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第2話「謁見」

主人公リューヤ・アルデベータ、そして女王アレクシーナ・クライ・・・・・その新たな関係が今、築かれる

 リューヤは自分の警護すべき王女アレクシーナの謁見の間の前に立った。

 アレクシーナは第三王女でありながら、その行動力と見栄えの良さから、クライ王国の外交の一端を担っている。演説がうまく国民からの人気は高い。

 流れ込むオイルダラーを貧民層と新規事業の開設にあてるという役割をアレクシーナにやらせて、国民に王族に好意的な目を向けさせようという目的ももちろんあるのだろう。

 リューヤは王族に忠誠を誓っていたが、アレクシーナの事を今一歩好きになれていなかった。優し気に見える瞳の奥に湛えられたどこか醒めた感覚が、リューヤの心を何故か不安にさせるのだ。


「夜勤、ご苦労」

 リューヤは謁見の間の前で警護する衛兵にそう言った。

「は!アレクシーナ様がお待ちです。」

 リューヤは衛兵の間を通り抜け、アレクシーナの待つ謁見の間に入っていった。この謁見の間はアレクシーナ専用に建てられた謁見の間で、王や第一王子のものに比べれば貧相ではあったが、それでも一流ホテルのそれよりも遥かに豪奢だった。


 奥の一段高い所にアレクシーナ第三王女の姿が見える。

 リューヤは王女の姿を認めると膝まずいた。

「よく来てくれた、リューヤ・アルデベータ」

 透き通った高い声が謁見の間に響く。

 リューヤは頭を垂れたまま、低く頷く。

「は!お呼びとの事ですので、早速馳せ参じました。」

「そう堅くならなくても良い。貴殿はアルファ−研究所で高い能力を示した優秀な戦士だと聞き及んでいる。」

「は!有り難いお言葉でございますが、自分などまだ右も左も分からぬ若輩者でございます。」

「今度のアルテイル公国の視察で、そなたにやって貰いたい事があるのだが・・・・」

「は!」

「人に聞かれてはちと拙い。」

アレクシーナは首を振り、人払いをさせる。

「近くに。」

 アレクシーナの高い声が響く。

 リューヤはゆっくりと立ち上がり、アレクシーナのいる玉座の方へと歩いていき、アレクシーナの5歩程手前で再び膝まずいた。

「もっと近くに・・」

 リューヤは言葉のままにアレクシーナの玉座のすぐ側まで近づいた。アレクシーナは玉座から立ち上がり、リューヤの側に立ち、耳の側まで口を近づけた。 

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