アルバイト掛け持ちデビューいたします
大変遅くなり申し訳ないです!
やっとの投稿が短いのは…割愛でお願い致します 笑
人ってさ、頭の容量みたいなもんがあると思うんだよな。
あんまり沢山のことは頭に入らないだろうし、私は人より単純に出来た脳みそだから余計に。兄ちゃんと違って残念なんだよ。その内容がぶっ飛びすぎてて飲み込めないのもしかり。
何が言いたいかってとだな。
王子さんも姫さんも、今までの人生の中で出会ってきた人の中で、ずば抜けてぶっ飛んでるってことだ!
ぶっ飛び過ぎだ。参った……。
ぽかーん、としてる私を見かねた王子さんが苦笑して
「出来れば僕たちに協力して欲しい、でも無理強いはしません」
それは君が決めることですからね。
ビューティフルで癒しセクシーな口元に白い歯をのぞかせてそんなことを言う。
だがしかし、しかしだ。
私、協力しないなんて言ってないぞ?
むしろそういうぶっ飛んだ要素って、すげぇ大切だと思う。
何も無かったらつまらない。そんな人生なんて、ぽいぽーい、だ。
頭がはっきりした瞬間、私が考えてたのはそんなことだった。
それに、誰だってなってみたいはずだぞ?
異性に、な。
説明するとだな。
この二人の言うバイトってのは“性転換テスターになること”。
あらゆる特許を取りまくってる二人が造ったのはセイベツカエールというもの。まぁ、まんまだな。まんま。説明は必要ないよな?
今回は本当に自分達の為らしんだけど、何でかってーと。
カップルなんだよ、この美人さんがた。
でも同性同士だと表立っていちゃいちゃ出来ない。だから造ったんだとさ。
いや、だからってそんなもん、簡単に出来やしねぇだろって話だけど。
それを可能にしちまうのがこの二人の凄いとこ。
「でも自分達の為に造ったなら、テスターなんて必要無いんじゃねぇの?」
「確かにそうなんだけど。でも、オレらが造り上げた自信作がどれだけのものなのか……それが気になって仕方がないんだ。……それだけじゃ理由にならないか?」
真摯な視線で語りかけてくる姫さんには、おちゃらけた様子は見当たらない。それだけ造るということを大切にしてるんだろうな。
「そういうことなんです。……今の所、女性テスターはいない為あなたは大事な人材。先程無理強いはしたくないと言いましたが、出来れば引き受けていただきたいのも、僕たちの本心です」
胸元に手のひらを当てて、一つ一つの言葉を大切に紡いでゆく。そのせいか、言葉たちが心にとん、とん、と音を響かせていく。
「分かった、引き受ける。元々そのつもりだったしな」
段々と花開くような表情になっていく二人がすっげー可愛らしい。やっぱり引き受けて良かった。
姫さんにハグハグされながら考えていたのはそんなことだったり。