日常に薔薇の華
『とある隠れ変態の物語』の主人公の妹、那希の奮闘記。
設定の大元の軸はそちらなので、ぱぱっとでも目を通して頂けると幸いです。
『君の事もこの薔薇の花の様に摘み取ってしまえたら良いのに、ね……』
摘み取ってぇええぇ
……いやむしろ摘み取らせろ。
ふふふふふふ……。
携帯からの妖艶な囁きで血液をものの見事に逆流させる。
土曜日の早朝は乙女ゲー、昼は街に繰り出して逆ハー妄想、夜は乙女ゲーををかずにご飯を食べる、これが私の日課!!!!
もしも私の日課を邪魔するというのなら誰であろうと許さねえ。
たとえそれが可愛い兄ちゃんでもね!!って言っても、兄ちゃんは家から高校が遠すぎて高校の最寄り駅付近の分譲マンションに一人暮らししてるし、土曜日もあんまり帰って来ないし両親は永遠の新婚旅行っ、つまり
乙女ゲーやりたい放題っ
「那希、そろそろ起きなさい?」
なんて部屋に来られる事も……
ナッシング、へい!!
にしても今のは妙にリアルな声だった。それに凄く艶っぽくてまさに理想のオレサマ的な……今人気絶の真城さまみたいな。
いやん、私の妄想力磨きがかかった?
よしそいじゃあ、乙女ゲーを再開――
「那希、そんなにオレに襲われたい?」
…………へ?
「ふぅうえええ!!?」
そこにいたのは。
そこにいたのは…………
髪は金髪セミロング丈位の、とんでもないイケメンだった。
しかもそれは
「真城さまぁっ?!」
先程頭に浮かんだ我が癒しの彼だったのである。