第8話「飛行機の中で」
リューヤ、テロリストを排除し、いよいよアルテイル公国に向かう
アレクシーナ第三王女は破壊された飛行機を乗り換え、すぐに出発した。アレクシーナはテロリストに飛行機が奪われたり自分が人質になってしまう事を考えて、自分の専用機には爆薬を仕掛けている。今回はその一部を使い、飛行機を揺らしチャンス作った。
すぐに出発する事に異を唱える者は多かったが、
「この程度の事で今回の視察を遅らせたり止めたりはできない。テロリストも即座に出発するとは考えていまい。」
アレクシーナのその一言で、一行の出発は決まった。今回同行するはずだったSPは飛行場のトイレで死体となって見つかった。アレクシーナは代わりのSPを呼び寄せ、最短の時間で出発した。
飛行機が離陸し、少ししてからアレクシーナは目を瞑ったまま、静かな声で言った。
「大儀だったな。この功労には私も然るべき形で報いる。」
「は!ありがとうございます。」
リッターがそう言った。リューヤが続く。
「私は・・・・・・」
「なんだ?」
アレクシーナは目を開けた。
「私は一人しか倒せませんでした。リッター大尉がいなければ私もアレクシーナ様も死んでいたでしょう。しかも主犯格の男を死なせてしまいました・・・・」
アレクシーナは優しげな目をリューヤに向けた。
「お前は身を呈して私を守った。お前は役目をきちんと果たしたのだ。それで充分だろう。」
「は!ありがとうございます!」
「まだ暫く時間が掛かる、お前達も休んでおけ。」
「はい」
「は!」
眠りに落ちたアレクシーナの横でリッターが目を瞑り、リューヤも目を瞑る。
一応は訓練通りにやれたか・・・・。戦えば人は死ぬ物なんだ・・・任務だが・・・いい気持ちはしない。
リッター大尉はどう思ってるんだ?
リーン・・・・俺は間違えていないかい?きっと君に会いに行くよ・・・




