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主をなくしたディオダディ古城

 一ヶ月半ぶりにエルメルの町に帰ってきた。

 五十日足らずだというのにずいぶんと久しぶりに思える。


 家の前にただよう懐かしい匂い。

 ジャガイモのスープだな。

 私の大好物だ。


 ノックするか迷ったままの丸めた手でドアを押して敷居をまたぐ。


「ただいま……」


 声を出すとテーブルに座る人物がこちらを見返してくる。


「まあ……まあまあ、メルちゃん! おかえりなさい」

「おお! よく帰って来た! おかえり。メル」


 母と父が顔をほころばせ出迎えてくれる。


「お帰りなさいメルさん! ほら、いつまでもそんなところに立ってないで座って座って!」


 金髪のエルフも満面の笑みで迎えてくれる。


 おい待てよ。

 なんでお前がいる。


 テーブルには父と母の他にもう一人。

 ゼバルダで別れた引きこもり系魔法使い――アイラがいた。

 彼女は我が物顔でスープをすすっている。


『わぁ、アイラたんだ~。おにいたんと再会のちゅっちゅしようよぅ』


 久々の帰省は波乱の幕開けとなった。




 部屋には私とアイラ、おまけにシュウが集う。

 椅子に私。ベッドにアイラ。床にシュウがそれぞれ位置する。


「どうしてここにいるのか。それを一から説明しなければなりませんね」


 引きこもってばかりいたから、また追い出されたんだろ。


「それだけではありません」


 なんともはや。

 それだけではない、と。

 お前はいったい何をやらかしたんだ。


「何もしなかったんです」


 ……もう、帰ってもらっていいか。


「そう言わないで聞いてください。あれは、メルさんを見送って五分後のことです――」


 彼女はことの顛末を本当に一から話し始めた。

 もちろん私は長話が嫌いなので華麗に聞き流す。

 あとでシュウがまとめてくれたものを聞こう。


『つまり、里の長老をしてるお爺ちゃんに超上級ダンジョンをクリアしてくるよう頼まれたんだね』


 そういうことらしい。

 どうしてこのエルフは一言で終わることを長々と話すのだ。

 百年も生きていると時間に対する感覚が緩くなっているのだろうか。


 うん……?

 長老がお爺ちゃん?


『メル姐さん。ちゃんと話を聞こうよ。前にも話してたじゃない。アイラたんはエルフの里の跡継ぎ。穀潰しのぼんぼんだよ』


 そんな話は聞いた記憶がないぞ。


『ゼバルダ大木で、家を追い出された経緯を話してたときに言ってたよ。メル姐さんは俺を踏んでた気がする』


 じゃあ、お前を踏んでたんだろう。

 話を聞ける訳がない。


「なんという理屈。とにかくですね。南にある超上級ダンジョン――ディオダディ古城のボスを倒してきてくれと頼まれました。長老のお願いは、里では至上命令です。私一人では絶対無理なので、こうやってメルさんのご自宅に伺い帰ってくるのを待っていたんです」


 アイラがエルメルの町に来たのはちょうど二日前らしい。

 私が帰らなかったらどうするつもりだったんだろう。


 まあいい。

 ディオダディ城には私も行く予定だった。

 アイラならついてこられても問題ない。

 チートを使えば、たいへん優秀な魔法使いだ。


 しかし疑問がある。

 果たしてアイラは超上級の入場許可を持っているのか。

 私は上級を三つクリアして、入場許可証を手に入れている。

 彼女はゼバルダ大木で、私と一緒に二つまで手に入れていることは確実だ。

 だが、あと一つはどうなんだ。


「問題ありません。超上級の入場許可証はすでに手に入れています。エルフの里の近くにも上級ダンジョン――セルメイ大聖林がありますからね」


 なんとそうだったのか。

 エルフの里は人間の立ち入り禁制だからな。

 ダンジョンがあるなんて初めて知った。


『ねぇ、アイラたん。上級ダンジョンはあるんだろうけどさ。クリアしてないでしょ』


 シュウの言葉にアイラが苦笑する。


 どういうことだ。

 お前らはどうにも私の上を飛び越えて会話をする。

 もう少し私にも理解できるように話をしてくれ。


『チートなしのアイラたんが上級ダンジョンをクリアできるとは思えない。それくらいは頭の残念なメル姐さんでも思うでしょ』


 そうだな。

 私もそう思った。

 でも、パーティーを組めばなんとかなるんじゃないか。


『そうね。なんとかなるって言えるなら、わざわざクリアする意味もない。エルフの里は人間の立ち入りが御法度。ってことはギルド職員もエルフでしょ。そして、長老の言葉は絶対。それならさ――』

「エルフの里に不正はありません」


 十分すぎるほどよくわかった。

 なんにせよ。超上級に入れるなら何も問題ない。




 次の日。

 アイラは南に向けて旅立った。

 専用の馬車で移動しているらしい。

 良いご身分だ。


『俺はぼっちとヒッキーの神髄を味わったよ。出発地点に二人とも居て、目的地も同じ。それなのに現地集合ってどういうことなの……。一緒に行けばいいじゃん。馬車に乗せてくれるって言ってくれてたんだからさ』


 私は走った方が速いし早いと主張したものの、アイラが動くのを嫌がった。

 そのためお互いが自身の利益を追求し現地集合で落ち着いた。


『「自身の利益を追求」とかカッコよく言っちゃってるけどさ。協調性がないってだけでしょ』


 うるさいなぁ。

 誰も不幸になってないんだからいいだろ。

 それに私はやりたいことがあったからちょうどいい。


 現在、私はエルメルの町付近にある中級ダンジョン――シルマ神殿にいる。

 一ヶ月半前に挑戦したときは、苦くもクリアした。

 ボスのミノタウロスにはとてもじゃないが勝ったとは言えない。

 そのため、戻ってきたときは今度こそ真っ向から叩きつぶすと決めていた。


 あのときとは私の能力プラスもシュウの吸収力も比べものにならないほど上がっている。

 耐性も毒・麻痺・恐怖・盲目・サイレント・催眠と六つに増えているし。

 付与も毒・麻痺・恐怖・鈍化と四つになった。

 盲目・サイレント・催眠は耐性にしかないが、鈍化は付与にしかないらしい。

 モンスターからの鈍化攻撃は蜘蛛の巣など、直接しかけるもののため耐性が存在しないのではないかとシュウは話していた。


 耐性と付与に加えて特殊スキルを三つ選択している。

 そう言えば、魔法の散乱と状態異常の伝染はここで選択したんだったな。

 もう一つの特殊スキルは名前こそ気に入らないが、効果は恐ろしいほどに強力だ。


 右手にはクロスボウも装備して射手用のスキルも選択している。

 ちなみに憧れていた魔法も選択してみたものの、詠唱が覚えられないことと私の魔力容量が小さすぎることを理由に選択解除されてしまった。



 シルマ神殿を歩いているが、なぜだか攻撃されない。

 教徒の幻影が魔法をときどき撃ってくるくらいだ。

 リビングデッドは出会い頭に逃げていくし、苦戦した犬どもはそもそも近づいてこない。


『やっぱり臭いが原因なのかなぁ』


 ……なぜだろうか。

 心理的ダメージが前回よりも大きいぞ。


 そんなこんなで、あっさりとボスまでたどり着いた。


 前回と同じ演出。

 その後、半人半牛の怪物が巨大な斧を手に襲いかかってくる。

 横薙ぎに振るわれた斧も前回より遙かに遅く見える。

 能力プラスによる動体視力上昇と相手の能力半減により、もはや当たるほうが難しい。

 間合いを詰めて一太刀。

 状態異常が入ったのかミノタウロスが片膝をつく。

 容赦なく、さらに斬撃を加える。


『おめぇのターンねぇからぁ!』


 シュウの言うとおり一方的だ。

 前回は倒す直前に油断したが、今回は一切の油断はしない。

 万全を期し、容赦なく、全身全霊を持って対峙する。


 そして、ミノタウロスは渾身の一突きにより光に消えた。


『びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛ぃ゛。勝利の味だぁ゛ぁ』


 ミノタウロスは格下のボス。

 実際はさほどおいしくないだろう。

 それでもシュウは「おいしい」と言ってくれた。

 あと今のさ。どうやって発音してるの。

 同じ声が出せるような気がまるでしないんだけど。


『プロのみが出せる熟練の声ってやつだよ。トーシローじゃ無理無駄無謀』


 さよですか。


 前回は拾うのが躊躇われたドロップアイテムも今日は堂々と手に取る。

 ――ミノタウロスの健康的なハラミ。


『バンバンバンバン、ヴァン○ンカン! ウェイ!』


 今夜は、焼き肉だ!




 翌々日になって私もエルメルの街を発った。

 途中でアイラに合流し、一緒に歌を口ずさみつつレマンの町に到着。

 さらに馬車を町に置いて徒歩で二日かけてディオダディ古城入りした。


 超上級ダンジョン――ディオダディ古城。

 冒険者からは「帰れずの迷宮城」と呼ばれている。

 ダンジョンとしては数百年近くの歴史がある由緒正しいものだ。

 名前こそラビリンス型ダンジョンではあるものの、実のところはフィールド型ダンジョンである。

 ぶ厚い雲に覆われたその地域は鬱蒼とした森が広がる。

 この森もダンジョンに含まれており、内外の明確な境界が存在しない。

 モンスターやボスが外に出てきているのも確認されている。

 つい一週間ほど前にもレマンの町から家畜が消えたらしい。


 暗き森の中にぽつりと建てられた城。

 それがディオダディ城。

 かつては名の有る領主が住んでいたようだが打ち捨てられ、人外のものが住み着いてしまった。


『やっぱりどこの世界にも吸血鬼っているんだね! わっふるわっふる!』


 そう、吸血鬼。

 あるいはヴァンパイア。

 夜の王と称される存在がディオダディ古城のボスに指定されている。

 吸血鬼の見た目が妙齢の麗しき女性と知り、馬鹿が興奮し始めた。


 ディオダディ古城はダンジョン指定されているが、正確にはダンジョンではない。

 ボス認定されている吸血鬼も実際のところボスではない。

 そもそも吸血鬼がモンスターですらない。

 人間やエルフ、ドワーフと同じで一つの種族らしい。

 人に多大な悪影響を与えるため、モンスター扱いされてしまったそうだ。

 あまりの強さも相まって半モンスター化してしまった。

 そのせいなのかはわからないが吸血鬼を倒すとアイテムを落とす。


 なんにせよだ。

 アイテムを持って帰れば超上級のクリアの証がもらえる。

 超上級クリアの証を二つ集めると極限ダンジョン――神々の天蓋へ入ることができる。

 さっさと倒してしまおう。


 出てくるモンスターは吸血鬼の眷属とかいうものだ。

 吸血鬼が血を吸った獣は吸血鬼自らの手足として使えるらしい。

 さらにその手足になった眷属が他の眷属を作り出していき、どんどん増えていく。

 アイラがそう話していた。


 コウモリ、鳥、犬、猫といった動物に始まり。

 スケルトンやアンデッドといった不死属も出てきている。

 一体一体の動きも吸血鬼の力を得てただの雑魚ではない。

 これらのモンスターが群れとなって波状攻撃を仕掛けてくる。

 前衛が私たちの足を止め、後衛が魔法を撃つ。やっかいだ。


 アイラの魔法は効果が薄い。

 光魔法は有効だが、それ以外で仕留めると敵が消えずに復活するというおまけ付きだ。

 シュウの攻撃は相変わらず効果がある。

 伝染により状態異常が移るため、魔法に気をつけておけばいい。

 右腕に取り付けたクロスボウも数が多くてはあまり意味をなさない。

 シュウもクロスボウは使わないほうがいいと言う。

 せっかくの「方向転換」と「必殺」の組み合わせも、使わなければ持ち腐れだ。


 やっかいなのはモンスターにとどまらない。

 罠も今までのダンジョンとは桁違いに多い。

 さらに道も複雑になっている。

 城内に入ってからは部屋に閉じ込められ、モンスターに囲まれることもあった。

 トラップはシュウが事前に気づいて回避できている。


『ねえ、メル姐さん。気づい……てるわけないか。アイラたんは気づいた?』

「何にです?」


 城内をうろつき、上に上にと進んでいるとシュウがおもむろに話を始めた。


『このダンジョン。ちょっと変わってないかな』

「私はゼバルダくらいしか潜ったことがありませんからね。あそこと比べると敵や罠の配置が嫌らしいです」


 それは私も感じた。

 今までのどのダンジョンよりも進みづらい。


『イヤらしい! うーむ、甘美な響きだ。もっかい。アイラたん。もう一回だけ言ってもらって良いかなぁ』

「やぁん、シュウさんったらぁ。イヤらしぃですぅ~」

『ブヒいぃぃぃィィィィイイ!』


 いい加減にしろよ。

 シュウを本気で蹴りつけてから、アイラの頭を叩く。

 こいつらはもうちょっとまともな会話ができないのか。


 それで何が変わってるんだ?


『……話はアイラたんが起きてからかな。ひとまず支えてあげて』


 うん?

 斜め後ろに立っていたアイラをなにげなく向くと、ふらっと倒れかかってきた。

 慌てて受け止める。


 なんだっ!

 モンスターの攻撃か!


『いや、メル姐さんのツッコミで気を失ったんだ。脳震盪だろうね。もっと優しく、花を愛でるように注意深く小突かないと死んじゃうよ。人間なら死んでたかも』


 なんと……。

 かなり弱く叩いたつもりだったが、そんなに強くなっていたのか。

 いやはや。エルフが丈夫でよかった。

 とりあえず、起きるまで待つか。




 アイラが眠っている間、モンスターどもがここぞとばかりに襲いかかってきた。

 片腕でアイラを抱えているため戦いづらい。

 狭い通路だったため敵の攻撃も狭まり助かっている。

 近距離は特殊スキルがあるため問題ないが、遠距離からの魔法がやっかいだ。

 どうにかならないのか!


『なるよ! 新しい特殊スキルを選択したから。どんどん敵に突っ込んじゃって』


 おお!

 ついに特殊スキルが来たか!


 シュウの言葉を信じて敵の一団に突き進む。

 具体的な効果はやっぱりわからない。

 しかし、スキルが発動していることはわかった。


 前衛を蹴散らして、後衛のアンデッドに近寄る。

 私が近づいたのにもかかわらず、なにやらぶつぶつと詠唱を続けている。

 これまでも詠唱中の敵に近寄ったことはあったが、その場合の敵は詠唱を止めて逃げるか戦うかをしていた。

 目の前のアンデッドは私が近づいてもなお詠唱を続けている。


『詠唱が終わる前に斬っちゃって』


 シュウの言葉で我に返り、トドメを刺していく。

 やられる瞬間まで、アンデッドは詠唱を止めなかった。


 さて、これは一体どういうスキルなんだ。


『相手の詠唱時間を四倍に延長。加えて詠唱中断を禁止。さらに発動魔法の効果を弱化。つまり、魔法を使う敵に対してめちゃくちゃ有利になれる』


 相変わらず素晴らしい効果だな。

 これで魔法への脅威が減ったわけだ。


 それで、スキル名は?


『……詠唱妨害』


 嘘、だな。

 シュウは物事をズバッと言う。

 そのクソ野郎がわずかにためらった。

 スキル名は「詠唱妨害」ではないはずだ。


 それで、本当のスキル名は?


『メル姐さん。大切なのは名前じゃない。効果だよ。だから――』


 もう一度しか聞かないぞ。

 スキル名はなんだ?


『……音痴ステージⅡだそうです』


 ほう、そうか。

 私は音痴ですか。

 ステージツーというのはどういう意味だ?


『音痴の度合いだろうね。俺の認識だと、ステージⅠはちょっと下手で楽しさのあるもの。本人も音痴だと気づいてる。ステージⅡは本人に自覚なし。ド下手。ノイズィー。やかましい』


 そうかそうか。

 私の歌はうるさいですか。

 ごめんね。道中で一緒に歌ったりして。


『お、落ち着いてメル姐さん。ステージⅡはまだいいよ。上にはステージⅢってのがあるんだ。歌うと周囲の人間が倒れるレベル。ウェポン――えっと、兵器って呼ばれるやつだね』


 それさ。

 ひょっとして励ましてるの?


『いやね。俺はメル姐さんの歌好きだよ。ほら、道中でアイラたんとも一緒に歌ったじゃない。きっとアイラたんも楽しかったはずだよ』


 私の歌が好き?

 うるさい歌が好きなのか。


『どんな歌だって大声で歌えばうるさくなるよ。それに歌は魂でしょ。うまい下手なんて後付けの飾りです。神様にはそれがわからんのですよ。うまいだけで楽しさのない歌にいったい何の価値がありましょう』


 歌はうまい下手ではない、か。

 魂ねぇ。


『……そう。そうだよ。それに俺を転生させたロックな神様も歌ってたけどさ。あいつの歌もなかなかだったよ!』


 神も歌うのか。

 やっぱりうまいものなのか。


『いやいや。なんだか叫んでるだけで、なぁんにも伝わってこないんだよね! 本人はノリノリみたいなんだけどさ。メル姐さんよりもひどい。近くにいるのが苦痛なレベル!』


 神でも下手なのか。

 それなら私の歌はいいほうかもしれないな。


『姐さんの歌は一緒にいて楽しいよ! 姐さんがステージⅡなら、あの音痴な神様の歌はステージⅢなんじゃないかなぁ~! それとも神の歌だから人間には理解できなかったのかなぁ!』


 シュウはやたら大きな声で喋っている。

 まるで誰かに聞かせているようだ。


『メル姐さんのは楽しい歌だと思うけど、これを音痴としちゃってもいいのかなぁ! そうしたら神様はいったい何になっちゃうんだろう! 熱いハートを叩きつけるのが歌だと思うんだけどなぁ! っと…………お、おおぉ! すげぇ! でっすよねぇ!』


 叫びだしたと思ったら、今度は感嘆の声をあげ始めた。


 お前。

 ほんとにちょっと大丈夫か。

 さっき強く蹴りすぎたのが今ごろになって頭にきちゃったのか。


『メル姐さん。さっきのスキルは間違いだったみたいだ』


 ……どういうことだ。


『いやぁ~、不幸な手違いがあったんだよ。神様が名前と効果を間違えてたっぽい。修正されたスキル名は「歌は魂のシャウト!」。シャウトってのは叫びね。それで、効果はさっき説明した「相手の詠唱延長・詠唱中断禁止・魔法効果の弱化」に加えて、「魔法効果倍増と魂発散」がついちゃった。メル姐さんの歌を聴っけぇぇえ!』


 どこから突っ込むべきだ。

 ……あまりいろいろと言わない方がいいか。

 取り消されてもいやだし。


 とりあえず魂発散ってなんだ。

 想像できないんだが。


『吸収力増加とのけぞり付与だってさ。攻撃した周囲の敵ものけぞるらしいよ。ゾクゾク美ィ!』


 よくわからないけど、強くなったらしい。

 ロック(?)な神様ありがとう!




 アイラを片腕に抱えて進む。

 意匠をこらした大きな扉。ボス部屋だろうな。

 水を飲んで休憩していると、ようやくアイラは目を覚ました。


「なんだか頭が痛いです」

『すぐよくなるさ。それまでいい子にしてお話でもしよう』


 すでにボス部屋の前なんだが、このダンジョンはいったい何が変なんだ?


『進みづらかったのはメル姐さんも感じたよね』


 ああ。

 アイラも言ったように嫌な位置に罠や敵が配置してあったな。


『そうだね。でも、殺気はなかったよ。生きてここに誘導するよう仕掛けてあった。それになんだか俺たちの反応を見て遊んでるようだったね。あと、ずっと見られてた。コウモリかなにかを使ってるのかな。ここに来てからは視線がなくなったね』


 誘導されていたのか。

 どうしてそんなことをする。

 それにここに来て視線を感じないというのはどういうことだ。


『二つ目の問いに対する答は、この扉の先に見ていた張本人がいるから。一つ目の問いは、なんだろうね……一緒に遊んで欲しかったのかな。まぁ、本人に聞いてみればいいんじゃない』

「そうですね。それじゃあボス戦の作戦会議といきましょう」


 そうだな。

 なんにせよ、ボスを倒せばそれでいいのだ。

 小難しいことはあとで考えよう。




 作戦がまとまったところで扉を押す。


 ボス部屋は奥に長細いようだ。

 赤絨毯が扉から奥へと伸びている。

 絨毯を挟むように燭台が列をなし、手前から徐々に火が灯っていき部屋を照らす。


 部屋の奥には大きな椅子があった。

 そして椅子にかける人影が一つ。

 顔は薄暗くてよく見えない。


【ようこそ、妾の城へ。ここまでたどり着いた客人は数年ぶりじゃ。歓迎しよう】


 若々しい女性の声だ。

 どうやってるのかは知らないが、シュウと同じように頭に直接響いてくる。

 その人影に右腕を向ける。


『もうちょい右。もう少し上だね。もうちょい……はい、ストップ。発射』


 シュウの声で腕の位置を調整し、クロスボウから矢を射出。

 ディオダディ古城に着いてから、このクロスボウを使うのは初めてだ。

 方向転換で矢は当たってくれるが、できるだけスキルを使わずに当てたいのでシュウが位置を調整してくれている。


 放たれた矢は、きれいな弧を描いて椅子に座った人影の眉間へと突き刺さる。

 スコン、といい音がした。


【ふふ、吸血鬼たる妾がこのような矢で……ほえっ! あれえっ!】


 矢が刺さってもおしゃべりを続けていたが、驚愕の声とともに吸血鬼は光に消えていった。

 眉間に刺さった矢が床に落ちる。

 絨毯が敷かれているため音はしない。

 椅子の上にはドロップアイテムの光だけがきらりと残った。


 勝った……。


「倒しちゃいましたね」

『まさに一進一退の攻防だったねぇ』


 吸血鬼は正確にはボスじゃない。

 ボス属性は備わっていないという推測は見事に的中した。

 その結果、「必殺」により一撃死。


 吸血鬼戦は私たちの無血勝利で終わった。




 さて。思い出して頂きたい。

 冒険者がこのダンジョンをなんと呼ぶか。


 ――帰れずの迷宮城だ。


 どうしてここがこの名で呼ばれているか。

 モンスターや罠が多いからではない。

 ボスが単に強いからでもない。


 吸血鬼の復活速度が尋常でないことに起因している。

 倒された吸血鬼が何度でも復活し、冒険者が日の当たるところに出るまで追ってくる。

 さらにこの城のトラップは帰り道がよりつらくなるように仕掛けられているらしい。


 そう。

 このディオダディ古城はボスを倒してからが本番なのだ。


 ドロップアイテムを拾ってボス部屋を出ようとすると、後ろから物音が聞こえた。


【ふっ、ふふ。妾が一撃で倒されたのは、いったい何十年ぶりじゃったかな】


 振り返るとすでにそこには人影が現れていた。

 燭台の火も全て灯り、はっきりとその姿が露わになっている。


 背は高くない。

 アイラよりもなお低い。

 見た目だけなら十歳くらいに思える。

 髪は踵につくほど伸びており、真っ白だ。

 口元から見せる異様に尖った歯だけが容姿から浮き、似つかない。


【うぬらの血で妾の髪を赤く染めさせてもらおうか】


 吸血鬼は堂々とこちらへ歩み寄る。


『はぁ、ロリガキ……しかもペチャパイ。確かに妙齢で麗しくはある。でも、まったくもってそそられん。メル姐さん。もう撃っちゃってよ』


 なんだかシュウは落ち込んでいる。


 吸血鬼が復活することは知っていたので、すでにクロスボウに矢を用意している。

 矢は腕から放たれ、小気味よい風切り音を立て吸血鬼に向かう。


【遅いわっ!】


 吸血鬼は長い髪をたなびかせ矢を優雅に避ける、が――、


【なっ! がぁっ! ば、馬鹿な!】


 スキル「方向転換」で反転するように曲がった矢を背中に食らった。

 そして、またもや光に消えていく。

 ドロップアイテムは出てこない。

 一度しか落とさないようだ

 せこいな……。



 ボス部屋から出て、シュウの指示で罠を回避しながら進む。

 城の入り口まで戻った。

 広いフロントの正面扉の前。

 小さな少女が大きな扉の前に鎮座している。


【なんじゃ。なんなんじゃうぬらは。妾を一撃で倒し、罠にもまるでかからん。そんなもの、ここ百年はおらんかったぞ!】


 なんだか顔をほころばせ楽しそうに話している。

 とりあえずクロスボウを向けて発射。


【ふん!】


 吸血鬼は矢をつかみへし折った。

 自身の体を確認し消えていかないことをぺたぺた触って確認している。

 確認が終わるとなにやら得意げな顔で私たちを見てくる。

 ちょっとかわいい。


【どうだっ! 見たかっ! これが――】

「消えてください!」


 アイラが詠唱一時停止で保留していた光魔法を発動させる。

 目の前に現れた一点の光源。

 そこから吸血鬼へと光が照射される。


【うわ、まぶしっ】


 私と同じ感想を残して、吸血鬼は扉とともに蒸発した。


 よかった。

 扉を開ける手間が省けた。



 帰り道の森。

 開けたところで大量のモンスターに囲まれた。


【や、やるのう! こ、ここ、こんなにあっさりと三度もやられたのは数百年ぶりじゃ!】


 吸血鬼の声に焦りが現れ始めた。

 しつこいなぁ。


【うぬらに敬意を表し、妾の最強闇魔法で消し去ってくれよう!】


 モンスターの外から声をかけているらしく、吸血鬼の姿は見えない。


〈しいぃんえぇんにあぁるぅうわぁれらぁがおぉうよぉ――〉


 なんだかとてもゆっくり詠唱している。


『さっき手に入れたスキルで詠唱時間が四倍だからね。詠唱は四分の一倍速で詠まれるんじゃないかな』


 詠唱の声に焦りがありありと出ている。

 詠唱中断禁止で無理矢理詠唱をさせられているようだ。

 なかなかひどいスキルだな。


 ひとまず私たちを囲んだモンスターをアイラの魔法とシュウで処理する。


〈こおぉんげえぇんたあぁるやぁみのすぅみくわぁに――〉


 雑魚を全て片付ける。

 私たちから離れたところに白髪の少女が立っていた。

 顔を引きつらせて私たちを見ている。

 それでも詠唱を続けている。

 否。続けさせられている。

 いま楽にしてやるからな。


 近づくのも面倒だったためクロスボウを撃った。


『エ゛ェェイ゛ィメン゛ッッ!』


 矢は一度だけ曲がり、吸血鬼の左胸をストッと射貫く。

 少女は光へと消える最期の瞬間まで詠唱を続けていた。



 ちょうど森を抜けたときだ。

 あとは歩いて帰るだけ。

 そんなことを思っていた。


【待てい……待つのじゃ。何なんじゃ。いったい何なんじゃ! うぬらは! このような屈辱。千年はなかったぞ!】


 声が聞こえた。

 しかも、お怒りのようだ。

 声は頭に響いてくるので確かとは言えないが、なんとなく背後だと思った。

 案の定、後ろから白髪の少女がこちらをじとりと見ていた。

 顔が最初よりも痩せている気がする。

 なんだかお疲れですね。


 クロスボウを撃とうと思ったが、矢がないことに気付いた。


「消え去れ!」


 アイラが光魔法を発動させるが、吸血鬼のほうが速い。

 背中に生えた翼で空を駆る。

 光源を大きく回り込むよう旋回し、光の照射を回避する。


【フハハ! 最後に立っていたものこそが勝、うぇ!? ぐぁげっぇぎょぶぇぉじょう゛ぁ――】


 空から近づいて来たところで特殊能力解除が発動。

 背中に生えた翼がなくなり、あえなく墜落。

 勢いのまま地面をみじめに五回転。


 私の横をごろごろと通り抜けて転がっていく。

 なにが起こったのかわかっていないのか、頭をふらふらさせている。


 ちなみに吸血鬼は私の目の前。

 倒れたままのうつぶせで背中に手を回している。

 先ほどまで生えていた黒っぽい翼を確認しているのだろう。


 そのままシュウで吸血鬼の手ごと背中を突き刺す。

 地面に串刺しだ。


『No、ロリータ。Yes、タッチ』

【ぐぎゃああ! 痛いィ! いたひぃよぉぉォォ! なんでェェ翼がァァ! 変身ができないぃのぉじゃぁぁ!】


 吸血鬼は泣き叫び、必死にもがいている。

 片手を封じられ、もう片方の手でシュウを抜こうと必死だ。

 串刺しにされても口が動くあたり、さすが吸血鬼と言ったところだろう。

 見ていて痛々しいので抜いてやりたいのはやまやまだが、残念ながらそれはできない。


『まあ、落ち着けよ。ロリババア。俺のぶっといのが刺さってるからって、泣きわめくんじゃない。いい年だろ』

【なんじゃ! なんなんじゃ、この声は!】

『俺、俺。お前のペチャパイを貫通してる卑猥な一物だよ。見えるかな? それが俺』


 吸血少女が顔を上げて私に確認を求めてくる。

 私はうなずき、いつの間にか隣に立っていたアイラも頷く。


【け、剣が喋ったぁぁぁーー!】


 なんだろうな。

 シュウに対して今までで一番常識的な反応を示したのが吸血鬼ってどうなんだ。

 普通はこれくらい驚くものじゃないのか。


 エルフはちょっと不安がってたのに、すぐ順応しておしゃべりを楽しむし。

 ドワーフは驚かず猥談に花を咲かせるし。

 ハーフなドワーフはちょっと驚いたものの、尊敬し始める。

 どいつもこいつも驚きが足りないと思っていた。


 これだよ。

 これなんだよ。私の欲しかった反応は。

 こいつが吸血鬼じゃなかったら、握手を求めているだろう。


 

 シュウをいったん抜いて、吸血少女を仰向けにする。

 その後、アイラの土魔法で吸血少女の手足と胴体を止める。

 シュウも肌にかする程度で刺して、会話ができるようにした。

 私が近くにいれば、能力半減と特殊能力解除で逃げられることはない。

 さらに土魔法で硬く固めてからこのまま立ち去ることにした。


【妾は何度でもよみがえる。ぬしらをどこまでも追い続け、八つ裂きにしてやるからな!】


 シュウを抜いたところでようやく意識が落ち着いたのか恨み言を口にし始めた。


『ほんとによみがえるかなぁ~』

【ど、どういうことじゃ?】


 吸血少女はなにやらシュウをやたら怖がっている。

 千年以上も生きてきてお喋りをする武器を見たことがないらしい。


 まあ、それもそうか。

 少女にとってシュウは未知の存在だ。

 怖がるのも無理はない。


『お嬢ちゃんがよみがえるのはたぶん特殊能力だよ。わかってくれてると思うけど、俺は特殊能力を解除する。今んところ、矢と魔法で特殊能力解除の範囲外で死んでたからよかったけど、この距離で死んだらよみがえれるかなぁ? 試してみよっか』

「そういえばそうですね。消滅すれば別のドロップアイテムが手に入るかもしれませんし、レマンの町も襲われることはなくなるでしょう。良いことづくしです」


 シュウの提案にアイラは乗り気だ。

 別のアイテムが手に入るならそれも悪くないな。


【い、いやじゃ。きえ、消えたくない。妾は……まだ消えとうない】


 吸血少女は涙目になっている。

 どうやらシュウの言葉を信じているらしい。


 実際に背中の翼は消され、変身とやらもできなかったそうだし。

 一撃死、方向転換、詠唱延長、詠唱中断禁止、一時停止からの光魔法、そしてお喋りな剣。

 どれも今まで目にしたことがないだろう。

 消滅するという推論もあながち外れていないと考えられる。

 吸血少女が自身が消えると信じるのも無理はない。

 そして、実際に消滅するんじゃないだろうか。


「大丈夫です。たとえあなたがここで消滅しても、第二・第三の吸血鬼が現れますよ」

【それ妾じゃないよね! 今ここにいる妾はどこに行くのじゃ?!】


 アイラは大げさに首を振る。


「わかりません。ですから、一緒に実験しましょう! 大丈夫。私は長生きですからね。消滅しても、来世があれば会えるかもしれませんよ」


 吸血鬼が泣き叫び始めた。

 必死にもがくものの、もはや逃れることあたわず。


【鬼いぃぃぃ! 悪魔あぁぁ! 化け物ぉぉ! この人でなしっ!】


 罵詈雑言を口走り始めた。

 いよいよ消滅の時間が近づいて来たな。


『おいおい、がきんちょ。人でなしとかなに言ってんのさ。よく見てみ。ここにいるのは聡明な言葉を発する剣、ヒッキー魔法オタエルフ、愚かな甘ちゃんぼっち。どこに人がいるって言うんだ?』

【う、うぬぅ……】


 いやいや待てよ。

 待て待てよ。待ちなさいよ。

 ねぇ、人間はちゃんとここにいるよ。

 愚かな甘ちゃんぼっちは遺憾なことに人間でしょ。


 おいコラ吸血少女。

 お前もなに「うぬぅ」とか認めちゃってるの。

 ちゃんとその長生きした頭で判断しようよ。

 私、うっかりお前を消しちゃうよ。


「では、せめて痛みがないように一瞬の死で見送りましょう。シュウさん、高速詠唱の解除をお願いします」


〈天にある光は、すべて大地を照らし、平等に降り注ぐ――〉


 アイラが詠唱を始める。

 高速詠唱を外して、わざわざゆっくりと唱えている。

 まるで別れの言葉だな。


【ぃやじゃ……。いやじゃいやじゃ! 死にとうない! 消えとうない!】

〈神々の作り出した糸は重なり合い、やがて一本の柱と化す――〉


 吸血少女の目尻から次々に涙が溢れては頬を伝って落ちていく。


【妾が何をしたって言うのじゃ! 普通に生きて、普通に暮らし、普通に遊びたかっただけなのに! それを認めず、あんな城においやったのはうぬらではないか!】

〈地に生きるものたちよ。忘れるなかれ。柱にこめられし神々の想いを――〉


 アイラは淡々と詠唱をしていく。

 吸血鬼はただごめんなさいごめんなさいと何かに謝り続けている。


 何分か経ってようやく詠唱が完成したらしい。

 杖の先から出た光が空へと向かう。

 すぐに光は小さく見えなくなった。


 最初の変化は雲だ。

 厚く覆っていた雲が渦巻き、その中心から空が見えた。

 しかし、空は青くない。

 真っ白だ。

 天の全てが光に包まれている。


「光になれ――」


 雲の合間から見える光がよりいっそう強まった。


【なあ、そこな人間……。来世があるなら、妾と一緒に、遊んでくれるか?】


 すでに生を諦めたのか。

 静かに問いを投げかけてきた。


 ――私の答は「いいえ」だ。


 吸血鬼に同情してしまうなんてな。

 やっぱり私は馬鹿で甘ちゃんなんだろう。


 地に刺さっていたシュウを抜く。


「シュウゥゥゥッッ!」

『超! エキサイティン!』


 吸血少女から逃げるように駆ける。

 能力解除さえなければ、吸血少女は復活できる。

 能力の有効半径から逃れるように駆け抜けた。

 背中に膨大な光が当たり、私の影が進路方向の光を切り裂いている。


 振り返り地上にできた光の柱をみつめる。

 そこにはただ光があるだけで他のものは確認できない。

 私は間に合ったのだろうか……。




 十日後。

 私はエルメルの町に戻ってきた。

 ディオダディ古城の主が城に帰ることはなかった。

 冒険者からの呼称の通り、主が帰らずの迷宮城となってしまった。

 主を失ったディオダディ城は長きダンジョンの歴史に幕を下ろすこととなった。


 アイラもお使いを済ませて、満足そうにエルフの里に帰っていった。

 早く引きこもりに戻りたかったのだろう。


 次は東の超上級ダンジョンに行くことになる。


『メル姐さん。そろそろいいんじゃない』


 おっと……本当だ。

 もういい時間だな。


 もういいか!


 外に向かって声を張る。

 暇そうだからと近所のガキどもの相手をさせられている。

 俗に言う「かくれんぼ」というやつだ。


 まーだだよ。

 もういいよ。

 と次々に声があがる。

 その中に一つだけ異質な声がある。


【まーだだぞ!】


 直に頭へ響いてくる声。

 人間の寿命は吸血鬼と比べればはるかに短い。

 吸血鬼の来世など何百年後になるかわからない。

 私は愚かだ。吸血鬼の来世を待てるほどできた人間じゃない。

 ――だから、今世でできるだけ遊んでやることにした。


 シュウは私が吸血少女を助けると予測していた。

 私が走り出す前には特殊能力解除のスキルを外していたらしい。

 まったくもって食えない奴だ。




 吸血鬼の居候が増えたことをもってディオダディ古城の攻略は終了となった。

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