表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/45

第3話「忠誠」

リューヤ・アルデベータが、死んだはずの女リーン・サンドライトの為に、アレクシーナ・クライ王女に忠誠を誓う。物語はここから始まっていく・・・・・

「お前は王族にではなく、私個人に忠誠を誓えるか?」

 アレクシーナ第三王女はリューヤの耳元でそう言った。何が言いたいのか意味がとれない。下手な事は言わないのが無難な事だろう。

「私はクライ家に忠誠を誓いました。そしてアレクシーナ様の護衛を任されています。」

「クライ家ではなく、私に忠誠を誓えと言っている。嫌なのか?」

「そう御命令ならば・・・・・」

 アレクシーナはゆっくりとリューヤの耳元から離れ、ゆっくりとした所作で玉座に座った。

「今の件了承ならば、お前の求めている物をお前に与えよう。」

「は?」

「リーン・サンドライトに会わせてやろうというのだ。」

「リーンに?」

 リーン・サンドライトは、リューヤと同じアルファ研究所で一緒に過ごした幼馴染だった。幼馴染というより、恋人と言える程の関係だった。あの地獄のような研究所で、親に捨てられた二人は、励まし慰め合いお互い生き延びていった。リーン・サンドライトが訓練中の事故で死んだと聞かされるまで・・・

「生きているのですか?」

 リューヤは声を荒げた。

「声が高いな・・・冷静ではないぞ。リューヤ。」

「はい・・・」

「生きている。お前が望むのならば引き合わせる事も可能だ。ただ・・・」

「?」

「お前が現実を受け入れれるかどうかは別の話だがな。」

「何か不都合でも?」

「都合がよければ「死んだ」などとは言われまい。」

「会えるならば・・・・」

「誓うというのか?」

「ええ。」

「そうか、ならばアルテイル公国への視察の護衛、お前に任せる。」

「は!」

「恐らく、アルファ能力が初めて試される局面になるはずだ。」

「危険なので?」

「予感だな・・・下がってよい。」

「は!」

 リューヤは深々と頭を下げ、後ろを向き玉座を後に足早に歩いた。

「リューヤ」

 王女の声が聞こえる。

「はい。」

 リューヤが振り返る。

「先程の件忘れるでないぞ。」

「は!」

「私は約束を守る女だ。」

「・・・・・」

「下がってよい。」

 リューヤは足早に謁見の間を去った。


 リーンが生きている・・・逢えるのだ・・・・・


 リューヤはリーン・サンドライトとの思い出を思い起こしながら、自室へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ