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永久凍土を溶かしたい  作者: sir♂
4/5

レッツゴー、ゲーセン

失踪から復活

「────それでは、本日からあなた達は高校生です!その自覚を持って行動してくださいね。特に鶯高校の生徒です、慎みある行動をお願いします」


担任の反田(たんだ)穂花ほのか教諭が言うとはーいとクラスの何人かが反応する。

俺はそれをだるそうにしながら見て関わりたくない奴リストに加えていく。

ここで豆知識。新環境においてすぐに適応できている奴は9割型そのクラスにおいての中心近くになる。ここ授業に出るぜ☆


「えー、それではまた明日も元気に登校してきてくださいね。それではLHRを終わります。気をつけて帰ってください」


穂花教諭がそう言うと皆がガタガタと立ち上がり次第に騒々しくなっていく。どうやら既にグループの骨が出来上がりつつあるみたいだ。

俺はぼっちだ(ニッコリ)。

さて、帰りますかね───っと。


「えと、それじゃあ……さようなら?」

「そうね、また明日ね」


何も言わないで帰るのはアレなので、少しだけ言葉をつまらせながら陰キャっぽく帰りの挨拶を述べる。すると、言葉少なではあるがしっかり返してくれた。なんてええ子なんや……ごめんなぁ、こんなめんどくさいやつが隣で……ほんまごめん。

少しだけ申し訳なく思いつつ、鞄を持って教室を出る。廊下に出た途端に後ろからクラスメイトが爆笑する声が聞こえた。



〔〕



スマートフォンを起動すると通知が来ていた。通知のところから通話アプリLinks(リンクス)を開くと、数少ない友人の(かなめ)健吾(けんご)の個人チャットに飛んだ。


「健吾は部活見学か……気が早いなあいつは」


部活見学に行くとの旨が送られてきており、先に帰っていいとの事。まったくもって元気なことだ。


「ゲーセン行くか……初日だけど……」


校門のところまで来ると、今朝方見た高級車が止まっていた。にしても、この車超光って見えるんだけど。なにこれカッコよすぎ。

運転席にはソプラノボイス執事さんがいた。お勤めご苦労様です。

頭を下げて通り過ぎると、微笑んでくれた。とても優しい笑みで少し、心が温まった。


ゲーセンに向かう足取りが軽くなったのは気のせいではないだろう。



〔〕



Gマップことゴキブリ(G)マップの推測よりも早く着いてしまった。

このアプリ、自分を指すアイコンがゴキブリで表現されるというスグレモノである。位置情報が更新される度に脚がカサカサ動くので非常に気持ちが悪い。まさに誰得だよ。


「音ゲーやりますかね」


音ゲーコーナーに移動して、早速100円を中二シンドロームに投入した。

曲選択をしながらポケットからヘアピンを出して、見やすくする。


「さあ、頑張りましょうか」


この後滅茶苦茶音ゲーした(5クレだけです)。

少し疲れたので自販機まで飲み物を買いに歩いて椅子に座って休むことにしたのだが格ゲーエリアに差し掛かった時、面白いものを見つけてしまった。


「マゾゲーやってる人いるのかよ」


格ゲーの中でマゾゲーと呼ばれるゲーム、パーフェクトビルドバトル。なんとこのゲームNPCが強すぎるのが売りだ。EASYですら初心者を嬲り殺しにするかのような強さでまさにマゾゲーである。しかしながら、ハイエンドプレイヤーからは人気も高く一定のユーザー数がある。対戦も可能で毎年世界大会が行われている。

ちなみに俺もやっている(アホみたいにお金を使ったのは内緒だぜ?)。

今プレイしているのは女の子だった。

どんな感じなのか見たくなり後ろを通りながら覗いてみると─────顎が外れそうになった。

丁度、最高難易度EXに勝ってしまっていた所だった。

まじかと思いつつガン見していると視線に気づいたのかプレイヤーが振り返った。


パチリと目が合う。


今度は目玉が飛び出そうだった。

そこでプレイしていたのは雹堂霞だった。

眼鏡をかけて髪をポニテにしているが間違いなくお隣の席の人でした。


また失踪するぜ(^_^)

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