転生する変態女子高生
かつて邪悪な男がいた。その邪悪な男は勇者によって滅ぼされたが、今、邪悪な意思を継ぐ者が現れた。この物語は、宿命に挑んだ者と、宿命を打破しようとした三人の女子高生の闘いの物語である。
現代の日本、ある女子高生がいた。成績優秀、スポーツ万能。おまけに美少女であったため、学校ではアイドルのような扱いを受けていた。しかし、世の中に完璧な人間など存在しない。彼女にはある重大な欠陥があったのだ。
「ああ、もう少し・・・・」
その少女は教室に向かうために階段を上っていた。後ろにはボサボサの髪をした男子生徒が一人、後ろを歩いていた。
「はあ・・・・はあ・・・・」
荒くなる呼吸、彼女は階段を異様に短いスカート丈のまま上っていた。もちろん故意である。これこそが彼女の抱えている最大の欠陥、彼女はいわゆる変態だった。世間一般では露出趣味と呼ばれるソレは、彼女にとってのアイデンティティーであり、今日も異様に短いスカートに、下はノーパンという、露出狂スタイルで学校に来ていた。
(やば、見えちゃうかも。でもでも、もし見えたらどう思われちゃうかな。軽蔑されるかな。それとも痴女だって思われて、そのまま襲われちゃったりして・・・・)
少女の顔がポッと赤くなる。その瞬間、彼女の五体に痺れるような強い快感が生じた。
「ああん」
彼女の快感は突然に終わりを告げた。フワッと体が宙を舞った。何と彼女は階段を一段踏み外し、そのままコンクリートの床に後頭部をぶつけてしまった。
享年17歳。人生これからという時に、あまりにも残酷な結末を迎えてしまった。しかし、天は彼女を見捨ててはいなかった。
強い日差しが瞼に差し込んで、彼女は眼を覚ました。
「ここは?」
目覚めた場所は森の中らしく、生い茂る木々のせいで、昼間だというのに薄暗かった。
「凄い、私生きてる」
少女は自分の手足が付いていることを確認し、ポケットから手鏡を出し、自分の姿を映して見た。
「私だ」
鏡には茶髪のロングヘヤーの美少女が映っている。彼女の髪の色は黒一色だったはずだが、どういうわけか、茶色に変色していた。また容貌に変化は無かったが、胸や尻が少しだけ大きくなっている気がした。
「あ、ヤバ」
彼女はスカートの尻の部分を手で触れて、思わず青ざめてしまった。
「私、ノーパンだわ」
唖然とする彼女の前に、突然大きな人影が姿を現した。
「へ・・・・?」
座っているせいもあってか、その人影は予想以上に大きく見えた。身長は190センチ前後の男性で、巨大に見えるのは当たり前だと言える。
「おい、ここで何してる。新入生か?」
「はい?」
人影が少女の元にゆっくりと近付いて来た。そして日差しのせいで良く見えなかった顔が、少しずつ露わになっていった。
人影の男性は、年齢的に30代程度に見え、見るからに硬派で冷徹な雰囲気を醸し出していたが、同時に男性特有のワイルドさと静かな知性を持ち合わせているように見えた。瞳は刃のように鋭く、じっと少女を見つめている。こんな眼で見つめられたら、きっとレズビアンでもストレートになってしまうだろうと、彼女は勝手に納得した。
「ほら、来いよ。案内してやるから」
「は、はひ・・・・」
少女はフラフラと立ち上がると、その男性の後ろに付いて行った。今自分の置かれている状況も分からないまま、ひたすらに歩いていた。
「ところで、お前名前は?」
「ええと、朱莉です。周防朱莉」
「何?」
男性は突然クルリと朱莉の方を振り返った。とても真剣な、それでいて恐ろしい表情をしている。何かマズイ事でも言っただろうか。朱莉はすっかりと萎縮してしまった。