぜひお待ちしております。

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