番外編4
「ご主人様、教えてほしいの」
ひーちゃんが、いつにも増して真剣な顔で話しかけてきた。
こんな顔をするなんて珍しいな。
「どした?」
「ご主人様は、おっぱいは、大きいのが好きなの?」
「ぶふっ」
唐突な話題に思わず吹き出しちまった。
何をいきなり……。
ゾワワ、と殺気のようなものを感じて周囲を見回すと、リーファがじぃぃぃぃっと俺のことを見つめていた。
「…………」
もしかすると、俺は試されているのか?
「どっちなの?」
ひーちゃんが回答を急かす。
もしや?
「ひーちゃん、ちょっといいか」
俺は口をひーちゃんの耳元に寄せた。
「リーファに何か言われた?」
「? すべて、ボクの意思なの」
んー。違うのか?
リーファがひーちゃんを使って調査をさせているんだと思ったんだけど。
「……もし、もしだぞ。もし、おれが大きいほうが好きって言ったら――」
ちらり、とリーファのほうを見ると、体から溢れんばかりのどす黒いオーラのようなものを噴出させていた。
怖っ。あれが闇落ちってやつか!?
「ボク、頑張って大きくするの!」
目を無邪気に輝かせながら、まだ何もない胸のあたりをペタペタとひーちゃんは触る。
「ひーちゃんは伸びしろ十分だもんなぁ」
よしよし、とおれはひーちゃんの頭を撫でる。
リーファがいないと思ったら、戻ってきた。
「おほん」
わざとらしい咳払いが聞こえる。リーファからだ。
「ひーちゃん、ジンタは忙しいの。お話はまたにしてちょうだい」
「そうなの?」
「いや、そんなことないよ」
「あるのっ」
納得いかなさそうなひーちゃんが去っていくと、代わりにリーファがやってきた。
「何か変わったところがあると思わない?」
腰をくねらせ、リーファがポージングをする。
「変わったところ?」
じっと見つめてみるけど、これといって変わったことは……。
「私だって、成長するんだから」
ドヤ顔を覗かせて、セクシーに目を細めてみせるリーファ。
成長?
どこが……。あ。
「胸が、なんか、ち、違う!?」
「ようやく気づいたのね」
「おま……いつの間にそんなことに……!」
貧乳が、微乳くらいに成長しとる!
おれが全然気づかなかっただけで、少しずつ少しずつ大きくなっていったのか。
おれが感心していると、クイナが顔を覗かせた。
「ジンタ様~。さっきリーファさんが死ぬほどパットを胸に入れて」
ばっと胸を隠したリーファが、クイナのところへ行き口を塞いだ。
「成長したのよ! 人聞きの悪いこと言わないでっ」
「もがもがもが~!?」
微乳は偽乳だったらしい。
微乳は一日にして成らずってことらしい。
ひーちゃんにもあとでこの格言を教えておこう。
新作をはじめました!
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