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死んだまま生きる

更新遅くなりすみません。更新速度を上げれるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします。




「………!?」



–––やば…。


意識が覚醒したと同時に、辺りに強烈な血の匂いを感じて頭がクラクラする。



血の匂いなのに…何でこんなに良い匂いに感じるんだよ…。


…てか、口の周りなんか付いてないか。



手で触れると、粘度の高い液体が付着しているのか、ヌルヌルする。

手を確認してみると、深紅の液体で濡れていた。





これ……絶対に血液だよな。


てことは、女騎士は………。



周りを見ると、争った形跡を発見し、足元には首筋に、何かが噛み付いた跡があった。噛み跡からは、血液が滴っていて正直、美味しそうに見える。


……はっ。



血液が美味しそうとか、今の俺はどうかしてる。


……もしかしてだけど、これは俺がヤッたのか。……俺もとうとう犯罪に手を染めてしまったのか。


とりあえず、脈を確認しとくか。


万が一に生きてたら救急車呼ばなきゃならないからな。




倒れている女騎士に近付き、首筋へ手を当て、脈を測る。心臓の鼓動はとても弱く、今にも止まってしまいそうな程だ。




「……グガァァァァ!!!」


「ひぃぃぃ!?」


女騎士が獣のように咆哮をあげるから、ビビって女みたいな声を出してしまった。


……後少しでマーキングする所だったが。



てか、こいつ次はゾンビの真似か?



女騎士の目は虚ろで、口からは長い犬歯が現れている。物語などでよく見る吸血鬼(ヴァンパイア)のようだ。


暫くの間、女騎士は奇声をあげたり、ゾンビの真似をしていたが、急に大人しくなると、いつの間にか赤く濁った瞳をこちらへ向け進んでくる。


女騎士の歩みは、しっかりしたもので、意識を失う前の傷だらけの様子とは乖離が見られる。




おいおい、死にかけなのに動けるとか、ドラゴ○ボールのご都合主義主人公かよっ!!


てか、女騎士が本当に怖いんだが。



秀才は、心の中でツッコミを入れながら、少しずつ後退りしているが、距離は着実に縮まっている。


……虚ろな瞳で此方を見つめてくるとか、軽くホラーだよ!!



「…あ、ァァあ…。」


それに、この声もすっごい怖いから止めてほしい。

……今日の夜は1人で寝れんな。




女騎士は少しずつ距離を詰めてきて、1メートル手前ほどで止まると、秀才の前へ跪いた。その姿勢は、まるで絶対なる主人の前に跪いているようにも見える。



「あ、なだざまの…忠実な…僕。……アヴァロン王国、聖騎士のリースと…申します。」


リースと名乗る女騎士は、俺の僕とか、また訳の分からん事を言ってるが……。


「…てか、リースはさっきまで死にかけてたのに、なぜ動けるんだ?」


「それは、主が私を眷属化の能力を行使して、眷属にしたからです。吸血鬼(ヴァンパイア)は、基本的に不死の存在ですから下位吸血鬼(レッサーヴァンパイア)の眷属といえども、並大抵に死ぬ事はありません。」


最初は掠れてきれいに出てなかった声も、少し前までの様に普通に出せる様になっている。


また、先程までは親の仇の如く睨みつけられたが、今は敬愛する主人に優しく接する様に説明してくれている。



「…さっきから吸血鬼(ヴァンパイア)ばっかりしか聞かないが、それって設定じゃないのか?」


「…設定、が何かは分かりかねますが、そこまで気になるのでしたら自らの心臓の鼓動を感じてみて下さい。吸血鬼(ヴァンパイア)は、心臓の鼓動は止まっているので、直ぐに分かるかと思います。」




ヘェ〜、そうなんだ。

吸血鬼(ヴァンパイア)って心臓止まってるんだ〜。





………え。


俺って心臓止まってんの? 死んだまま生きてるって……俺はアンデットなのか!? 吸血鬼なのか!?




………いや、焦るのはまだ早い。



結論を出すのは鼓動を確かめてから–––––





–––––––………うん、心臓止まってた。






「うぉぉぉぉぉぉ!!! 何がどうなってんだぁぁぁぁぁぁ!!」



闇夜を照らす月に届くほどの絶叫が、森の中に木霊していた。



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