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第16話「オリジナル 後編」

アレクシーナの密命を帯び、山を登るリューヤ。その前に立ち塞がる男・・・・α能力者同士、初の激突!!

「待ってくれないか?俺はロード・コーターさんに逢いに来ただけだ。」

「知ってるよ。アレクシーナ様の使いだって事もな。」

「なら・・・・」

「悪いが事はそう単純じゃない。抜きな。俺を倒さなきゃ先へは行かせない。」

「俺にはあなたがそう酷い人には見えない。争いたくない。」

 銃声がした。銃弾は足元に食い込む。当てる気はなかったらしい。

「次は当てるぜ。」

「あなた、α能力を知ってるのか?」

「銃弾だってかわすんだろ?どの道俺をやらなきゃ命令を果たせないぜ。」

「後で後悔してもしらないよ。」

 リューヤは銃を抜いた。急所を外して当て、行動不能にするのがBESTだろう。

 相手が銃を撃つ。白い光。今度は確実に心臓を狙っている。


 殺る気か?


 リューヤは光を避けそう思うと同時に銃弾をかわした。

 そしてそのまま射撃体勢に入り、相手の右足目掛けて撃った。

 男は半身だけかわし、銃弾を避けた。


 今のは?まさか?


 もう一度今度は左足目掛けて打つ。

 男はまた半身だけかわした。


「驚いたかい。」

 男は落ち着いた表情でそう言った。

「あんたもα能力者・・・・・。」

「そうだな・・・あんたとは違う。天然だけどな。α能力のオリジナルってとこだよ。」

「日本に二人程いたと聞いていたが・・・」

「なにも日本人だけの専売特許って訳じゃないさ。そしてこの能力者同士の戦いではな・・・」

 リューヤの目に白い光が無数に見える。


 馬鹿な


 相手が持っている単発式の銃ではあり得ないはずだった。それでもリューヤはその無数の光を避ける。必死だった。

 それらの全ての光をかわした後、リューヤは後ろに気配を感じた。後頭部に確かに銃口を向けられている。そういう気配がした・・・・


「こんな事も出来るのさ・・・チェック・メイトだよ。ボーヤ。」

「あんた、何者だ?」

 リューヤは両手を上に上げ、微かに震える声でそう言った。

「ミハエル・コーター。ロード・コーターの息子さ・・・・・」

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